サンセット
サンセット (テキスト版)
内容は上の画像と同じです。
稲村ヶ崎へ急ぎ足。
公園までは歩きで少し時間がかかる。暮れ始めた空を見上げながら、歩を進める。
上がる息を抑えながら、階段を一気に駆け上がる。後もう少し、後もう少し。ぐっと踏み込んだ革靴のラバーソールが砂利を掴む。
上がりきった時は、切なくあたりを照らす陽の光が消えようとする瞬間だった。
大いなる山の冠に吸い込まれていく太陽は、名残惜しそうに淡いオレンジを残していった。
この瞬間が好きで、よくここからサンセットを眺めるのだ。明日また登る太陽に、しばしの別れを告げるため。
その上空には明るい一番星がきらりと輝いた。
初出:2022年9月22日
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