松下幸之助「仕事は勝負」
仕事というものは勝負である。
一刻一瞬が勝負である。
だがお互いに、勝負する気迫をもって、日々の仕事をすすめているかどうか。
まず普通の仕事ならば、ちょっとした怠りや失敗があったとしても、別に命を失うということのほどではない。
それでも、ともかく日は暮れて、その日の仕事はまず終わる。
だから、つい気がゆるむ。
油断する。
今日は昨日の繰り返し、明日もまた同じで、別段とくに変わったこともなし。
しかし、これではいい知恵は浮かばない。
創意も生まれなければ、工夫も生まれない。
そして何の緊張もないかわりに、何の喜びもないということになる。
平穏無事なときには、これでも日は過ごせるが、しかしいつもそうはまいらない。
わが国の情勢は、世界の動きとともに今や刻々と変わりつつある。
一刻の油断もならぬ状態におかれている。
このときにこそ、勝負する大勇気をもって仕事にあたらねば、それこそ真の繁栄は生まれないであろう。
仕事を勝負と心得る人と心得ない人とのちがいが、ハッキリとあらわれてくるときではなかろうか。
(参考文献 道をひらく 松下幸之助)
(感想)
仕事に対して正面から向き合い真剣に取り組むと、失敗があった時は本気で悔しいし、うまく行った時は涙が出るほどうれしい。
誠心誠意仕事に取り組む姿勢は相手にも伝わり、信頼関係を築きやすくする。
若い時は私も、楽して仕事をすることばかりを考えていました。しかしながらその姿勢からは、仕事に対する充実感や楽しさは生まれてきません。
また周りの人にもその姿勢や気持ちが伝わり、良い仕事にはつながりにくい。
松下幸之助さんの言う「仕事を勝負と心得る」とは、誠心誠意、真剣に仕事に取り組むことで仕事を楽しむということなのかもしれませんね。
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