💝とことんユーミン💝 PEARL PIERCE

こんばんは。
今日は6月23日です。
そして今日のアルバムPEARL PIERCE は
1982年6月21日リリースです。
なんと、39年前のアルバムです。
なのに新鮮ですね。
キャッチコピーは

「YUMINGの世界は
　恋、愛、想、波乱万丈。刺激的。」

さて、1982年5月17日、
わたしは母校のお隣にあった
八芳園で結婚式をあげ、
翌日カナダに新婚旅行に旅たちました。
結婚相手に選んだのは
「14番目の月」からのユーミンの曲を
車の助手席できいていた学生時代からの友達でした。
バンフやカルガリーの雄大な景色に魅せられ帰国。
幸せな新婚生活を送るはずでした。
ところが、帰国したわたしに彼の両親は
「6月5日から仕事に出れば良いから」と言いました。
え？わたし仕事するの？　
世間知らずのわたしは何も知らずに嫁いで来てしまい、
まさかそんな労働をするとも
思っていなかったのでした。
朝、テレビから流れる
「おしん」のテーマ曲を聴きながら、
家事を済ませ、歩いて2分の場所にある、
家業の卸売会社に出勤しました。
そして、家事と仕事の両立にあたふたしながら
あっという間に6月が過ぎてゆきました。
浅草の街は遊びにくるのと住むのとでは
全く違う表情を見せていました。

友達でなく夫になった彼に
浅草の裏通りにあるパチンコ屋に
初めて連れて行かれた日、
ビギナーズラックが訪れ、
わたしは初めてパチンコで商品を得ることになり、
選んだものは「パールピアス」のアルバムと
翌朝食べるバナナでした。
波乱万丈の結婚生活の幕開けにふさわしい
思い出のアルバムです。

ブックレットは安西水丸氏が手がけました。

1、ようこそ輝く時間へ

クイズです。ようこそ輝く世界へ　の舞台はどこですか？
後楽園ですね。

後楽園ゆうえんちの
スカイフラワーから見る
当時の後楽園球場をモチーフにした、
大人の夏休みを描いた作品です。

【大人のMusic Calendar】から
1982年7月5日は松任谷由実の『PEARL PIERCE』がオリコンのアルバム・チャートの1位を獲得した日である。

1982年5月10日から12日まで、後楽園球場でサイモン&ガーファンクルの再結成コンサートが行なわれた。まだ東京ドームではなく、屋外の球場だったころである。
アルバム『PEARL PIERCE』を制作中のユーミンは、録音の合間を縫って、彼らのコンサートに出かけた。レコーディングは仕上げにさしかかっていたが、彼女はアルバムの冒頭を飾ることになる曲の歌詞ができずに苦労していた。
しかし後楽園球場に隣接する夕闇の遊園地の輝きを目にしたとき、彼女の中にひらめくものがあった。そして生まれたのが、夜風が涼しくなる頃は、からはじまる「ようこそ輝く時間へ」だった。(ニッポン放送NEWS ONLINE 北中正和氏)

8月31日～夏休み最後の日～にちなんで夏休みの思い出を松任谷由実に質問すると、松任谷由実は「ようこそ輝く時間へ」の歌詞からバターの香りという部分を紹介し夏の終わりを感じると述べた。香りや温度や湿度などを残したくて歌を作っていると松任谷由実は語った。

バターの香りはポップコーンですよね。
浅草はなやしきの遊園地でこの曲を口ずさみました。

2、真珠のピアス 

ユーミンは「ルージュの伝言」の中でこう語っています。

『パールピアス』は大人っぽいアルバムだって、私あちこちでいっているの。
本当は大人の詩とはちっとも思っていないんだけれど、今度のレコードは大人っぽいって外には言うの。それは大人っぽいですよって言っておかないと、高校生とかが買ってくんないじゃないかって思ってるからなの。
　パールのピアスというのはイメージがあるわけ。シャネル・スーツとか結婚式にしかしないとかね。結婚式にはほかの宝石は、真珠以外にはつけられないんじゃないかな。ウェディングドレスは真珠はシックな感じだし、いいなというふうに思ったの。質素な分だけ大人みたいな気がして。
　こういうのされたらどうする？パール・ピアスを別れるときにベッドの下に片方捨てたら？そういうことされたらかわいいと思う？まずいなっていうふうに一般の人は思うでしょう。これ、本当は色気のない話しでね。ファンの女の子が日記みたいなのびっしり書いたの送ってきたのよ。その中にあった話として書かれていたの。その子、あるミュージシャンのグルーピーみたいな感じだったわけよ。私のステージを見ているうちに、そういう世界に入り浸っちゃったんだけど、報われないわけよね。そういうファンの子なんて所詮ファンの子だからさ。それで、そのミュージシャンの家に押しかけたり、いろんなことしてたらしいんだ。そのことが彼女の送ってくれたノートに克明に書いてあったわけ。あんまりふりむいてくれないから、やっちゃったときにね、イヤリングを片っ方捨ててきたっていう話が書いてあったの。でもそのことは、その日記では大した位置は占めてなかったんだけど。
　ああ、これは使えるなって思ったの。私も、ピアスを残してこないまでも、助手席にピンが落ちるとか、そういうことってあるからね。

女って、そういうのをわざとやるのか無意識にやるのかわかんないところがこわいってよくいうけどね。

わざとピアスを残していく、
不注意に落としたことを、
全部計算してやったことだと言いたがるのか、
女心は複雑で、
単純男子には絶対に理解できないと結婚して、
はっきり悟ったものでした。

3、ランチタイムが終わる頃 

ここでクイズです。
この歌の舞台となった公園はどこでしょうか？

はい、日比谷公園ですね。

チャイムを鳴らし 背中をたたき
もうすぐランチタイムが終わる

1982年TBS『風の鳴る国境 明子と早苗』テーマソング。



全編パリ・ロケで、愛のモラル、女性の自立、国境とは何か、を二人の若い女を軸にみせる。松任谷正隆はテレビドラマ初出演。




【出演】眞野あずさ(真野あずさ）、ダニエル・オルブリフスキ、
　　　　名取裕子、松任谷正隆、岸恵子

名取裕子さんと正隆さんの
ラブシーンが話題になりました。
これで二人は親密になり、
1985年には不倫発覚となったようです。

4、フォーカス 

当時、写真週刊誌の『FOCUS』が創刊されて
人気になったためにユーミンがタイトルを
拝借して題材にした楽曲を作りたいと思って
制作したと語っています。

酒井順子さんは「ユーミンの罪」で
『ブスに優しいユーミン』というタイトルで
かなりのボリュームで書いていらっしゃるので、
要約してお伝えします。

個人的に強いシンパシーを寄せているのが「フォーカス」
ユーミンソングの中で唯一の眼鏡っ子ソングです。今でこそ、伊達メガネをかるなど眼鏡をファッションとして取り入れるようになっていますが、当時はまだ眼鏡をかけている女はかわいそうな存在思われていました。
運命の人と巡り合って眼鏡を外した主人公は、きっと彼と幸せになるのでしょう。
ユーミンはこう言ってます。
「私、顔かたちとか、そういうふうなコンプレックスがすごく、ものすごくあったわけよ。だから女の子にやさしいっていうか、受けがいいのかもしれないね。妙にリアリティーがあるのかもしれない。」
「フォーカス」に登場する眼鏡っ娘への優しさに溢れているのも頷けます。容姿の難点など全く気にしないで「本当の私」を見てくれる王子様とある日突然出会う…というブスにとって理想の展開が繰り広げられているのです…酒井さん、なるほどね。

ここで、クイズです。
私のロンサムタウンは、
どこのご当地ソングですか？

新潟ですね。そう思ってお聴きください。

5、夕涼み 

2020年7月24日放送の「松任谷由実のYuming Chord」にて、ユーミン自身が自分の夏の歌の中で最も気に入っていると発言した。
ユーミン自身は後年ラジオにて「もっと（自分に）歌唱力があれば良かったのに…」と本作について述べている。

二人きりの夕涼みは
二度と来ない季節

「夕涼み」も忘れ難い曲だ。アルバム発表時の取材でユーミンはこう語っていた。この曲は、暮れなずむ夏の海で、ヨットが帆をたたんで、ゆらゆら揺れる情景を想い浮かべて作曲した。しかしアレンジが出来上がったら、季節は同じ夏の夕暮れでも、街っぽい感覚のイメージがわいてきた。それで歌詞はガレージで水まきしている光景からはじめることにした……要約するとそんな話だった。プロデューサーの松任谷正隆と彼女が阿吽の呼吸で作品を仕上げていくプロセスの精度が伝わってくるようなエピソードである。


私の大好きな曲です。
夏の盛りを過ぎたころ
必ず歌ってます。

6、私のロンサム・タウン

クイズです。
この曲はどこのご当地ソングですか。


晩秋の新潟へのライブツアー途中の
オフの情景を歌っていると言われています。
詞の中に
「ナホトカ」も登場します。

ちょっと毛色がちがうヒロインは「私のロンサム・タウン」に登場するミュージシャンだ。果てしなく続くツアー中の彼女はホテルの窓から北国の港町の少し淋しそうな朝の光景を眺めている。フィクションが多いラブ・ソングの合間に、アーティストとしてのユーミンの気持ちを投影したこの歌がさりげなく置かれることで、アルバムが引き締まる。そんなところも『PEARL PIERCE』が名作と呼ばれている理由のひとつだと思う。

新潟には行ったことがないので、
一度は行って、日本海を眺めてみたいです。

7、DANG DANG

 
前作「昨晩お会いしましょう」のツアーで「土用波」というタイトルで初めて披露されました。
1984年富士フイルム「ビデオテープスーパーHG HiFi」CMソング。
1995年映画『キャンプで逢いましょう』劇中歌。
原作を反映したアウトドアの世界と
ユーミンサウンドを背景に、
都会のOLとアウトドア雑誌のカメラマンとの恋が
描かれていました。

キャッチ・コピーは
「都会じゃ見えない恋がある。」
主演女優は後藤久美子でした。

前述の酒井さんによれば、
この歌の基本姿勢は
「別れたのは悲しいけれど、ふっきろう」というもの。
別れの悲しみを紛らわせるために
海辺を走っている私。
運転席にいた男を失って、
自分で運転をはじめた私は
だんだんスピードをあげていきます。
「彼女は知らないなら友達になるわ。　
　それしかあなたに会うチャンスはないもの今は」
私はあなたに相応しくないと言って、
付き合っていた女の子は、
身を引いていきました。
ところが、
ある日、今付き合っている彼女から
友達として、元彼女を紹介されます。
背筋がぞっと冷たくなり、
悪夢を見ているようになるに違いありません。
当時はまだストーカーという言葉はなかったですが、
まさにストーカーですね。
怖いですね。

8、昔の彼に会うのなら

ポニーテールへの提供曲「二人は片想い」が原曲。
ポニーテールは二人組のデュオで
1976年7月29日にこの「二人は片想い」と
「瞳を閉じて」のシングル盤を出しています。

『二人は片想い』
仲が良すぎて私達　一人の彼を愛してた
わかった時は口惜しくて　口もきかずに帰ったの

今度会ったらそれぞれに　素敵な彼がいるでしょう
素敵な彼がいるでしょう

荒井由実時代のかわいさ残る曲でしたね。

9、消息

雨の降る駅のホームの向かい側に、
昔の恋人を見かけた私。
彼と別れてからすべての人脈を断ち切り
孤独な日々を送ってきたけど、
彼が乗る電車を見送ることで、
全てを忘れて、
それまでの苦しみから解き放たれる心情が
なんとも泣けるけど
なぜか明るいバラードです。

というのも、竹内まりあの「駅」と比べて、
こちらが30台後半の主人公とすると、
「消息」の私は20台半ばで、
過去に流すものもグレイ…
ぐっとドライな気がします。
いかがですか？

10、忘れないでね

携帯電話のない時代のお話。
横に眠る人は奥さん？ですよね。
きっと。
主人公は淋しさに耐えきれず、
夜中にいたずら電話か間違い電話のように、
ダイヤルを回します。
そして、ルルル…と３回鳴らして切ります。

方や男の家では、
固定電話の呼び出し音が響き、
3回でキレます。
相当迷惑な行為をするストーカーみたいですが、
「うたがわれたときは心配させちゃだめよ」と
まるで奥様を気遣っているようです。

私は一人でこんなにさみしいのだから、
電話くらいいいでしょうという思いもありでしょう。

心の奥にある嫉妬心、
自分を憐れむ心、
そんな心を押し殺して自分をよく見せようとする心、
さまざまな女心を詩にするユーミンを、
多くの女性たちは
「私の気持ちをわかってくれるユーミン」と崇め、
次第に恋愛の神様になっていくのでしょう。


PEARL PIERCE  情念ソング三曲
　❤️真珠のピアス
　❤️DANG DANG
   ❤️ 忘れないでね

こうして、3歩前を歩くユーミンの曲を聞いて、
結婚した私はだんだん娘から女になっていくのでした。

おまけです。記事を読んだお友達がおしえてくれました。

初めてリアルタイムで買って聴いたアルバムでした
アルバムジャケットは当時少年ジャンプで連載中だった「ストップひばり君」(江口寿史)の扉絵にも書かれてだのを今でも覚えています。