【課題解決】中小製造業の技術経営 ME機器を使いこなす技術が競争要因 1990〜2000年
中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。
今回は、「中小製造業の技術経営」から、『ME機器を使いこなす技術が競争要因 1990〜2000年』について、ご紹介します。
1.ポイント
内容は、
『導入した設備をいかに使いこなせるか が競争要因』
でした。
1990〜2000年 バブル崩壊後
1980年代後半以降、ME機器単独ではなく製造ラインや製品グループや工場単位の統合化された自動化が進み、さらに高速化・高度化したME機器、3次元CAD・CAM等の導入も1990年代後半以降導入が進んできた。
日本の製造業は、中小製造業も含めME機器については欧米企業に先行して導入を進め、1980年代には日本製のNC工作機械が世界市場を席巻した。
CAD/CAMも2次元から3次元CADの普及期までは、世界のデジタル製造技術の先頭に立って、設備・情報システムを巧みに使いこなすことで製造技術を向上させてきた。
中小製造業におけるME設備の導入状況は、
1990年12月 NC68.9%、MC40.7%、CAD22.9% 「製造業分業構造実態調査」
1998年 NC57.4%、MC39.4%、CAD39.1% 、通商産業省・中小企業庁「商工業実態基本調査」再編加工
であった。
『ME機器をつかいこなす技術』が一層の競争要因として重要になった。
出所)鈴木、『中小製造業の技術経営』、P23-25、同友館
2.気づき
気づいたことは、
『今も昔もツールは、いかに使いこなすかが大事』
です。
3.競争要因から
鈴木は、「ME機器を使いこなす技術が競争要因であった」 と、述べています。
つまり、使いこなし、使い倒してこそ、真の使い方が見えてきて、効果を発揮し顧客価値を創出できる ということでしょうか。
ツールを使いこなすための技術の構築のためスキル・ノウハウを身につけ、作業者個人や自社に蓄積していくことがこの時代においては、必然的だったのかもしれません。
4.その後
3Dプリンター、IoT・DX、AI など、これらは、すべてツールであると言われています。
例えば、3Dプリンター+CADは、導入をされておられる中小製造業はまだ少なく、IoT・DX、AIなどを使いこなしている中小製造業も少ない状況のようです。
これは、スキル・ノウハウを蓄積すべき対象と目的が、設備を使いこなすためではなく、別のところへ移ったからではないでしょうか?
例えば、ドイツのインダストリー4.0について熊谷は、
『インダストリー4.0は、スマート工場でつくられた製品がインターネットで本社とつながってリアルタイムで送るという、CIMにはない特性を持っている。
また、販売した製品から顧客に関するビッグデータを活用して、新しいビジネスモデルを活用したり、メーカーが製造ノウハウをソフトウェアとしてデジタル・プラットフォームで公開し、客が自分で部品などを3Dプリンターで「印刷」したりする「スマートサービス」がインダストリー4.0の本編である』
と述べています。
出所)熊谷、『日本の製造業はIoT先進国ドイツに学べ』、P218、洋泉社
つまり、今後は、モノを製造するための設備を使いこなすスキル・ノウハウを蓄積するのではなく、データを活用することから新たな価値を創造しソフトウェアやアプリを通して顧客へ提供するというプロセスのためのスキル・ノウハウを構築していくべき で、顧客は『3Dプリンタもデバイスの一つ』 として見ている いうことなのかもしれません。
今回は、「中小製造業の技術経営」から、『ME機器を使いこなす技術が競争要因 1990〜2000年』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。
尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。
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