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【課題解決】中小製造業の技術経営 モジュラー型産業の特徴①

中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。

今回は、「中小製造業の技術経営」から、『モジュラー型産業の特徴①』について、ご紹介します。


1.ポイント

内容は、

企業の競争関係が垂直統合同士からエコシステム間へ変化

でした。

 イアンシティ&レビーン(2004)やティース(2007)は、現在の企業の競争関係が、個別企業間の競争からエコシステム(ビジネス生態系)間の競争に変化してきていると主張。

 従来の資源ベースの戦略論が静態的であると批判し、進化経済学の概念を取り入れ、内部資源を変化の激しい外部環境への働きかけ、特にエコシステム内でのコーディネートなどを重視する動態的な戦略論であることに特徴がある。

 モジュラー型産業の特徴の一つは、最終製品の変化の速さとともに、エコシステム内の覇権者も目まぐるしく変化していること。
例)携帯電話(ノキア)やパソコン(マイクロソフト、インテル)からスマートフォン(アップル、サムスン、グーグル勢)へ

 1980年代に自動車産業とともに世界を席巻した日本の電機産業も、今日、最終製品分野では国際競争力を激減させている。

 特に製品アーキテクチャがモジュラー型であるデジタル家電では、総倒れ状態。

 日本が当初、革新的技術を創出しても、標準化した量産段階の多額投資を伴う価格競争では韓国や中国企業に敗退することが多い。

出所)鈴木(2019)、『中小製造業の技術経営』、P291-293、同友館

2.気づき

 気づいたことは、

モジュラー型産業は、垂直統合型のビジネスではない』 

です。

鈴木は、モジュラー型産業は、エコシステムによるビジネスであるとも述べています。

垂直統合型からエコシステム型への、いきなりの変化に対し中小製造業が対応できるかどうか、

対応が難しい企業がほとんどなのではないでしょうか?

3.解決策

ひとつの中小製造業の事例としてU社があります。

U社は、車載向けに自動タップ加工・金型制作・順送プレス加工をしておられました。
そこへ、IoT技術を用いて、他県の金型制作の企業とも連携体を形成し、高難易度金型の最適手配サービスを構築されました。

U社のような連携体によるビジネスは日本であまり見られません。

また、このようなビジネスのあり方は、ドイツのインダストリー4.0に近いようにも見えます。

先日も、とある中小製造業の社長のお話で、Tier3の地元メーカー同士で、連携しようと呼びかけている とのことでした。

今後、このような形態での企業の形が日本国内の中小製造業においても増えてくるのかもしれません。

つまり、垂直統合における同じレベルのレイヤー同士の横のつながりです。

4.その後

今後は、従来の組合とかではなく、今までにない連携体すなわちエコシステムを、リーダーが構築できるかどうかが課題となると思われます。

今までにない形態による連携体となるためです。

今回は、「中小製造業の技術経営」から、『モジュラー型産業の特徴①』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。 

尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。


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