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小説の書き方

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2019年11月の記事一覧

【小説の書き方 84】

【小説の書き方 84】

現在ぼくらがもっとも気にかけている古典作家は、デフォーからスタンダールへと連なる系譜であり、十八世紀合理主義の明晰性をすべて受容した路線だ。ぼくらの願いも、知性と勇気と欲求にあふれ、それでいて熱狂的になったり満足したりせず、ずるがしこさや高慢に陥らないような男女の人間像を想像することだ。

カルヴィーノ

【小説の書き方 83】

【小説の書き方 83】

小説の語りのなかで起きることの大半はメカニカルなもので、話をどのように進めていくかという技術的な問題と関わっている。たとえば、カウボーイのお話や警官のお話は撃ち合いで終わるが、それはその手の話を終わらせるには撃ち合いがメカニズムとしていちばん確かだからだ。

ヴォネガット

【小説の書き方 82】

【小説の書き方 82】

作家は言葉を使用し、言葉は意味を持ち、意味は人間の行為に影響を与えずにはいない。このことから、倫理と文学の間に関係が存在することは避けられない。同様に、文学と社会の間にも、関係がないということはあり得ない。それどころか、人は多くの関係を確認しており、芸術家がどんなにやっきになって否認しようとも、それらを十分に考慮に入れなくてはならない。

カイヨワ