【課題解決】中小製造業の技術経営 顧客が違いを認識しなければ差別化にはならない
中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。
今回は、東京理科大学 MOT(技術経営)における 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『顧客が違いを認識しなければ差別化にはならない』について、ご紹介します。
1.ポイント
内容は、
『実質的に違いがあっても顧客が違いを認識しなければ、差別化にはならない』でした。
自社製品・サービスの「違い」を顧客に認識してもらい、単純な価格比較ではなく、違いに価値を認めてもらうべく、顧客にアプローチすること。
製品・サービスが差別化されている場合、顧客は、代替的な競合関係にある複数製品間での「違い」に価値を認めているため、たとえ競合製品の価格が低下したとしても、簡単にはスイッチしない。
<出所> 網倉、新宅、経営戦略入門、P 124-126
2.講義からの気づき
講義から気づいたことは、『目には見えない無形資産の中に、差別化の源泉がある』 ということでした。
さらに、
事業活動をうまくやるのに必要で、かつ固定性が高く、また『カネを出しても買えない』ことが多く、また『つくるのに時間がかかる』ことが多い、そんな経営資源こそが、競争相手との差別化の源泉になりやすい資源であろう。
これこそが、見えざる資産である。
<出所> 伊丹、『経営戦略の論理(第4版)』、日本経済新聞社出版、P51
目に見えない無形資産からも、差別化の源泉を見つけることが大事であるということです。
3.現状
以前、勤務していた製造業の企業においては、新たな商品を開発する度に、特許出願により無形資産化を行いました。
ただし、それ以外の無形資産については、意識したことはありませんでした。
つまり、モノ・金以外の資産についてです。
そうした中、先日、別の講義で、『見えない資産と企業価値創造』をテーマにゲストの方をお招きし、ご講演をいただきました。
内容は、見えない資産である組織資産に注目されておられるとのことで、企業価値評価の向上を目指し、その企業が持っている見えない組織資産の価値が社外へ伝わるよう、サポートをしておられるとのことでした。
組織資産とは、会社における5つの資産への視点の一つなのですが、5つの資産とは、物的資産、金融資産、顧客資産、人的資産、組織資産のとのことで、ここでの組織資産とは、リーダシップ、戦略、組織構造、文化、ブランド、革新、知識、システム、プロセス、知的資産(特許など)とのことでした。
4.解決策
顧客に差別化を認識してもらう一つの方法としては、自社が持っている差別化につながる無形資産の価値を、社外へ伝わるようにすることです。
ゲストの方からは、会社案内やHPの一新なども行ったサポート事例として、京都の某計測機器メーカーの紹介がありました。
他の会社のHPと比べ、そのメーカーのHPからは、その会社のイメージと雰囲気の違いが、よりわかりやすく伝わってくるのを感じました。
5.今後の課題
昨今は、思った以上に、企業の目に見えない無形資産が注目されているようです。
従来これらは、財務諸表には記載されていませんので、社外からその価値は認識しにくいです。
よって、お客様に他社との違いを認識してもらわなければ、差別化とはなりませんので、一度、自社の組織資産にも目を向け、HPなどを活用し、社外へ伝えるよう検討されることをオススメします。
今回は、東京理科大学 MOTにおける 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『顧客が違いを認識しなければ差別化にはならない』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。
尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。