エリザベス・ヘイ「さよならサンボ」とヘレン・バナマン「ちびくろサンボ」についてここで纏めてみる。~コメント書きtorovとしてのわずかな痕跡・その2
こういうことを編纂しなければならないから、あたしゃ
「茸」が嫌いなんです。といふ変なミーニングを含んだ
ところからぼちぼち始めるわけですが。
概ね元のブログは葦岸堂(いがんどう)さんが遺して
くれていたようなので。貴重なtorov名義でのレガシーの
一部かなと。
<懐かしき『ちびくろさんぼ』>考
こらむで『ちびくろさんぼ』
機智・既知・危地
一応当時書いた部分のコメントに補足はつけますか。
もともとはグレートブリテンの植民地時代だった時代に
医師の嫁として自らも医療従事者として働いていたヘレン・
バナマン(勤勉で知られるスコットランド人)がSLに
揺られて住居と勤務地を往復する時間だけスキンシップが
はかれるよう書いた「キャリアウーマンのコミュニケー
ションアイテムとしての絵本」が、心ないブリカスの出版社に
二束三文で扱われ、米国ではさんざ黒人や土人絵に書き換え
られる海賊版を出されても止めることが出来ず、ぞんざいに
扱われた末にウーマンリブ的な「焚書」にカチ遭って、
半ば発禁処分みたいに扱われる、といふむごたらしい
(でもブリカスな史実にありがちな)歴史がまず横たわって
いるわけです。
(時代区分としてはだから「ちびくろサンボ」は同じく言われ
なき迫害を受け続けた結果厳格なレーティングになった
ビアトリクス・ポター「ピーター・ラビット」とほぼほ同時代
の作品になる)
ワンフェスの挿絵などでも好評を博し(後継にはあずまきよひこ
を指名したんだっけ)「アニメ」「声優」「食玩研究」「映画」
どのジャンルからも手厚いリスペクトを持って迎え入れられてた
水玉蛍之丞も亡くなってしまいました。
https://www.huffingtonpost.jp/2014/12/15/keinojo-mizutama-obituary-_n_6330568.html
https://togetter.com/li/777075
山梨シルクセンター(このコトバはやなせたかし先生亡き後、
必ず後世に伝えて行くべき諫める為の呼称として語り継いで
行きたい呼称なのですが)はカンタンにあの時期の反日メディア
としても知られる「ワシントン・ポスト」の罠に引っかかった
応罰を受けて、いろいろやらかした、って話も後世にはあるの
ですが、それはまた別のお話。
真っ先に「後脚で砂ばかける」レベルでトンズラこいたこと
でも知られるごろつきの行動をやらかしたことで、事態を悪化
させた張本人であったことは記銘するに値する、なのかも。
それからこの本の著者のエリザベス・ヘイが来日していて、かつ
日本のまんがにある一定の理解があり、日本人が「戯画化を好む」
ことを非常に好意的に捉えている。
(それはおそらくよく大月隆寛が「マンガ夜話」で言うところの
「リテラシーの高さ」にも近いと思う。逆に差別や侮辱の大半は
何らかの形で「許容不足」か「教養不足」の状態に陥っている
場合に起こりやすい受け取り手の「貧しい」反応であることが
多いわけなのだから、それに正しく対応すればいいだけの話
だったはずなのにねえ。ちなみにエリザベス・ヘイはバナマンの
絵もまた戯画化されたものであり、それが彼女の画法だった、
と述べており、またその後にはこうも書いている↓)
素養や機智に富んだ戯画(カリカチュア)化されたキャラや物語が
アメリカに向かうとただの貧しい「ステレオタイプ!」となって
しまうのは、やっぱり手塚治虫もメビウスも、バナマンも生むこと
が出来なかった、(1950年代のパージの影響が強すぎて)
「アメコミ」といふ閉じたジャンルしか持たないまんがの後進国
アメリカならではの「らしい」現象なんだなあとつくづく思う。
まあ以前バナマンの絵本探してたら、近くの図書室に何冊も
ほいほい見つかってたので、「なんだ、あるじゃん」とタカ
括っていたら、実はその図書室自体が特殊な成り立ちだったので、
簡単にヘレン・バナマンの絵本があったんだ、と知るって話
もあるのですが、それもまた別の話。
(実はそこは岩波書店をやめたとある女史が最初に
選書を手掛けた図書室だった、といふ話)
1990年代の「核家族最後の逆襲」に観られたさまざまなブラック
パージは肝付兼太さんが「ウラウラ、ベッカンコー」していた
『ジャングル黒べえ』にまで及ぶのですが、そのレーティングを
潜り抜けてOVAとCDドラマが作られた作品もあります。
肝付兼太さんも酋長役で出ていた『ジャングルDE行こう!』が
それで奥井雅美が主題歌を歌っていたわけですが、それもまた
別の話、になりますか。奥井雅美「J」はつべにあったので貼って
おきます。
最近はスパイスカレーが注目されてインドの食材も再注目されて
いたりしますが、「虎が溶けてバターになる」はパンケーキの
バターも含めて、どちらも本当の原典はインドバターの元である
「ギー」であることくらいは注目して欲しいかな、とは思う
torovでした。