必要なのはフライパン
このところ家で食事を済ませることが増えた。お弁当や出前ではなく簡単ながら自炊している。緊急事態宣言がひとまず明けて、待ちかねた外食に世の中が湧いている中、なをやとも時代に逆行したライフスタイルではある。
家事はさほど嫌いではないものの料理は大の苦手で、食後の皿洗いは最も嫌いな家事の部類だ。でもまあとにかく最近は作っている。切る煮る焼くの3つしかできない身としては「煮ても焼いても食えない」なんてさぞかや困惑するだろうな、などとしょうもない事を考えつつ、貧弱なレパートリーに悩む。そんな折に今日はふと、パエジャを作ろうと思い立った。フライパンさえあれば作れる手軽な料理である。
実は研究休暇をスペインで過ごしていた1年間には頻繁に作っていたのだが、何故か頭からすっぽりと抜け落ちていた。釜(電子炊飯器)を持っていきそびれ、当時は米を鍋かフライパンで炊いていた。水の代わりにパエジャの素を入れ、野菜や魚介を放り込めば簡単に出来上がる。便利なので重宝した。
スペインのスーパーマーケットには紙パックに入った液体状の素が売られていたが、日本では粉末タイプが主流のよう。こちらの方が嵩張らずに済む。出来上がりは、まずまず。今後は作る頻度が増えそうだ。
好みはシーフード・パエジャで、スペイン語ではパエジャ・デ・マリスコス。この言葉がなかなか覚えられず、レストランで注文する際にはよくパエジャ・デ・ペスカード(魚のパエジャ)と言っていた。店員は妙な言い方だと思っただろうが、聞き返されたことは一度もなかった。思い出しながら、またスペインに行ってパエジャを食べたくなってきた。来年は叶うだろうか。