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ピ~やん
2019年6月9日 01:49
縁側に腰かけて庭に足を投げる紫陽花に声をかけたが、返答がない。「うん」も「へぇ」も「ふん」もない。昨晩の軽い口喧嘩が尾を引いている。太陽は俺達のちょうど頭上を通過する途中で、まるで巨峰の房のように連なる厚い雲を追い払おうと、精いっぱいの光を空に流している。 いつもそう、紫陽花は簡単にへそを曲げてしまう。俺だってお前にそっぽを向けたい日もあるんだよ。 紫陽花の背中にそんな言葉を投げか