「じい散歩 妻の反乱」「団地のふたり」を読んで
「じい散歩 妻の反乱」「団地のふたり」
著者:藤野千夜
オーディブル版を読んで。
「じい散歩」を読んだとき、日々の生活を綴られている文章のテンポが読みやすく感じていました。それで続編の「じい散歩 妻の反乱」も気になり読み始めると一気に読み進めてしまいました。
藤野千夜さんの作品は、日常の生活のリアル感が感じられて共感できるところも多数あります。やはり、実在のモデルがあるようです。
雑誌のインタビューでご本人も次のように答えていました。
それから、藤野千夜さんの最近の作品が気になり、「団地のふたり」を続けて読んでしまいました。どちらの作品も「人生を楽しむ」という生き方が感じられるものでした。
「じい散歩 妻の反乱」
「じい散歩」の一作目を読んで、主人公「明石新平」、妻「英子」のその後が気になり読んでしまいました。
続編は、明石家のその後を家族の話中心に綴られています。今回も「老老介護」など現代社会が抱える問題など、数々の考えさせられるところがありました。
特に、どこの家庭にでも直面するであろう「老後の問題」や「8050問題」などをユーモアたっぷりの物語にされていて、どこか救われるように感じてしました。
主人公の明石新平が「散歩がてら」趣味の建築、飲食店めぐりなど人生を楽しむことを忘れない。新平の視点はそのような習慣から「悲観的に考えないこと」が染みついているのだろうと思う。
その習慣を続けていくことが、さらに「いま、生きていること」を楽しんでいるように感じられた。
新平の「散歩」をふくめた「日常の生活習慣」が、90歳を過ぎてもなお食欲や性への関心など人としての衰えを感じさせないのだろうと思う。
わたしも多分に漏れず、老後の問題が近い将来必ず訪れます。「じい散歩」を読んでから、今からでも遅くはない「いま、生きていること」を楽しもうと思い始めた。
「団地のふたり」
主人公である「なっちゃん」と「ノエチ」との繋がりの深さや昔の友人との繋がりなど、ゆるい関係も描かれています。団地暮らしの日々の出来事や昔の友人空ちゃんとの思いでなど、ほのぼのとした会話に癒されました。
その中にもネットオークションやフリマを使って生活の足しにしているところなど、現代の生活風景に親近感を覚えました。
フリマやオークションの販売を通じて購入者の心理を考えたりなどの描写があり、フリマをやっているわたしも共感できるところがありました。
日々の生活のなかで「幸せを感じる」ことは難しいことなのかもしれません。とはいえ、楽しく生きていく方法はあると思います。
この作品を読んで「周りの人との関係性の保ち方」や「自分自身のやりがいの積み上げ方」など意外と身近にあるのではなかと思いました。
「ゆるく心地よい生き方」もいいものだと感じました。
まとめ
人は生きているとさまざまな「人間関係」や「老い」に伴う問題と必ず直面します。そのとき、どうしても「悲観的」にとらえてしまいがちです。
わたしも考えすぎることが癖で、つい悲観的な発想が頭の中で渦巻いてくるのです。それは物事を考えすぎると、自分を苦しめてしまう。延いては、周りの人も苦しめる結果になってしまうこともあります。
普段から「無理をせず、楽に生きること」を選択してみる。また、それを習慣にしてみる。それもよいのではないだろうか。
藤野千夜さんの作品をよんで、「人生を楽に生きること」や「習慣にすること」の大切さを学びました。