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勘所2:スモールスタートで始め、事業の質を高める

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「事業戦略の勘所コース第2回」


大企業であれ、ベンチヤービジネスであれ、新規事業をスタートさせるにあたつては、事業を小さく始めることを薦めている。事業のスタートアップは派手に、景気よく大きくやりたいものである。しかし、ビジネスで確実なリターンを得たいなら、それはリスクが大きすぎるやり方である。反対に、スモールスタートの企画提案は、リスクを考慮した提案である可能性が高い。なぜスモールスタートなのか。さらにその理由をいくつか挙げてみたい。

①事業の成功要因をつかみ、完全な競争優位を築くまで、競合他社に事業活動そのものを気づかれないようにするため

②不確実性の高いスタートアップの時期にリーダーの管理の範囲を絞り、事業のスタートアップ成功に集中するため


③初期の段階では、事業の規模よりも戦略性の高い事業の構造をつくることに集中するため

事業が大きくなってからでは、事業構造を変えることも質を高めることも容易ではない。事業が小規模なうちに発展に必要な構造をつくるべきである


④顧客からの確固たる信頼を構築するため

顧客というものは提供者側が考えるより、はるかに慎重である。はじめての取引で大きな取引をするよりも、小さな取引を積み重ねて信用をつくり、将来の大きなビジネスヘの基盤づくりをすべきである。失敗した場合のリスクを最小限に抑えられる。また、事業スタート時に重要な、柔軟な試行錯誤が可能になるため。事業はスタート時から最初の一年半ぐらいの小さな失敗の蓄積が重要なのである。


⑤意思決定が素早く、高い機動力と柔軟性を維持する状態を事業のスタート時につくるため

関わる人の多い大きな組織にすると、管理機構が必要となる。管理機構は大きな組織を安定化させ継続性を持たせる場合にはよいが、事業スタート時には組織のスピードを低下させ、学習力や競争力を低下させる。

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