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【課題解決】中小製造業の技術経営 製品ライフサイクル  成長期

中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。

今回は、東京理科大学 MOT(技術経営)における 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『製品ライフサイクル 成長期』について、ご紹介します。


1.ポイント

内容は、

オピニオンリーダーの支持を得られるかどうかがカギ

でした。

成長期においては、「新しもの好き」で生活様式を変えていくことに積極的な「イノベータ」がこの時期の主要顧客となる。

1)5つのカテゴリー
Rogers(2003)は、イノベーション(新規製品・サービス)の採用者を、5つのカテゴリーに分類した。

①イノベータ
 新しいアイディアを試すのに熱心、複雑な技術上の知識を理解する能力を有し、問題や「不確実」な状態に対する耐性が高い。

 さらに、この問題を解決するための方法を模索する労力を惜しまず、そのプロセスを楽しむことさえある。

②初期少数採用者(オピニオンリーダー:周囲の人々に強い影響力を有する)
 周囲の人々に影響を及ぼす「信頼される」人物で、自らにとってどのような意味を持っているのか、どのようなベネフィットが期待できるのかを明らかにし、自ら採用した経験を踏まえた意見を周囲の人々に伝えていく。

 オピニオンリーダーの支持を得られるか否かが、一般に広く普及していくために決定的に重要になる。

③多数採用者(前期と後期に分かれる)
 「慎重な人々」であり、「安心できるもの」であることが重要で、周囲の多くの人々が採用しているという事実が大きな意味を持つ。

 後期多数採用者は、イノベーションに対し懐疑的で、周囲からの社会的圧力がなければ採用しようとしない「保守的な人々」である。

④採用遅滞者(ラガード)
 周囲からかなり遅れて、ようやく採用に踏み切り、一般に「強度に保守的な人々」で、社会から孤立しがち。

イノベーターおよび初期採用者と、多数採用者の間には容易には超えられない「キャズム」があり、保守的な多数派にとっては、「他の多くの人々が採用している」という事実が「安心して」採用できるという意味し、決定的に重要となる。

2)成長期の定石的マーケティング・ミックス
 成長期の戦略上のポイントは、自社製品に対するブランド選考を確立し、市場成長率を上回るペースで自社製品の売上成長を達成することである。

 製品については、補助的サービスを拡充し、魅力を向上させることが課題となる。

 流通チャネルも、徐々に閉鎖型から開放型へと移行し、マージンも減少させていく必要がある。

 販売促進は、マスコミを利用したプル型に変えていく。

 価格は、量産による規模の経済や経験効果によるコスト低下を受けて、より大衆的なものへと値下げしていく。

出所)網倉、新宅、『経営戦略入門』、P269-274

2.講義からの気づき

 講義から気づいたことは、

成長期に入ったら、市場における自社のポジションをどこに取るのか?』 

です。

あまりに拡大する市場にポジションをとっていると、大手企業が参入してきて、あっという間に市場を取られてしまいます。

なので、あまり拡大しすぎないまたはゆっくりと拡大する市場をターゲットとすることが賢明策となります。

3.現状

 以前勤務したBtoBビジネスを展開する製造業においては、ターゲットを成長市場におけるトップ企業に設定し、開発を進めていました。

つまり、自ら競合ひしめく中へ参入していくこととなります。

これは、資金の豊富な規模の大きな企業にしかできることではありませんので、中小製造業はこのような市場へ参入することは避けるべきです。

4.解決策

  山田は、「リーダー企業は一般に下位企業に比べて固定費が高く、あまり小さな市場へ参入すると、その固定費の高さから利益が出ない。そこで、ニッチの追求する企業は、リーダーにとっては小さすぎる市場、コストがかかりすぎる市場を開拓し、その分野に集中して事業を行うことができる。」、また、「やろうと思えば量販も可能であるが、あえて高級感、希少性を高めるために数量を限定する戦略も、量を求めるリーダー企業は同質化しにくい。」と述べています。

出所)山田、『競争しない競争戦略』、日本経済新聞出版社

 前回のブログでも述べましたが、あえて必要以上に売上を上げようとしない戦略を取るということです。

 または、明らかに成長期に突入してしまった市場は、どこかで見切りをつけるべきなのかもしれません。

5.今後の課題

 課題としては、その製品のライフステージが、今、成長期にあるのか、判断することにあります。

 市場が拡大していけば、どこかで大手企業が何社も参入してくるはずなので、その市場は成長期に突入したと判断し、ポジション変更による戦略変更をオススメします。

 今回は、東京理科大学 MOTにおける 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『製品ライフサイクル 成長期』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。

尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。


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