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【ネタバレ感想】『光る君へ』第34回「目覚め」

大河ドラマのオープニングって、しっかり見る方ですか? 見ないで飛ばす方ですか?

私は、新しい役者さんはどなたが出るかな〜という気持ちで、結構しっかり見ている方です。

今日は前情報なしで見ていて、「えっ? あれっ!? この人って……!」となりました。

興福寺のお坊さんと道長を中心にいろいろきな臭いことが起こってきていますが(道長、ため息が増えましたねえ……)、そちらはそちらとして、まひろと中宮彰子の「目覚め」が描かれた話でした。

中宮に仕える女房として──まひろの目覚め

ここまでまひろが、「物語」を書く理由が丁寧に積み上げられてきました。
内側からは、自分が感じてきた喜び、悲しみ、憤り、すべてを込めて、世の中に働きかける表現が、「物語を書く」になったこと。
外側からは、絆の深い道長から、たっての頼みを受けたこと。

……なのですが、前回から、「物語を書く」以外のまひろの気持ちが出てきましたね。
「女房として、中宮彰子を支える」ひいては、「一条天皇と中宮彰子の仲を結びつける」ことへの、前向きな気持ちが出てきたようです。
彰子の側にいて、見つめるシーンも増えてきました。

道長(まひろに)「お前……何とかならぬか。このままでは不憫すぎる」

まひろ「恐れながら、中宮様のお心が帝にお開きにならないと、前には進まぬと存じます」

このセリフ、まひろは彰子のことをよく見てますよね。

一条天皇と、火事の中を逃げたり、今回襲撃を避けて一緒にいたりと、胸キュンシーン満載で、吊り橋効果は何度もグラグラ来てるのに、なぜ帝と彰子の仲は進展してないんだ? と思っていました。

少女漫画ならもう告白してるでしょ!?
まひろは、そうなってない理由を察知しているようです。

一条天皇「朕に物おじせず、ありのままを語る者はめったにおらぬ。されどそなたの物語は、朕にまっすぐ語りかけてくる」

まひろは、物語が帝の心をつかんだことをもっと喜んでもよさそうなものなのに、自分よりも中宮様に会いにきてほしいと切に願っています。

まひろもまた、さらに変わっていくようですね。

心の内を表現していい?──中宮彰子の目覚め

皇后定子が亡くなってから6年が経つというのにびっくりです。でも確かに敦康親王(定子が産んだ皇子)は大きくなっていますね。

彰子が入内したのは数えで12歳になったとき、一帝二后となったのが年明け、定子が亡くなったのがその年末とのことなので、それから6年経ってもまだ数えで19歳というところ。

あまりにも奥ゆかしい彰子は、自分が思うことを言葉にして外に出してもいいという発想がないかのようです。

敦康親王に対してはニコニコと柔らかい表情をしているのは、相手が無邪気な子供で、自分を取り繕わずにすむからでしょうか。笑顔が魅力的です。
もっと笑えばいいのに!

一方で、一条天皇に対しては顔もあげない、目も見ない。
感情がわかりにくいですね。

彰子「そなたの物語だが、おもしろさがわからぬ。男たちの言っていることもわからぬし、光る君が何をしたいのかもわからぬ。帝はそなたの物語のどこに惹かれておいでなのだろう?」

まひろ「さあ……。帝のお心ははかりしれませぬ。されど、私の願い、思い、来し方をふくらませて書いた物語が、帝のお考えになることとどこか重なったのやもしれませぬ」

彰子は、まひろの物語に興味があるようでいて、実際は帝の心に興味があるようです。

彰子「さっき、父上が心からお笑いになるのを聞いて、びっくりした」
まひろ「殿御は皆、かわいいものでございます」
彰子「帝も?」
まひろ「帝も殿御におわします」

育った環境のためか、生き生きと笑ったり喜んだり、自分の気持ちを訴えたりということがなかったのかも。

彰子の戸惑いに、まひろが丁寧に寄り添って言葉を返していて、まさに道長が切実に望む方へと「力を尽くしている」感じが伝わってきて。
定子とききょうとは異なる、彰子とまひろの二人の絆がスタートしたんだな……と感じました。
この二人の関係がどう描かれていくのか、楽しみです。

声優「西村ちなみ」の登場にびっくり!

オープニングを見ていたら「西村ちなみ」という名前を見つけて、「西村ちなみって、声優の西村ちなみさん?」と思っていたら……ご本人でした!

「なぜ?」と思ったのですが、NHK放送のアニメ『おじゃる丸』で、主人公のおじゃる丸を演じている縁で、ということだったんですね。

『おじゃる丸』は、1998年10月からNHK Eテレで放送されている、1回10分の帯アニメ。平安時代から現代にやってきたおじゃる丸と、仲間たちの日常を描くコメディです。
『光る君へ』がスタートする頃に、「平安時代」つながりで、コラボ番組などもしていたようですね。

2024年の今もずっと続いているとは、ご長寿!
NHKのアニメとしては、1993年にスタートした『忍たま乱太郎』に続くご長寿アニメだそうです。

西村ちなみさんは1994年頃から出演作のあるベテラン声優さんで、有名どころの出演作では、『ゲゲゲの鬼太郎』猫娘役(1996年)、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』佐上ジュン役(1996年)、『ポケットモンスター』人間キャラからポケモンまで役多数(1997年〜)、『ARIAシリーズ』アリア・ポコテン役(2005年〜)、『スマイル・プリキュア』青木れいか/キュアビューティ役(2012年)などがあります。

これまでにも『光る君へ』では声優が、道長の母親役で三石琴乃、オウムの声役で種崎敦美が登場していました。
今回もおもしろい登場のさせ方でした。

いろんな興味を持たせようと、いろんな種をまいてくるなあと感じます。

次回は、御嶽詣での道長に何やら危険が迫りそうです。
相変わらず恨み骨髄の伊周、何をやらかしてくれるのか?
そして彰子にも変化が……(思ったより進展しそうですね!?)


STAFF・CAST

『光る君へ』(2024年)NHK 大河ドラマ
脚本/大石静
音楽/冬野ユミ
ナレーター /伊東敏恵
出演/ 吉高由里子、柄本佑

STORY

大河ドラマ「光る君へ」(2024年)。主人公は紫式部(吉高由里子)。 平安時代に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた女性。彼女は藤原道長(柄本佑)への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で、光源氏=光る君のストーリーを紡いでゆく。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。(NHK公式サイトより)

大河ドラマ「光る君へ」 - NHK



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