松下幸之助「熱意をもって」
経営というものは不思議なものである。
仕事というものは不思議なものである。
何十年やっても不思議なものである。
それは底なしほどに深く、限りがないほどに広い。
いくらでも考え方があり、いくらでもやり方がある。
もう考えつくされたかと思われる服飾のデザインが、今日もなおゆきづまっていない。
次々と新しくなり、次々と変わってゆく。
そして進歩していく。
ちょっと考え方が変われば、たちまち新しいデザインが生まれてくる。
経営とは、仕事とは、たとえばこんなものである。
しかし、人に熱意がなかったら、経営の、そして仕事の神秘さは消え失せる。
何としても二階に上がりたい。
どうしても二階に上がろう。
この熱意がハシゴを思いつかす。
階段を作り上げる。
上がっても上がらなくても、そう考えている人の頭からは、ハシゴは出てこない。
才能がハシゴを作るのではない。
やはり熱意である。
経営とは、たとえばこんなものである。
不思議なこの経営を、この仕事を、おたがいに熱意をもって、懸命に考えぬきたい。
やりぬきたい。
(参考文献 道をひらく 松下幸之助)
(感想)
仕事に対して真剣に向き合うと知恵が生まれる。
日々変化する世の中で、様々な問題やトラブルを波乗りのようにこなすには、熱意を持って懸命に考え抜くこと。
有事だけでなく、普段からの心がけが大事。
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