自虐的にならないで!あなたの魅力を伝える文章術
主観の入った文章では往々にして、「私なんかが言うのはおこがましいですが」というような、自虐的な表現が入りがちです。
ここをちょっと気をつけるだけで、自分の日々、体験、個性について語る文章が、数段好感度が高くなります!
もったいない話なので、ぜひ覚えておいて、ご自身の文章に役立ててくださいね。
「自虐」は読むときにジャマになる
「自虐」は、自分で自分を痛めつけること。
「自虐的な」という表現の方が伝わりやすいですね。
ここでは、文章の中で、ついつい自分をおとしめてしまう言い方を指していっています。
「私なんかが言っても説得力ありませんが……」
「誰もこんな文章読んでくれないとは思いますが……」
「もういい年のオバサンですけど……」
「そうはいっても、そんなに稼いではいませんが……」
こう言いたくなる気持ち、とてもわかります!
そんな気持ち、誰でもあります!
特に、自分自身について語るときには。
「自己肯定感」の低さが、つい出てしまいます。
でも、読者として文章を読んでいると、これはとても「残念な言葉」です。
なぜなら、まず、この言葉がなくても十分意味が通じる、不要な言葉だから。
そして、この言葉があることで、文章や、書き手の魅力が減ってしまうからです。
自虐ネタや自虐ジョークとして笑いに昇華されていればいいのですが、これがなかなか難しい。単なる「余計なひとこと」になりがちです。
自分自身について書くのは難しい
私自身もそうです。ライターなのに、普通の自己紹介が苦手です。
20年も雑誌ライターの仕事をしてきて、文章を書くのには慣れているのに、自分自身について紹介したり、体験を語ったりするのがまったくできないことに気づいたときは、愕然としました。
「自分史」に関心を持ったきっかけのひとつでした。
今でも、「苦手だな」と思う気持ちはあります。
人は誰でも、自分自身を見ることはできません。
目は自分にくっついているからです。
そのため、表現はどうしても「主観的」になります。
そうすると、自分に自信なく卑屈になるか、逆に虚勢をはって必要以上に攻撃的になるか、どちらかになりがちです。
だから自分について語ったり書いたりするのは難しいのです。
でも、それがいきすぎて、文章や自己紹介の欠点になってしまうなら、そんな表現はない方がいいんです。
能力ある人が自分を過小評価する「インポスター症候群」に注意
必要以上に自己評価が低くなる精神状態に、名前があるのをご存知ですか?
「インポスター症候群」がそれです。
実際には能力や実績があるにもかかわらず、自分の能力を過小評価してしまうことがあります。これが、心理的傾向として知られています。
典型的なのが、「ほめられたときに、どう感じるか」です。
「あなたはこんなことをしてきたのね。すごいね。素敵ね。がんばったのね」と言われたとき、どう感じるでしょうか?
以下のような特徴があるそうです。
「自分に当てはまる」と思う人も、多いのではないでしょうか。
自分の成功を運や周囲のサポートのおかげだと考える
自分の能力や実力を信じられない
自分が「偽物」や「詐欺師」であるかのように感じる
必要以上に謙遜したり自分を卑下したりする
この最後の「必要以上に謙遜したり自分を卑下したりする」を、できるだけ減らしましょう。
実際の言動をすぐ変えるのは難しいですが、文章なら読み返して、すぐに改善できます。
文章の鉄則:迷ったらトル! で対応しよう
「自虐を減らそう!」は、意識すれば今すぐにでも簡単に始めることができます。
雑誌ライターの現役時代に、推敲では「迷ったらトル!」と教えられました。(トル=削除する、の意)
無駄を省き、言葉のダブりを減らしていくと、伝わりやすく強い文章になる、ということです。
読み返す
自分の書いた文章を、読み返しましょう。
特に、少し時間を置いたり、一晩寝たあとに読みかえしたりすると、新鮮な目で見ることができます。
気づいたらサクッと削除
もし、自分の文章を読み返して、「あれ、これは自虐的だな……」と気づいたら、サクッと削除しちゃいましょう。
等身大の私。鏡の前に立って、背筋を伸ばす気持ちで
自虐もせず、虚勢もはらない、等身大の自分を表現しましょう。
それは、人前に出るときに、鏡で自分の姿を確認するのに似ています。
寝ぐせがはねていたら、とかしつけましょう。
服に変なシワが寄っていたら、引っ張って直しましょう。
欠点は上手に隠して、魅力は堂々と見せて。
自分を見つめ、自己分析も可能な「自分史」の考え方でできる文章術をご紹介しました。
文章を整えることで、あなたの魅力が引き立ちます。
また、自虐的な要素を減らして好感度を上げ、反応がもらえることで、自己肯定感を少しずつ上げていくことも期待できます。
自信を持って、あなたの考えや体験を伝えてみてくださいね。
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