
【セルフライナーノーツ】『君と僕のメルヘン的未来予想図』編
みなさん、こんにちは。毎度おなじみ諏訪原天祐でございます。
今回はセルフライナーノーツ『君と僕のメルヘン的未来予想図』編です。諏訪原史上初めて、自分以外の人が作品集づくりにかかわった作品ということで、ガンガンアピールしなきゃと熱く燃えているところです。
「じゃあ、一体具体的に何をしてもらったん?」というと、今まで諏訪原が素人仕事でちまちま作っていた表紙を、同じ山陰のクリエイター仲間であるイラストレーターのjasmine氏に書き下ろしてもらいました!
以前から、「いつか表紙とか書いてもらえたらなあ」と思っていたのですが、今回、諏訪原が勇気を出してお願いしたところ快く引き受けてくださり、こんなにも素敵な絵を描いてくださったのです。本当に感謝してもしきれないくらいです。

可愛らしくも、少しだけダークな要素も見え隠れする表紙となっていますが、本文のほうもそんな表紙とリンクするような内容、ファンシーさとダークさが同居したような、そんな作品集となっています。それでは一つひとつについてちょっとだけ詳しく書いていきます。
1.君と僕のメルヘン的未来予想図
いきなり本作品集の表題作です。この作品集は文学フリマ広島7にて初頒布するのですが、もともと文学フリマ広島7では新刊を出すつもりはありませんでした。転職などが重なって、忙しくなることが目に見えていたからです。しかし、昨年の夏ごろに、ふっと思い立ってこの作品を書き上げたところ、「これを核にした作品集を作ってみたいな」という思いがむくむくと沸き上がり、気づけばこうして本作品集が出来上がっていたのでした。
作品としては、わりとありがちなプロットだなとは思ったのですが、どこかファンタジックででもそれだけじゃない空気感もしっとりとまとわせることができて、まあまあ満足しています。
2.野菜の一生
表紙をjasmine氏に書いていただくにあたって、依頼時に書けていた作品を参考として読んでいただきました。この作品と「君と僕のメルヘン的未来予想図」がそうだったのですが、見事に表紙にその要素を入れてくださっており、ラフを見せていただいたときに思わず「おおふ」と出したことのない声が漏れ出ていました。ほんとに素敵な表紙ですよね!
作品単体で見ると、ほんとに一発ネタなのですが、作品集全体におけるコンセプトの核になった作品でもあります。それでいて、個人的にもお気に入りの作品なので、noteで全く読まれていないのが少し悲しいです。ほんと! 読んでもらえたら! 読むだけでいいんで! ぜひ! でも、できればスキもしていただけたら……。
3.ギフテッド
もともと別の作品を収録する予定でしたが、表紙のラフを受け取ったときに「これならもっとファンタジーに寄った作品を入れたほうがいいかも」と思い、この「ギフテッド」を書きました。
「ギフテッド」とい言葉自体は、著しく高い知能を持つ児童を指す言葉として一般的になっていますが、この作品におけるギフテッドは、giftの過去形としてのgiftedを意味しています。解釈は読んだみなさんにお任せします。
解釈の話をすると、この作品は果たしてハッピーエンドなのか、はたまたバッドエンドなのか、あえてどっちともとれるような濁した書き方にしています。ただ、自分なりの考えを述べていいのならば、諏訪原は「何も悪いことばっかりでもなかったんじゃないかな?」と思ったり、思わなかったり。
4.夕方丸かじり十七時台特集「わが街の名人さん」
こちらも本来は別の作品を収録する予定だったのですが、例によって「なんかちがうかも……」と思い始め、突貫工事で書き上げた作品になります。
諏訪原は一時期、モキュメンタリ―もののテレビにドはまりしており、この作品も某テレビ局で放送された一連のモキュメンタリ―ショーにかなり影響されている部分が、正直に言ってあります。
個人的に、こうやって自分の好きなものを取り込んで、自分なりのアイデアや解釈でもって出力して楽しめるのが同人の面白い部分かなと思っているので、今後も諏訪原が何かに影響されている作品を書いていたら「ああ、こいつ今こんなのにハマってるんだ」と生暖かい目で見守っていただけたら幸いです。
5.野菜の一生′25冬
「野菜の一生」の冬野菜バージョンです。以上!
といってしまうと簡単なのですが、さすがにそんなわけにもいかないのでもう少しだけだらだらと書いていきます。
今回登場する野菜は、なるべく表紙に書いてある野菜にするようにしました。なぜなら諏訪原はそういう小ネタみたいなのが好きなオタクだからです。その結果、「これって冬野菜か?」というものが紛れてしまったのですが、言わなきゃばれないのでセーフということでここは一つ大目に見てください。というか、調べるまで諏訪原も普通に冬野菜だと思ってたし。別に悪くないし。
EX.まとめ
今回この作品集を作るにあたって「グロテスクなくらいファンシー」というコンセプトを定めました。可愛らしいんだけどそれだけじゃない、ダークなんだけどどこか可愛らしいという相反する概念を同居させるという試みをより明確にするためのコンセプトだったのですが、結果的にjasmine氏の表紙のパワーも相まって、なかなかの自信作になったような気がします。
この作品集は、今週の日曜日2月9日に広島産業会館にて開催される文学フリマ広島7にて初頒布します。
ぜひ、気にしていただけたら嬉しいです。さらに願わくはお手に取っていただけると、飛び上がるほど喜びます。
次回は文学フリマ広島についての記事を書けたらいいなと思っています。
それでは、また今度!