膝の痛みや太もも外側の張り
膝の違和感や疼痛に何かと関わる大腿筋膜張筋についてです。
付着位置
起始
上前腸骨棘(ASIS)
停止
腸脛靭帯に切り替わり脛骨外側顆
縫工筋と起始部をASISで共有しています。
停止部を持ち合わせていなく、腸脛靭帯と移り変わる形で付着しています。
作用
股関節屈曲、内旋、外転、膝関節屈曲
股関節を跨いで付着し、腸脛靭帯に移り変わり膝関節を跨ぐことで股関節や僅かに膝関節の動きにも関与します。
中殿筋、小殿筋と共に股関節内旋作用を持つ数少ない筋肉の一つです。
一方外旋筋は大殿筋をはじめ深層外旋六筋や腸腰筋、縫工筋等も働きます。
股関節外転時
大腿筋膜張筋が働き股関節を外転する際は、中殿筋や大殿筋も共に作用します。
また大腿筋膜張筋は外側広筋の上にべったり付着していますので、外側広筋そのものは股関節外転作用を持ちませんが、共に股関節外転時に働きます。
O客やがに股姿勢の方は拘縮していることが多い傾向にあります。
歩行時の役割
歩行時つま先が開きがに股姿勢にならぬよう、大腿筋膜張筋が働きます。
グラッピングテスト
腸脛靭帯炎の有無を確かめるテストになります。
腸脛靭帯と大腿骨外側上顆の擦れの有無を調べます。
膝近くの腸脛靭帯を圧迫し膝の曲げ伸ばしを行います。
膝関節屈曲角度が30°付近で腸脛靭帯が大腿骨外側上顆上を通過します。
その際の疼痛の有無で判断します。
膝関節伸展時は腸脛靭帯が外側上顆の前を通過しています。
完全屈曲位でも膝の痛みが生じる事は無いです。
屈曲30°付近が丁度外側上顆を腸脛靭帯が超えるか超えないかの境目になります。
30°がポイントです。
ニーイン
股関節屈曲、内旋作用をもつ大腿筋膜張筋ですから、過緊張するとスクワット時ニーインします。
ニーインはスポーツ上、膝痛や膝の障害が最も生じやすいケースの一つです。
腸脛靭帯を始めとする外側ラインが伸張され、パテラが内側移動する事で内側側副靭帯が伸張され疼痛や、内側半月板損傷等も考えられます。
前十字靭帯損傷等も考えられますね。
最悪の場合手術です。
体幹回旋との関連
体幹が右回旋する際、右股関節は内旋します。相対的に。
大腿筋膜張筋不全により股関節内旋作用を上手く出せない事で、回旋可動域に影響を与えます。
押圧刺激を与えながら、回旋動作を促すと良くなるケースがあります。
勿論これも対処療法ですが。
おわり。
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