【課題解決】中小製造業の技術経営 4Pの組み立ては顧客のニーズによりフィットするように
中小製造業の商品開発を伴走・支援 TECH-TOSHIです。
今回は、東京理科大学 MOT(技術経営)における 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『マーケティング・ミックス』について、ご紹介します。
1.ポイント
内容は、『自社の提供する製品・サービスが顧客のニーズに、よりフィットするように、4Pを組み立てる』でした。
3)マーケティング・ミックス 4Ps(製品:Product、流通:Place、プロモーション:Promotion、価格:Price)
ターゲットセグメントに対する働きかけにおいて、自社がコントロールできる要因の集合体
4)マーケティング・ミックスの一貫性
1.注意すること
①提供している本質的サービスがターゲット顧客のニーズと合致しているか。
②補助的サービスや流通・プロモーション・価格が、本質的サービスと顧客ニーズのフィットを、より魅力的になるよう相互に矛盾なく組み立てられているか。
つまり、顧客ニーズと自社製品が提供する本質的サービスとのフィットが確保できてから、
そのフィットをより魅力的にするよう補助的サービスや流通・プロモーション・価格の諸要因を、組み立てていくことが大事であるということです。
2.マーケティング・ミックスの「内的一貫性」と「外的一貫性」
①内的一貫性が高い:マーケティング・ミックスの構成要素が、相互に矛盾なく組み立てられている。
②外的一貫性が高い:顧客ニーズや競合企業の動向などの外部要因に対して適切に対処できるようになっている。
ともに高めるようにすべき。
マーケティング戦略はシステムであるため、適合が必要なのです。
出所)網倉、新宅、『経営戦略入門』、P138,161-162
和田 他、『マーケティング戦略(第6版)』、P9
2.講義からの気づき
講義から気づいたことは、
『まずは、顧客のニーズと自社が提供する製品・サービスとがフィットしていることが大前提で、
そこへ、よりフィットするように4Pを組み立てる つまり順番が大事』
ということでした。
3.現状
以前、勤務していたITベンダーにて、
リーダーが顧客へ商品をPRした後、顧客より、『その後、どうするの?』 という質問をされた と聞かれたことがありました。
<ご参考>
これは、顧客が求めるニーズと自社が提供する商品・サービスがフィットしていない、という事例です。(いわゆるプロダクトアウトの状態?)
顧客は自社の改善または改革からの業績向上につながることを望んでいました。
そこへ、設備稼働状況の見える化のためのソフトウェアパッケージの機能を、綺麗に印刷したパンフレットで説明(プロモーション活動)するも、噛み合わなかったという事例です。
その後、その顧客からお声がけをいただくことはなかったとのことでした。
このように、顧客ニーズと自社が提供する商品・サービスとがフィットしていない状態において、どれだけ4Pの構築にパワーをかけても自社の商品・サービスをご採用いただける可能性は低いということです。
4.解決策
また、別の講義におけるゲストの方より、
付加価値が高い産業は? それが、人にとって必要なのか?
顧客の課題を解決するからこそ企業が必要で、企業は儲かる。
本質的に、顧客の課題を解決すれば対価をいただける。
という内容の、ご講演をいただきました。
このことからも、まずは、顧客のニーズを解決できるように、自社の製品・サービスをフィットさせることが先決です。
5.今後の課題
自社の製品・サービスをフィットさせるために、顧客のヒアリングから顧客の真のニーズを聞き出すことは、簡単ではありません。
そのためには、顧客訪問までの準備、そして、議事録を作成し、その内容を見直すことにより顧客真意を読み取ることが必要です。
<ご参考>
今回は、東京理科大学 MOTにおける 経営戦略とマーケティングに関連する講義から、『マーケティング・ミックス』について、TECH-TOSHIよりご紹介しました。
尚、その他にも、この分野においての実践的なノウハウを投稿しています。