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【課題解決】中小製造業の技術経営 大量生産による低価格が競争要因 1965〜1974年

中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。

今回は、「中小製造業の技術経営」から、『大量生産による低価格が競争要因 1965〜1974年』について、ご紹介します。


1.ポイント

内容は、

高度経済成長期は、大量生産による低価格が競争要因

でした。

1965年〜1974年(高度成長期にほぼ該当)

1)技術上の課題
 ①量産体制の確立、②労働者の確保、③品質・機能の向上

2)ME(マイクロエレクトロニクス)設備の導入状況
  ME化は、まだ緒についたばかり。
  1952年 マサチューセッツ工科大学で、世界初のNC装置開発。
  1956年 富士通(現ファナック)がNCタレットパンチプレス完成。
  1957年 東京工業大学でNC旋盤の試作品完成。

3)競争要因
 自動車や電機などの耐久消費財の爆発的需要に対応して、親企業の大量生産体制の下で量産体制を確立して部品や加工を提供できる

 下請企業の、生産量と価格が競争要因の最たるもの。

出所)鈴木、『中小製造業の技術経営』、P23-24

2.気づき

 気づいたことは、

経済成長が鈍化している現在、高度経済成長期とは異なる競争要因・源泉が必要では?』 

です。

3.競争要因から

 鈴木は、

この高度経済成長期において、
『親企業の大量生産体制の下で量産体制を確立して部品や加工を提供できる下請企業の、生産量と価格が競争要因』

と述べています。

つまり、親企業からの受注量の増大に対応することにより、いち早く設備を導入し従業員を雇い入れ量産体制を確立できた中小製造業においては、

①『規模の経済』によるコストダウンの推進
②『経験効果』からの技術・ノウハウの蓄積開始

ができる状況であったと思われます。

<参考>

 ただし、この時点でのポジションとしては、親会社傘下の垂直統合における下請企業なので、中小製造業はBtoBのどこも同じようなビジネスモデルであったと考えられますし、自社のコア技術の認識も構築も、まだまだ進んでいなかったのではないか と考えられます。

4.その後

この当時、『いち早く量産体制を確立』 は、ほとんどが人の手作業による対応がメインであったと思われます。

よって、
①市場ニーズの構造的変化
②技術革新により過去の経験の蓄積がコスト上の優位を保てなくなる

<参考>

という、『経験効果の戦略の限界』による競争要因の変化が、この後、起こったと思われます。

 以上ことから、生産量と価格は、消費財の不足からの、経済成長が見込める発展途上の国などにおいては、競争要因になるかもしれませんが、消費財が行き渡っており、経済成長が鈍化している国においては、競争要因にはならないと思われます。

 今回は、「中小製造業の技術経営」から、『大量生産による低価格が競争要因 1965〜1974年』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。 

尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。


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