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海外に居るから美味しく感じるのではなく、確実に上がっている他国の和食レベル

 6年ほど前だろうか店の名前は忘れたが、アメリカロサンゼルスでそこそこ有名な鮨と天ぷらが食べられる割烹店を訪れたのを思い出した。鮨といってもカルフォルニアロールのようなものではなくしっかりとした日本風の鮨であった。当時は日本で食べられる和食同等の味が海外で食べられることに感動していたのだけれど、今から思えばそれはアメリカにいたらかこそ感じた満足度だったのかもしれない。

 わさびは青緑の人工わさび、天つゆは極度に甘辛くかなり濃い。まさに外国人が日本の和食を真似てそのまま作った完成度そのものだった。
しかしながら、最近ヨーロッパやアジアの他国で和食料理店をあえて訪れるようにしているのだが、満遍なくレベルは高いし、日本より美味しいんじゃないかと思うような店にもたまに出会う。

 全然冗談でもなんでもなく、本当に日本より美味しい!ただ、そこにはいくつかの要因と条件がある。まず、一つ鮨などに使われる鮮魚についてアジア諸国であれば朝日本近海で獲れた魚を一旦東京で卸し、そのまま早朝の空輸便で各国に送られる。そうすることでその日とれた鮮魚が当日のディナーに間に合うわけだ。

 しかし、もっお大きな1番の要因であろうものがわかった気がする。例えば、日本では和食割烹料理店や鮨屋でシェフとして働こうと思えば、まず下積みとして一年目なんかは包丁はほとんど触らせてもらえない。食器洗いに精々仕込みの手伝いくらいだろう。その間はどうもがいても店にいる師匠の姿を見様見真似で覚えるしかないのだ。
実践がほとんどできないということは、創造力や実行力何もかも養うことはほぼ不可だ。

 日本で20代後半や30代になってからシェフの創造力が上がるのはこれが起因している。現に有名になりはじめるシェフは30代前半が多い。しかし、他国を見てみると、、

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