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ドグラマグラ

Unlucky Morpheus
アルバム『unfinished』収録曲
『Dogura Magura』

多少本が好きな人間なら聞き覚えのあるであろう、このワード。
日本三大奇書が一つ『ドグラマグラ』(夢野久作/著)がモチーフの楽曲です。

特にこのドグラマグラは「読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」という恐ろしい謂れのある作品。

とはいえ、unfinishedのの曲名発表後にはもう気になってしまって、上下巻購入して、ベッドの枕元に置き、ちみちみとよみながらアルバムを待っておりました。

ざっくりしたあらすじは

ある青年が見知らぬ場所で目を覚ますと、彼はすべての記憶を失っていた。隣の部屋からは自分を「おにいさま」と自分を慕う女性の声が聴こえる。

医者と思わしき人物が現れ「自身の名前を思い出す」ように言われ、そのための資料を読み進めていく・・・。

この資料から、青年はおそらく2つの殺人事件を起こした呉一郎という青年で、それは遺伝子に強く残る先祖の狂人の遺志が作用したものかもしれない…ということが見えてくるが果たして・・・?

といったかんじです。(ほんとうにざっくり)

この資料が曲者で、ある精神病者が描いたとわれる「ドグラ・マグラ」に、精神病科教授正木氏が精神病院の恐ろしさを歌った「キチガイ地獄外道祭文」、「脳髄論」「胎児の夢」云々…

小難しい内容の上に、文体が資料によってコロコロ変わるので、頭を切り替えるのが大変でした。

(個人的に一番読みずらかったのは神社縁起のとこ。)

もともと精神病の歴史とか(ロボトミーとか)にはちょっと関心があったので、キチガイ地獄外道祭文あたりに関しては、辛いながらも読むのは問題なかったんですけども、人によっては初っ端からインパクトが強いかもしれません。

作品を読まなくてももちろん素晴らしい楽曲なのですが

作品を読んだうえで、

『unfinished』収録曲『Dogura Magura』の好きなところを上げると
冒頭の、あのぐるぐると螺旋に落ちていくようなメロディ。迷宮に迷い込むような、脳が痺れるめまいのような、そして呉一郎を破滅させた遺伝子の螺旋のようで。

あの曲に、ドグラマグラの歌詞を着せよう!!!と考えたFukiさんの感受性万歳!!!!と聞くたびに思います。

歌詞ももちろん、あの難解な作品をさらりと美麗な語句に収めて、それでいて何度聞いてもミステリアスで、曲を聴くだけであの世界に迷い込むような錯覚すら覚える素晴らしい歌詞です。

本当にFukiさんの歌詞は美しい。

特に好きなのは、「死に物狂いの真相究明」

死にものぐるいになって(必死に)真相を究明しているという意味と

妻を殺して死体を絵に写そうとしたご先祖の狂気が呉一郎にも宿っている。その死体に対する狂気を指して

「死に物狂い」が真相究明をしている、という意味で掛けてるのかなと思っています。

ダブルミーニングで2倍美味しい…。


ちなみに私Dogura Magura好きすぎて 

呉一郎=精神異常者=サイコパス という方程式で

あんきもいちのサイコパスってことで仁耶さんモチーフにコラージュアートまで作りました。

ドグラマグラ_アートボード 1

黒い字が原作のワード、白い字が歌詞のワードです。


次のアルバムに記載されてた曲名「The Black Death Mansion Murders」はおそらく黒死館殺人事件であろうとあたりを付けて、今からとっても楽しみにしています。

電子書籍は買いました(まだ読んでない)。




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nibe
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