『一般的な経営』と『ブランド経営』の違いとは何か?
『ブランド経営』を定義化、文脈化してみました。
※『ブランド戦略論』の著者でブランド論の日本の第一人者でもあり、(一財)ブランド・マネージャー認定協会 特別顧問の田中洋先生にもご指導をいただきました。
ブランド経営とは、ブランド価値最大化を通じて収益を継続的に増大化できる経営(戦略)である。したがって、単なる企業イメージを向上させることではない。
ブランド価値を最大化するとは、その企業の顧客や組織内外の利害関係者が、企業ブランド・商品ブランドの在り方を最大限ポジティブに知覚し、評価し、行動してもらうことを意味している。
また、一般的に言う「経営」とは、売上の増大を通じて収益の最大化を図るために、経営資源 (人的/実物/金銭/情報資産) を活用する活動だが、ブランド経営では、それ以外に企業ブランドと商品ブランドの構成要素(価値、ビジョン、知覚、戦略的意図、信頼、社会的責任など) も経営資源として活用することによって収益を継続的に増大化するという点に違いがある。
そのため、これまでの経営という概念ではなく、ブランド経営という新たな視点に立って、ブランド価値を最大化するための経営・マーケティング・コミュニケーション活動を組み立てなおすことが重要なポイントである。
さらに、これを機に、企業経営に関する問題を発見し、課題となる解決策を探り出し、自社ブランドを社会と共有できる価値創造として再定義することが求められる。
また、ブランド体系を今一度見直し、それぞれのブランドの存在意義を再確認することで、単なる「経営」でなく「ブランド経営」に挑戦することが望ましい。
この進化した経営である「ブランド経営」へと変革させることで、これまで価格競争に陥りやすい不安定な経営が、ブランド・ロイヤリティの形成によってより安定した経営に変化するだろう。
また、その効果が、顧客や従業者はもとより、ステークホルダー全体にまで波及することで、言葉だけのブランドでなく、ブランドカンパニー (ブランドの耐久性を保つサスティナブルな会社) へと成長が期待できる。
『一般的な経営』と『ブランド経営』の違いとは何か?
『一般的な経営』と『ブランド経営』を以下に整理してみました。
経営レベルのブランド戦略はどのような視点で検討・決定するのか?
経営レベルのブランド戦略では「どこに、どのようなブランドを、どうやって構築するのか?」を次の6つの視点で検討・決定する
1. ブランド・テリトリー : どの市場にブランドを構築するのか?
2. ランドスケープ分析 : その市場はどうなっているのか?
3. ブランド戦略アウトライン策定 : どのようなブランド戦略を展開するのか?
4. 投資する経営資源の意思決定 : どのような経営資源を投入するのか?
5. ブランド・アーキテクチャーの決定 : ブランド体系をどのようにするのか?
6. 知財戦略の決定 : 商標を知的財産としてどのように登録し、権利として維持確保かるのか?
※上記「ブランド戦略論」(田中洋著/有斐閣) より一部引用
ブランド経営志向を目的とした経営戦略の再構築
ブランド経営という新たな視点に立って、ブランド価値を最大化するための
経営・マーケティング・コミュニケーション活動を組み立てなおすことが重要なポイント。
【対策】
そのため、企業経営に関する問題を発見し、課題となる解決策を探り出し、
自社ブランドを社会と共有できる価値創造として再定義することが求められる。また、ブランド体系を今一度見直し、それぞれのブランドの存在意義を再確認することで、単なる「経営」でなく「ブランド経営」へと変革してゆく。
【期待効果】
この進化した経営である「ブランド経営」へと変革させることで、これまで価格競争に陥りやすい不安定な経営が、ブランド・ロイヤリティの形成によってより安定した経営に変化し、またその効果が、顧客や従業者はもとより、ステークホルダー全体にまで波及することで、言葉だけのブランドでなく、ブランドカンパニー (ブランドの耐久性を保つサスティナブルな会社) へと成長が期待できる。
「企業ブランド」の意思決定プロセス
企業ブランドの意思決定プロセスとは、次の3ステップである。
Step① : 目的・目標の設定と戦略の決定
(1) 何のために企業ブランドを構築するのか? あるいは、なぜ、強いブランドにするのか? を意思決定する
(2) インターナルブランディングとエクスターナルブランディングのそれぞれの目的を明確にする
(3) (2)の目的を効率的に、効果的に達成するための企業ブランド戦略の設定を決定する
(4) (3)を実現するための経営資源の投下配分を決定する
Step② : 企業ブランドの構成要素の決定
(1) 価値 : どのような価値観に基づいて行動しているか?
(2) 経験 : どのような経験を顧客やステークホルダーに与えているか? 何をしてくれる企業なのか?
(3) ビジョン : どのような企業になりたいのか?
(4) カルチャー : どのような企業組織文化があるのか?
(5) 知覚 : どのような企業として見られたいか?
(6) 戦略的意図 : 次に何をしようと考え、どのようにそれを実現しようと思っているか?
(7) 信頼 : どのように信頼できる企業であるか? その根拠は何か?
(8) 能力 : どのような能力を持っている企業なのか?
(9) 社会的責任 : どのような社会的責任を果たしているか?
(10) アイデンティティ : どのような企業で、何をしている企業なのか?
(11) 行動 : 実際にどのような行動を起こしているか?
Step③ : コミュニケーション戦略の実行
A. 企業ブランドへの再認の量を増やし、再生率を高めるために刺激の設計をする
(1) ブランド要素を設計または改善を施し、接触頻度を高める
(2) ブランド体験の設計または改善を施し、接触頻度を高める
B. 愛着・情緒・経験を高める
(1) ブランドパーソナリティの設計
(2) ブランドストーリーの設計
(3) 企業ブランドと顧客との関係を社会的なものへと昇華する
C. 価格プレミアムを高める
(1) 価格プレミアムを実現させるための環境の整備
(2) 価格プレミアムに見合った提供価値を実現するメッセージを伝える
D. 顧客エンゲージメント
(1) 話題を喚起できるメッセージの開発
(2) コミュニケーションのキーパーソンを用いる
(3) コンテンツを活用するユーザーに注目される情報を拡散する
※上記「ブランド戦略論」(田中洋著/有斐閣) より一部引用
ブランド経営の実践
『ブランド経営』を定義化、文脈化をしてみました。いかがでしょうか?
このような『ブランド経営』を経営者・経営層のみなさんとともに実践していくために、ブランド経営実践会を立ち上げることとしました。
会員様の経営をブランド経営に変革させる足掛かりにしていただき、その過程をお互いに研鑽しながらお互いが成長し合える場として「知」の共有から、実践からしか生まれない「知恵の創発」までを体感していただきたいと考えています。
ブランド経営実践会の初回は、4月15日(木)10時30分~16時にオンラインにて開催します。
その日は一日ブランド経営の情報がインプットされ皆さまのブランド経営スキルが大きくレベルアップし翌日からの実践に活かさせることでしょう。
初回お試し参加のお申し込みは、以下よりお申し込みできます。
■『ブランド経営実践会』 主催/(一財)ブランド・マネージャー認定協会
https://www.brand-mgr.org/management_practice_lp/
初回は定員50名ということもあり残席僅かとなっておりますので、お早めのご決断を。
※自社のブランディングを実践される経営層の方限定の会員組織です。
経営層以外の方、他社のブランディング支援を行う方にはご参加いただけません。
(支援業の方でも、自社のブランディングを目的とする方はご参加いただけます。)
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