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エノケン映画

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日本の喜劇王・エノケンこと榎本健一さんの「エノケン映画」レビューをまとめました。
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新刊「PCL映画の時代 ニッポン娯楽映画の源流 1932-1937」フィルムアート社)佐藤利…

『九十九人目の花嫁』(1947年4月22日・佐藤武・新東宝)

 敗戦後ほどなくから、喜劇王・エノケンこと榎本健一は、日劇などの舞台に積極的に出演。笑い…

斎藤寅次郎とアチャラカ映画。“くだらないこと”を全うした喜劇の神様

 斎藤寅次郎監督。かつて松竹蒲田撮影所長をつとめ、松竹大船撮影所で映画制作の陣頭指揮をと…

『馬車物語』(1948年1月27日・新東宝・中川信夫)

 石坂洋次郎が小説新潮に連載した「石中先生行状記」全四部は、石坂自身の弘前時代の体験をも…

『巷に雨の降るごとく』(1941年8月7日・東宝・山本嘉次郎)

『巷に雨の降るごとく』(1941年8月7日・東宝・山本嘉次郎) 主演 榎本健一 エノケン一座總…

『おかる勘平』(1952年3月21日・東宝・マキノ雅弘)

 昨夜のCCU=忠臣蔵・シネマティック・ユニバースは、「忠臣蔵」中盤で観客の感涙を誘った「…

『韋駄天街道』(1944年1月14日・東宝・萩原遼)

 昭和19(1944)年、正月第二弾として白系で公開された、エノケン=榎本健一と長谷川一夫のコンビ作。幕末の木曽街道を舞台に、雲助が横行するなか、確実に、廉価で手紙を届けるシステムを作った、大店を飛び出してきた若旦那・長谷川一夫と、気の良い籠掻き・エノケンの娯楽時代劇。脚本は三村伸太郎。戦時下とはいえ、時局迎合のお説教くささはなく、エノケンのおかしさと、長谷川一夫のカッコ良さを楽しむことができる。 「不便な飛脚制度が新しい郵便制度へと移り変わって行く・・・徳川末期、木曽街道

『水滸伝』(1942年7月2日・東宝映画・白系・岡田敬)

 戦時下に作られたエノケンの大作映画。昭和15(1940)年の『孫悟空』(山本嘉次郎)の大成功…

『兵六夢物語』(1943年4月1日・東宝・青柳信雄)

 戦時下に作られたエノケン映画、円谷英二が特殊技術を担当したファンタジー『兵六夢物語』(…

1937年東宝オンパレード『楽園の合唱』(1937年9月1日・P.C.L.・大谷俊夫)

 ハリウッドでも『パラマウント・オン・パレイド』(1930年)のように、スタジオ専属のスター…

「唄う映画スター」の世界!

2020年5月11日にスタートした配信番組「佐藤利明の娯楽映画研究所」1周年です。毎回、阿佐ヶ谷…

祝! エノケンとのり平の「孫悟空」リリース!

2021年5月26日  円谷英二が手がけた二つの「孫悟空」がDVD化されます! 東宝DVD 名作セレク…

『エノケンの誉れの土俵入』(1940年・中川信夫)

 また中川信夫は昭和15(1940)年の『エノケンの誉れの土俵入』のメガホンもとっている。小柄…

エノケン=榎本健一とトリロー=三木鶏郎。天才の幸福なコラボレーション

2003年webのために書き下ろした原稿に加筆訂正しました。  2003年10月11日に満年齢99歳、数えで100歳を迎える昭和を代表する喜劇王エノケンこと榎本健一。昭和モダニズムの時代に、浅草水族館二階のカジノフォーリーを皮切りに、玉木座のプペダンサント、そして浅草最大の劇場・松竹座のピエルブリアントと、たった数年のうちに興行界のトップに立った、文字どおり日本を代表するコメディアンである。昭和9年には発足間もない映画会社、P.C.L.で音楽レビュー映画『青春酔虎伝』(山本