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【往復書簡:ひびをおくる】鳥野みるめ001
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柳沼雄太様
こんにちは。
梅雨明けが待たれる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか??
先週の土曜日に6年近く住んでいた吉祥寺から離れて、鎌倉へと引っ越してきました。
気を抜いて過ごしているとうっかり知らない人の部屋にお世話になっている感覚になりますが、片付けの終わっていない自分の荷物を眺めてはこれからここで暮らすのだな…と現実に引き戻されています。
スーパーよりも海が近く、本屋さんよりもお寺が多くて。
住む場所が変わることで、今までと時間の過ごし方がガラリと変わる気がします。
一度離れた町に戻ってきて思うのは、鎌倉は東京よりもずっと湿度が高くじめじめしているということです。窓も潮風のせいですぐに白くザラザラとくもるので、ちょっと困っています…。
洗濯物もどうもカラッと乾いていないような気がして…
母親に相談したら、午後二時以降は南風で海からの風が来るのでそれ以降は干さない方が良いよと言われました。これからは干したまま出かけることのないよう、気をつけなければ…。
部屋の中でも今まで使っていたカーテンの丈が合わなかったり、窓を開けると支えがないのでそのまま落っこちそうになったり(とても危険な出窓なのです…)
そんなとても些細なことで以前との暮らしの違いを見つけてはすぐ落ち込んだりするのですが、今朝早起きしたら東側の窓からまっすぐに差し込む日差しで部屋中が柔らかい橙色に染まっている様子がとても綺麗で。穏やかな気持ちで目覚めることができました。
毎日を楽しく過ごすことができるよう、好きなことを少しずつでも見つけて拾い集めながら緩やかに生活を身体に馴染ませていきたいと思います。
ベランダで背伸びをするとほんの少しだけ海も見えます。
今は足の踏み場もない部屋ですが、片付いたらぜひ皆さんと一緒に遊びにきてください。
きっと夏は暑いので、井上蒲鉾店のさつま揚げと、美味しい冷酒を用意してお待ちしてます!
2020.06.28
鳥野みるめ
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写真と小説の往復書簡をはじめます。
お手紙交換のお相手は書肆 海と夕焼の柳沼雄太さん。
写真はすべてプリントして手紙と一緒に送っています。
写真から物語を紡ぎ、物語の続きをシャッターで切り取りながら探していく往復書簡。
手紙を書く。ということがこれからの日常になると思うと、引っ越してから日も浅く落ち着かない毎日も少し楽しくなる予感がしていて。
郵便受けを覗く新しい日課が楽しみです!
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