【課題解決】中小製造業の技術経営 競争ポジション 市場シェア
中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。
今回は、東京理科大学 MOT(技術経営)における 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『競争ポジション 市場シェア』について、ご紹介します。
1.ポイント
内容は、
『市場におけるシェアの大小により、競争上望ましい対応がある』
でした。
市場シェアの拡大は販売量の拡大を意味しており、そのためには生産量拡大が前提である。
規模の経済が強く作用する業界では、生産規模が拡大すると生産コストは大きく減少する。
最も市場シェアの大きい「リーダー」のポジションを確保し続けると、同一製品についての累積生産量は最も大きくなり、「経験効果」によって業界でも最もコスト水準の低いコスト・リーダーの座を確保することができる。
他のメリットとして、
①市場シェアの大きい製品ほど人々の目に触れる機会が増え、高い「顕示効果」が得られる。
②シェアが大きいほど顧客数も増えるため、自社製品に対するフィードバック情報が得やすくなる。
市場シェアの大きさは、顕示効果による潜在顧客への製品情報の提供の側面と、現有顧客からの情報獲得の側面の双方で有利に働くことが多い。
シェアの大きい企業とそれ以外の企業とでは、競争上望ましい対応が異なる。
出所)網倉、新宅、『経営戦略入門』、P227-228
2.講義からの気づき
講義から気づいたことは、
『競争するなら、少しでも自社に有利な市場で競争すべき』
です。
スポーツにおいても、アウェイよりもホームの方が勝率が上がります。
しかしながら、社外の環境は常に変化し、自社はその影響を受けますので、環境の変化からの自社への影響へに対して、
自社の立ち位置をどこに取るのかの検討が必要となります。
3.現状
しかしながら、自社の立ち位置を変える考えることは、なかなかしないようです。
ブログ『顧客価値と企業収益』、
におけるゲストが述べましたように、
『「どこで戦うのか」をあまり考えない経営者ほど「効率的に」運営することが経営だと勘違いしている。』
とかからも、また、トレンドであるIoT・DXの導入からも、何かと業務の効率向上に注力しがちなのではないでしょうか。
4.解決策
市場で熾烈な競争が行われているケースは、『レッドオーシャン』という言葉で形容されます。
特徴としては、
既存の市場で競争する、競合他社を打ち負かす、既存の需要を引き寄せる(シェア向上)、顧客とコストの間にトレードオフ、差別化・低いコストのどちらかの戦略を選び、活動をそれに合わせる などです。
出所)山田、「競争しない競争戦略」、日本経済出版社
しかし、実際の市場においては、競争がまったくないという状態はありえません。
したがって、できるだけ競争に巻き込まれないように、できるだけ競争を避けること、すなわち、できるだけ戦わなくても良いような、自社のポジションや、ビジネスモデルの検討からの変革が必要と思われます。
5.今後の課題
よって、規模が小さく資源の劣る中小製造業が生き残っていくためには、強い者と戦わない戦略をとる となります。
しかしながら、多くの経営戦略本は、競争することを前提として書かれているので、いかに競争するか とは別に、いかに競争しないようにするかも考慮しながら、今後、ブログをUPしていきたいと思っています。
今回は、東京理科大学 MOTにおける 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『競争ポジション 市場シェア』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。
尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。