【課題解決】中小製造業の技術経営 モジュラー型産業 電機・光学
中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。
今回は、「中小製造業の技術経営」から、『モジュラー型産業 電機・光学』について、ご紹介します。
1.ポイント
内容は、
『海外へ生産拠点を移転し、超大量生産を高精度で行う管理能力を習得できるかどうか』
でした。
<モジュラー型産業 電機・光学>
①アーキテクチャが組み合わせ型
②国内市場が大企業の生産拠点の2000年以降加速により国内市場は急速に縮小
③中小企業への評価基準は、海外における大量生産を低コスト&小型・高精度で実現することに移行
海外へ生産拠点を移転し、超大量生産を高精度で行う管理能力を習得できるかどうかが重要。
国内需要への依存のためには、多品種小ロットの短期対応力や試作品スピード対応力強化が重要。
電機・光学産業は、全体的にはアーキテクチャ(設計思想)は組み合わせ型であると言われる。
部品間のインターフェースは標準化されていることが多く、製品機構を各モジュール・機能部品に分解しやすい。
グローバル企業は、開発・設計や重要部品のみ国内で対応し、各種モジュール・機能部品を全世界から最適調達し、最終的な組立は人件費の安い中国などで行うものも多い。
また、各種モジュール・機能部品についても、製造工程のみを行いグローバルレベルの規模の経済性を発揮する台湾のファンドリ企業もある。
電機・光学産業は全体としては組み合わせ型のアーキテクチャで、サプライチェーンバリューチェーンを分割して、グローバルな分業体制を展開しやすく、これにより各モジュール・機能部品のグローバルレベルの規模の経済性が可能になるとともに、技術進化の速度も著しく速いものとなった。
出所)鈴木(2019)、「中小製造業の技術経営」、P298-299、同友館
2.気づき
気づいたことは、
『成功体験にいつまでも縛られ、ゲームチェンジに対応できない』
です。
3.解決策
鈴木(2019)は、
「各モジュール・機能部品のグローバルレベルの規模の経済性が可能に」
と述べています。
より大量生産による規模の経済性を追求するために、より人件費の安い海外の国に進出する必要があった。しかし、その国に日本のお家芸でノウハウ満載のすり合わせを求めても、簡単に実現できない。
さらに鈴木は、「いち早く製品を開発した日本メーカーは、研究開発費の固定費の高さが足枷となり、普及段階ではモジュール化の急速な進展によって価格競争で敗れ、世界シェアを急減させた。」とも述べています。
開発製品についての量産時の製造方法について、一旦ゼロベースから再度考え直すことはなかなかしませんし、またその製品専用の製造設備を導入したがる傾向にあったようにも思えます。
グローバルレベルの数を製造・販売するとなると、モジュール型を選択する方向になるのかもしれません。
ここは、自社のコア技術を明確化して、そのコア技術を活用し、ビジネス環境により属する産業・市場を変遷していくことが必要となります。
4.今後の課題
県内の中小製造業の車業界においては、EV化の影響から、新たな事業を検討されている企業が増えており、このままでは先が見えないと危機感を感じておられます。
その際、自社の事業そしてビジネスモデルを、コア技術を考慮しながら、一旦ゼロベースで考えてみることも必要と思われます。
今回は、「中小製造業の技術経営」から、『モジュラー型産業 電機・光学』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。
尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。
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