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【課題解決】中小製造業の技術経営 モジュラー型産業の特徴②

中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。

今回は、「中小製造業の技術経営」から、『モジュラー型産業の特徴②』について、ご紹介します。


1.ポイント

内容は、

モジュラー型モノ作りの最大の強みは、分業の利益

でした。

日本の電機産業が、劣勢なのは、「垂直統合のしすぎや技術の自前主義の過大さ」 がよく指摘される。

日本の自動車産業が、インテグラル型製品で1980年代にアメリカのビッグ3を凌駕したのは、アメリカの垂直統合型に比べサプライヤー・システムがその競争力を支えていると言われてきた。

当時の規模や範囲の経済追求型のアメリカ型の垂直統合型生産モデルと分業の利益追求型の日本型の下請制、サプライヤー・システムの優劣の差は歴然であった。

現在では、モジュラー型とインテグラル型のいずれの産業でも、アダム・スミス的な分業の利益が重要となってきている。

現在の日本の製造業で国際的に強みを発揮している製造業は、機能部品などの産業である。

基本的には従来と同様にインテグラルな産業・製品に依然として日本は国際競争力を有する。

ただし、モノ作りのモジュール化が一層進展する中で、モジュラー型モノ作りの最大の強みである分業の利益に、インテグラルなサプライヤー・システムを中心とする日本が得意な分野でのモノ作りで対抗するためには、形は全く異なるが分業の利益で対抗する必要がある。

これが、技術と市場の不確実性が急増する現在における競争要因である。

出所)鈴木、『中小製造業の技術経営』、P293、同友館

2.気づき

 気づいたことは、

現在の日本の垂直統合型による下請制、サプライヤー・システムは、モジュール型モノ作りの分業の利益には劣っている』 

です。

3.解決策

先の記事で、『垂直統合における同じレベルのレイヤー同士の横のつながり』について述べました。

中小製造業は、大手メーカーの傘下の階層構造による垂直統合の下請として部品を製造してきました。

ここにきて、市場の状況が目まぐるしく変化する中、同じレベルのレイヤー同士でつながることは、一つの解決策になるのかもしれません。

『同じレイヤーと同じ地域など』 でつながり、補完し合うことにより、利益を追求するという考えです。

4.今後

今後は、お互いに情報すなわちデータを、共有し合うことも必要でしょう。

したがって、データを共有して活用するために、IoT・DX導入検討が課題となります。

いわゆる自社のバリューチェーン内の効率改善ではなく、エコシステムに参加する企業同士がデータを共有・活用するためです。

今回は、「中小製造業の技術経営」から、『モジュラー型産業の特徴②』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。 

尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。


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