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【課題解決】中小製造業の技術経営 中小製造業の競争要因の変遷
中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。
今回は、「中小製造業の技術経営」から、『中小製造業の競争要因の変遷』について、ご紹介します。
1.ポイント
内容は、
『中小製造業の競争要因の変遷は、大量生産→多品種少量生産→差別化→技術を核とした対応力→次は?』
でした。
中小製造業の競争要因は変遷し続けてきた。
①高度経済成長まで
下請・系列化の入るために量産体制をいち早く構築し、規模の経済性を発揮することにより低価格を実現する、大量生産・大量消費時代。
②安定成長期
大企業のコストダウン・高品質についての要請が高まり、これらの対応力が中小製造業の競争力の源泉に。多品種少量生産時代へ。
③バブル崩壊以後
大企業は、下請・系列企業を再編、生産拠点の海外シフトを急速に進展、世界規模の最適調達を志向。品質の独創性など差別化が競争要因に。
④現在の中小製造業の競争要因
市場ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短縮化などにより、「精度・品質の保証力」、「コア技術の高さ」、「即応力」が高くなっており、技術を核とした対応力が中小製造業の競争力の源泉となった。
⑤今後(進行中)
モジュール化やICTやグローバル化の更なる進展、3Dプリンタの普及などにより、顧客発のイノベーションが多発、製造業とサービス業の境界の曖昧化、エコシステム・サプライチェーンにおける覇権者が目まぐるしく交代、技術が引き続き差別化の要因でありながらも市場に繋げるのが困難な時代へ。
出所)鈴木、『中小製造業の技術経営』、P1-3
2.気づき
気づいたことは、
『自社のコア技術を、市場へ繋げることが困難になっているのはなぜか?』
です。
3.経験から
鈴木は、
①高度経済成長期:量産体制をいち早く構築し、低下価格を実現
②安定成長期(バブル中?)コストダウン・高品質の要請からの対応力
③バブル崩壊以後:品質の独創性など差別化
④現在:技術(コア技術)を核とした対応力
⑤今後:技術が差別化要因だが市場へ繋げるのが困難
と述べています。
自分が、社会人になり数年後に、バブルが弾けました。
その後、勤務していた製造業では、開発においては差別化技術を常に求められ、主要顧客に対しては対応力を求められました。
ある経営層へ自社の強みをお聞きしたことがありますが、「自社の強みは対応力」との答えであったことを覚えています。
<参考>
このように、自分の経験からも、差別化と対応力が求められてきたことは否めません。
さらに、鈴木は今後は、『技術が引き続き差別化の要因でありながらも市場に繋げるのが困難な時代へ』 と述べています。
もちろん、すべての企業が自社のコア技術を差別化要因として、競争優位を構築し市場へ繋げていけるとは限りません。
ただし、自社のコア技術の活用から、ビジネスモデルを変革し、新たな商品により顧客への新たな価値を創造された中小製造業もあります。
4.課題
この4月より、県の産業経済振興センターにおいて、ものづくりコーディネーターとして県内の中小企業を支援しています。
日々、中小企業の経営層との会話からは、経営の厳しい状況が伝わってきます。
やはり、『自社が保有する技術をどのように市場へ繋げていくのか』が今後の課題のひとつのようです。
また、東京理科大学 MOTでの、自分の研究テーマは、『中小製造業のビジネス変革』で、祖業から、現在のビジネスに至るまでの、ビジネスモデルの変遷を調査し、中小製造業のビジネスの成功要因を導出しようと考えています。
ここでは、
鈴木直志 著、「中小製造業の技術経営 ー持続的競争力の源泉を確保するには何をなすべきかー」より、その課題解決のヒントを探ります。
今回は、「中小製造業の技術経営」から、『中小製造業の競争要因の変遷』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。
尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。