【台風シーズン間近】複合災害~コロナ禍の水害対策【東京23区】

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(1)新たな避難所/命を守る「在宅避難」《2020年6月30日号掲載》

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  「川があふれた水害時に避難する方を30万人と想定していたが、6万人しか避難できないという大変厳しい数字が出てしまった」─6月15日の記者会見で、足立区の近藤やよい区長は衝撃的な数字を口にした。
 同区の避難所は1人当たりのスペースに1・65平方メートルを想定しているが、「3密」を避けるには4平方メートルが必要で、想定の5分の1しか避難できない計算だ。
 「昨年までの『避難所への避難』『広域避難』から、今年は必要な方だけ避難所に来ていただき、区は分散避難を推奨する」。近藤区長はこう話し、分散避難の例として、▽浸水しない階への在宅避難▽縁故避難▽垂直避難─を挙げ、ハザードマップで自分の家の状況を確認するよう強く求めた。
 分散避難の一方、コロナ対策として避難所が人であふれないように新たな避難所確保に力を入れる。15日には水害時の緊急避難先に都営住宅11団地16戸の空き部屋を、低層階の住民や周辺住民が利用できる協定を都と締結した。
 同様に一時的な退避建物として、民間マンション160棟の共有部のほか、大型商業施設4店舗の立体駐車場に区民が避難できる協定を結んでいる。風は吹きこむが雨はしのげる。引き続き、災害対策課の職員は家電量販店やホテルなどとも交渉を進めている。
 新型コロナは、足立区だけでなく、他の自治体の水害時の避難計画にも大きな影響を及ぼしている。

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