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「資金調達を意識した事業経営とは何か?」事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)なぜ「事業戦略計画」を書くのか?コース第4回
設問1:企業が調達する外部資金の種類をあげてください
設問2:投資と融資の違いを説明してください。
設問3:自己資金に対する外部資金調達のメリットをあげてください
■資金をどこから調達してくるか?
ビジネスを行うためには、お金が必要である。まずは自己資金。自己資金全くなしで、他人から資金を調達するということはあり得る話だが、事業を行う本人が可能な限りにの自己資金を出していなければあまり信用されないと思う。
では自己資金だで良いかと言えば、投資をすれば成長する機会があるのであれば、他人から資金を提供してもらことも効果的である。他人から資金を提供してもらうというのは、事業の成長性を客観的に示す必要があり、しっかりした事業戦略計画を企画構想するとても良い刺激だと思う。また経営そのものにも緊張感が生まれる。自分で起業して少しうまくいくと、成長意慾もなくなり、同時に緊張感も無くなることがままある。そういったことを防ぎ常に成長するとう緊張感をもたせるためも外部資金調達は良いことだ。
■資金調達の2形態ー投資と融資
資金調達先にはどのようなところがあるのか。図に主な資金の調達先を示した。資金調達先は、資金を必要としている事業主体によって異なるが、事業主体は二つに分類される。1つは大きな企業の社内ベンチャーや新規事業であり、もう一つは独立のスタートアップ企業である。それらの事業主体に対する資金調達先は、大きく投資と融資という形態に分類される。投資は事業の資本金となり、融資は借入金として貸借対照表の貸方に記載される。
調達先を分類すると次の5つに分けられる。
①事業を行う「主体自身」の自己資金
②過去に成功したベンチャーの経営者などやスタートアップ企業に賛同する「エンジエル」の投資
③スタートアップしたばかりの非公開企業に投資する「ベンチャーキャピタル」による投資
④何らかの担保を設定し投資よリリスクが少ない銀行などの「金融機関」の融資
⑤雇用促進、産業育成を目的とした「公的機関」の投資、融資、融資の保証枠、補助金・助成金の提供
資金調達先の組織目的や期待するリターンとリスクなどによって、資金提供のタイミングはそれぞれ異なる。
エンジエルは起業時や起業直後に参加することが多く、ベンチャーキャピタルはスタートアップ直後から市場へ株を公開するまでの間に参加することが多い。また、銀行などの金融機関の融資は事業をスタートさせて数年後である場合が多い。
事業の理念やビジョンの達成を目指しながらも資金調達をつねに意識することは、事業経営に緊張感を持たせることにつながる。
資金調達を意識した事業経営者は、ライバルに差をつけ、顧客を獲得するために、つねに市場をよく観察し、また、社内の無駄をなくし、生産性を向上させるための改善と変革を継続して行う。そして、事業から生み出された資産を徹底して有効活用し、高い利益を生むために新たなアイデアを創造し挑戦し続ける―資金調達を健全に意識することは、事業経営にとって望ましいことである。