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夜でも昼でも朝でも・・・その日起きてから初めて食べるごはんが、「私の朝ごはん」

朝っぱらから、通勤する人達の大きな流れを横目で見ながら、酒を呑みながらガッツリと食事をしている人達がいる・・・多くのヒトはその光景を見ながらマユをひそめる。
夕方から夜に掛けて、飲食で盛り上がる巷の光景を横目で見ながら、お酒の存在も無く質素な食事を口にしている人達がいる・・・多くのヒトはその光景を見ながらあわれみの視線を送る。

マユをひそめたり、あわれみの視線を送るヒト達のほとんどは、朝食べるのが朝ごはん、昼食べるのが昼ごはん、夕方食べるのが夕ごはん・・・と考えているのだと思う。
その名の通りだから、当たり前だし、それ以外のことを言う方がおかしい。
だが、これから眠りに就く朝方に食事をしているヒトがいる・・・、
これから仕事を始める夕方や夜に食事をしているヒトがいる・・・、
事を私の経験から私は知っている。

かれこれ40年ほど昔、私が大学を出てから就職した食品会社で、最初に配属されたのが蒲鉾などの練りものを作る工場だった。その工場は、昼夜にわたる2交代制で運営されていた。3ヶ月単位で昼勤と夜勤の入れ替えがある。生産の主力は昼間なので、工場の食堂は昼間出勤者に合わせて、昼食が充実していた。

夜勤の時の食事は、出勤時の夕方から夜に掛けてとなるのだが、これは昼食のセットがそのまま冷めた状態で食べられる。でも目が覚めたばかりの状態だから、ガッツリと食べる事は少なかった。勤務明けの朝方の食事は、昼間の出勤者用の朝食を食べる事が出来る。勤務明けで腹ぺこだけど、そこにあるのは所謂朝食だから、ご飯、味噌汁、佃煮、海苔・・・というのが定番メニュー。美味しいおかずでガッツリと食べたいけれど、メニューがそんな感じだからガッツリと食べることは出来なかった。

ヒトは様々な時間帯で眠ったり遊んだり仕事したりして生き抜いている。
ヒトにとって、眠る時がいわゆる「夜」であり、起きる時がいわゆる「朝」であり、遊んだり仕事している時がいわゆる「昼」なのだ。

たまたま、朝に起きて昼に仕事をして夜に寝る・・・という生き様をしているヒト達の割合が多いだけなのだ。

たまたま、朝に食べるから朝ごはん、昼に食べるから昼ごはん、夕方食べるから夕ごはん・・・という言葉があるだけなのだ。

そんなわけで・・・
起きてから最初に食べるごはんのことを
私は「朝ごはん」と呼びたい。

夜でも昼でも朝でも・・・
その日起きてから初めて食べるごはんが、
「私の朝ごはん」なのである。


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