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2024.12.28飲食店勤務未経験者が、バーの店長になるまで【くだらない日記】

醤油の小瓶を握りしめながら半蔵門線に乗っている。保冷バッグがぱんぱんで入りきらないので、仕方なく。

リュックのほうにはスペースがあるけど、もし蓋がゆるんで醤油が漏れたら…と思うと怖すぎて入れられない。

今日から生理がはじまったので眠い。ダウンコートを着て地下鉄の座席に座っていると、寝袋に入ったまま運ばれているみたいだ。

隣に座る夫はスーツケースに大きなリュックを載せて足の間に置いている。

大晦日が目の前に迫る今日この頃、わたしたちの大荷物の中に入っているのは帰省荷物……ではなく、たこ焼きを焼くためのホットプレートと材料だ。

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月に1度、清澄白河にあるバーに「店長」として立っている。

建物の名前はリトルトーキョー。その3階にあるバー「あのひと」は、日替わり店長制で運営されている。


ここは求人サイト「日本仕事百貨」をもつ会社シゴトヒトの拠点のひとつで、日替わり店長メンバーの多くが、なんらかの形でこれまでに仕事百貨やその中の人たちと関わりを持ってきた。

わたしは今年の1月から4月までシゴトヒト代表ナカムラケンタさんの文章ゼミに通っていて、その縁でここに立たせてもらっている。

飲食店で働いた経験がほぼなく(正確には駅ナカのおむすび屋で3ヶ月弱だけバイトしたことはある)最初はおっかなびっくりだったが、今ではなんだかんだと慣れたような顔で「いらっしゃいませ」なんて言っている。

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今日は年内最後の店長担当日。メインメニューとしてたこ焼きをだした。

わたしは小麦がダメなので、市販のたこ焼き粉は使えない。米粉を代用しつつおいしさを追求するため、この1ヶ月は毎週末家でたこ焼きの実践練習をしていた。

そしたら、なんと一昨日、愛用していたブルーノのホットプレートが壊れてしまった。さすがに週一たこ焼きはきつかったか。

仕方ないので昨日夫に新しいものを買ってきてもらい、期せずしてピカピカのホットプレートでたこ焼きを提供することになった。

年内最後の土曜日だ。もう大方のひとは仕事納めをして、帰省している人も多いと聞く。

だからあまり人は来ないだろう、声をかけている知り合いだけになるだろう、とのんびり構えていたら意外とお客さんが来てくれた。

これは私の功績ではなく、リトルトーキョーという場所のファンや興味を抱くひとが多いためだ。

何者でもないわたしが、そんな場所を月に1回好きに使わせてもらえているなんて、ありがたすぎる話だと思っている。

わたしは、ちゃんとこの場所にふさわしいのかな。

営業日はいつも楽しい。「今日もよかったなぁ」と満たされた気持ちで半蔵門線に乗る。けど、心のどこかにうっすらと不安がある。

今日来てくれたお客さんに、わたしは良い時間を提供できてただろうか?と。

今年は、自分の向き合うテーマとして居心地の良さについて考えていこうと決めた年だった。

居心地のよい場づくりの実践。清澄白河での挑戦は、もう少し続いていく予定だ。

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