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うたの日366

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うたの日で好きだった短歌に拙いながら評を書いています。主にいいねいいねと云っています。 一日一首、毎日更新。
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2020年9月の記事一覧

2020/9/14(うたの日366)

このところ無口になった食卓のキムチは少し酸味を増して/春原シオン (2020/7/18「キムチ」)…

toron*
4年前
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2020/9/13(うたの日366)

スカートの裾からのぞくマカロンが6つ並んでメトロを走る/ひかがみひかる (2017/12/9「膝」…

toron*
4年前
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2020/9/12(うたの日366)

そのドアがどこでもドアになるだらう。行つてきな、ひきこもるおとうと/西村曜 (2017/8/30「…

toron*
4年前
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2020/9/11(うたの日366)

こんなにも星が綺麗な夜だから貸した二万が降ってこないか/岩倉曰 (2019/1/15「万」) 「こん…

toron*
4年前
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2020/9/10(うたの日366)

冷えてないビールしかない黄昏のあなたはとつくに思ひ出の人/太田宣子 (2020/6/26「冷」)一…

toron*
4年前
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2020/9/9(うたの日366)

がおー、しか言ってないのに頷いてゆっくり冷えピタを貼ってくれた/加賀田優子 (2016/2/17「…

toron*
4年前
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2020/9/8(うたの日366)

だけど今ほrびゆく都市をテレビジョンで眺むrぼくへ咲きほこr花/宮本背水 (2017/6/28「だけど」) 全体的に謎が多い。しかし何故だか不思議な魅力があって惹きつけられる歌だと思う。ら行の部分だけ母音が抜けていて、おそらくテレビジョンの映像のかすれとシンクロしているんだろう。「咲きほこr花」というのが最も気になっていて、「ほrびゆく」から桜のイメージもあるのだけれど、もっと直接的な、花火のような…もしくはそれを超えた爆発を眺めているのかとも思った。それが「ぼくへ」というこ

2020/9/7(うたの日366)

このやうな落ち方をするエンゼルもゐるかもと竹トンボを拾ふ/計以 (2017/11/25「トンボ」) …

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4年前
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2020/9/6(うたの日366)

ディスプレイだけが光を放ってて404に宇宙があった/夜夜中さりとて (2020/6/20「ディス」…

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4年前
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2020/9/5(うたの日366)

くたびれた三万円を換へに行く明かりのやうな三万円に/門脇篤史 (2019/1/15「万」) 両替を…

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2020/9/4(うたの日366)

童貞を卒業しても校庭に犬が入ってきたらはしゃぐよ/小路喜一 (2020/6/27「童貞」) じわじ…

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4年前
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2020/9/3(うたの日366)

豚まんに見えるが魔女に呪われた王子様かもしれんし、かじる/こりけケリ子 (2016/12/28「中…

toron*
4年前
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2020/9/2(うたの日366)

殺したき人などおらずピーマンの種をしづかにくり抜いてゐる/からすまぁ (2020/8/15「平和」…

toron*
4年前
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2020/9/1(うたの日366)

みなさんが目覚めるまでに千年がかかりましたがもう春ですか/真篠未成 (2015/11/21「全校生徒600名の前で一首」) 「みなさんが~」から結句までの構文は、先生のよく使うフレーズ(ネタ?)「みなさんが静かにするまでに5分かかりました」のパロディなのかな、と思う。が、結句の「もう春ですか」の疑問形のニュアンスが不思議さをさらに増している。先生も千年間ねむっていたんだろうか…。「もう春」ということは、目覚める前は冬だったようにも考えられる。 お題が「全校生徒600名の前で一