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多肉植物ファン必見✨玉扇・万象・万年青ずきにはたまらない古典園芸植物の魅惑の世界をご紹介
ハオルチアの品種に、玉扇(ぎょくせん)・万象(まんぞう)という少し変わった名前の子たちがいます。成長がゆっくりで、見た目もゴツゴツしていたり男前な雰囲気を醸し出していたり、気長に育てられる点が魅力。
古典的な名前と風合いが特徴ですが、彼らは多肉植物界を代表する古典園芸植物の要素を併せ持つ子たちでもあるんです。
古典園芸植物で有名な植物に、万年青(オモト)、蘭(ラン)、梅(ウメ)、楓(カエデ)、桜(サクラ)などがあります。ざっくり説明すると、盆栽も同じ部類ですね。
そんな古き良き日本の歴史をともに歩んできたに古典園芸植物ですが、ハオルチア玉扇・万象好きな人なら、きっとその魅力にハマるはず。
今回は、古典園芸植物とは?という基本的な部分から、魅力いっぱいな側面、種類などを深掘りします。
ぜひ、多肉植物とセットで古典園芸植物も育ててみてはいかがでしょう。
古典園芸植物とは
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古典園芸植物とは、食べるための植物(穀物)ではなく、鑑賞するための植物です。
江戸時代に育種・改良をされ、独自に発展した園芸植物。明治時代以降も、明確な美的基準に基づいた栽培、育種されている植物の総称です。
華道、・盆栽にも通づる魅力を持ち、古典植物や古典草花などとも呼ばれています。代表的な品種には、万年青(オモト)、桜(サクラ)、梅(ウメ)、藤(フジ)朝顔、(アサガオ)、蓮(ハス)、花菖蒲(ハナショウブ)などがあります。
古典園芸植物の特徴
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古典園芸植物には、主に以下の特徴があります。
植物個々の絶妙な違い(個性)を愛でる
長い歴史と情緒を楽しむ
極東日本ならではの雅な東洋的伝統美がある
鉢植えの小型植物〜樹木の大型植物まで多様
など
1860年に来日したイギリスの植物学者であるロバート・フォーチュン氏は、江戸の園芸植物を見て、当時「日本は世界一の園芸大国だ」と言ったほどです。そのくらい奥深く、1つひとつを丁寧に育てている特徴が古典園芸植物にはある。と言えますね。
古典園芸植物が広まった背景
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古典園芸植物が広まったのは、およそ260年前の江戸時代。
初代将軍の徳川家康・秀忠(2代将軍)・家光(3代将軍)の影響が大きく、彼らは「花癖将軍」と呼ばれるほどの大の花好きとして知られていたほどです。
この時代に始まった参勤交代制度も相まって、中山道・日光道中・甲州道中・東海道・奥州道中と呼ばれる五街道が開通。参勤交代制度による交通発展と全国的な芸能の交流をきっかけに、全国から珍しい植物が江戸に集結。江戸時代を境に古典園芸植物が加速的に広まっていったとされています。
西洋を発祥とする観葉植物とは異なり、明確な美の基準を築き上げ、日本庭園・華道・盆栽などとともに、日本の伝統芸術を支えてきた存在です。
古典園芸植物の種類
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今回、古典園芸植物として、大きく4カテゴリーに分類して植物の品種名のみご紹介します。
花を鑑賞する古典園芸植物
葉や茎を鑑賞する古典園芸植物
樹木として鑑賞する古典園芸植物
その他:古典園芸植物の側面を持つ多肉植物
<花を鑑賞する種類>
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菊(キク)
花菖蒲(ハナショウブ
蓮(ハス)
朝顔(アサガオ)
撫子(ナデシコ)
など
葉や茎を鑑賞する種類
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万年青(オモト)
忍(シノブ)
東洋蘭(ラン)
など
樹木として鑑賞する種類
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桜(サクラ)
椿(ツバキ)
楓(楓)
梅(ウメ)
藤(フジ)
杜若(カキツバタ)
躑躅(ツツジ)
など
その他:古典園芸植物としての側面を持つ多肉植物
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ハオルチア属(玉扇)
ハオルチア属(万象)
アロエ
アガベ
サボテン
など
古典園芸植物の楽しみ方
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古典園芸植物では、以下の違い意識しながら眺めたり育てたりする楽しみ方があります。
葉や茎の形
葉の模(様斑入り具合)
花の色や大きさ
個性を楽しむ
鉢の形や色とのコーディネーション
特に、多肉植物ファンやサボテンファンからは、コンパクトに育てられる万年青(オモト)やシシヒトツバなどが人気。
大切に育てながら、葉芸(はげい)と呼ばれる植物の葉の形・柄・模様など楽しんだり、鉢との組み合わせを楽しんだり、さまざまです。
なお、古典園芸植物に近しいハオルチア玉扇・万象の楽しみ方はこちら。
古典園芸植物に近しいハオルチア玉扇・万象の楽しみ方
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成長の遅さ、変わらない姿形。
窓の模様(維管束)・葉の鋸歯(きょし)の様子の若干の違い
育て方で変化する模様の形・色の濃
他の植物にない重厚感
など
古典園芸植物と多肉植物の今後
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現在、多肉植物業界では軟葉系ハオルチアが人気ですが、今後は硬葉系ハオルチアが人気になるのでは?と考えています。
理由は2つあります。
多肉ファン・サボテンファンが注目する古典園芸植物のムーブメント
まず1つ目が、多肉ファンサボテンファンの間では現在、古典園芸植物の万年青(オモト)やサボテンが注目されています。
銘品と呼ばれて受け継がれ得ている品種もあり、葉の形・茎・模様などを追求する古典園芸が人気。古典園芸植物の細部の美を追求する文化、盆栽などにも似た、ゆっくりした成長や細かな葉の形などを楽しむスタイルは、ハオルチア玉扇・万象にも通づるところがあります。
海外での日本文化(多肉植物や古典園芸植物)の熱湯
理由の2つ目があ、理由の海外での日本文化(多肉植物や古典園芸植物)の人気ぶりです。
以前、中国のバイヤーさんとお話しする機会がありました。実は現在、中国の多肉植物・雑貨・インテリア業界では、空前の「ハオルチア(玉扇/万象)」なんだそう。なぜ玉扇・万象が人気なのかというと、中国では現在「ハオルチア玉扇・万象」がインテリアの1つとして注目を集めているからなんです。
玉扇・万象の特徴として、「成長がゆっくり」な点があげられます。成長が遅く、形が変わらないグリーンのインテリアアイテムとして、ハオルチア玉扇・万象が大人気。
日本でいう切花感覚で、中国では消耗品インテリアアイテムとしてハオルチアが注目されており、瞬間的な美しさを楽しむ植物として楽しまれている訳なんですね。
今後は、アロエ人気→アガベ人気の流れから、硬葉系ハオルチア「玉扇・万象」に注目が集まるのではないか?と考えています。
まとめ:古典園芸植物に類似した多肉植物も存在するので多様な品種にも注目してみましょう!
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多肉植物のなかにも、古典園芸植物のような「繊細な美」を追い求めながら生育する品種が存在します。
特に硬葉系ハオルチア玉扇・万象は、成長に時間がかかるため、2年〜3年は形が変わりません。なので、盆栽に興味のある人や鉢の数を増やしたくない人におすすめ。
ToriDoriみどりでは、大きくならなかったり、増えにくかったりする品種の玉扇・万象も集めています。
ぜひ今回の内容を参考に、玉扇・万象などの多肉植物を通じて古典園芸植物の魅力に触れてみてはいかがでしょうか?