対話を少し深彫してみる(ナラティブ・セラピー・ワークより) ストラテラ服用日記752日目
昨日書いたナラティブ・セラピーのワーク、具体的にどんなことだったか、どんな事が起こったかも書いておきたいと思う。
このワークで大切だったのは、「話し手が口にした言葉を繰り返して、両者の間にあるテーブルの上に「そっと」置く感じである。言ったことを話し手に突きつけるのではなく、話し手がテーブルの上に置かれたものをゆっくりと見ることができる」ということ。
相手の言葉を返すときに、「○○と言われましたね」「○○とお聞きしました」「○○という表現が聞こえてきました」といった言葉遣いに意識を置いて、あくまでも相手が自分の言った言葉を観察できる手助けをする立場ということ。
単純な鏡というよりも、二人の間のテーブルに言葉を置いてい互いに観察できるようにするというところを重視してワークを行っていくことが大切なのだと感じた。
自分の言葉をそのまま返してくれるからこそ、それを客観的に見ることができる。それを促すためのワークだった。
昨日も書きましたが、このワークのせつめいにこんなことが書いてあります。
「聴き手は、これまで習ってきた技法をすべて封印されるような体験をしたはずである。話を聴きながら、普段であればするであろうさまざまなことができない状態に置かれていたと思う。そうしたなかで人の話を聴き続ける体験をしてみて、次のような点について考えてみてはどうだろうか。話し手の言葉そのものを返していくことによって、相手はどのように話し続けることができたのか。話し手の言葉そのものを返していくことの難しさと大切さ。ワークの後の振り返りで、話し手の体験を聴くことによって、聴き手として気づけること。このワークの体験を今後のカウンセリングにどのように活かすことができるのか。」
本当に今まで習ってきた技法をすべて封印された感じでワークを行った。手足を縛られた感じ。
だからこそ、上記のような相手の話し言葉そのものを大切にすることが自分でも感じられるし、結果的に話し手から「すごくよかった」という話をもらえるという予想外の体験もできた。
まだまだ対話の奥は深いなとつくづく感じました。