人自認 さみしいくらいがちょうどいい
自認
誰でもない
自分が自分を認める事実
ある状態を
自分で事実と認める事実
辞典には「他認」の項がない、という事実
多者が認める規範を基準に
誰かの見方を想像しながら
社会の認識と確定しては
自分の在り方を方向付ける生き苦しさと
「自認」に漂う開放感で
「誰かと自分」の世界を視ている
認識したくない、と否定するのは
あなたが見ているものではなくて
認識しない
あなたの意識
と
自分を自認した人が
状況を自認しない、と誰かを視ている
それでも
「他認」は辞典に立項されてはいない
百鬼は 妖怪は 精霊は
そして人も
同じ規格も
測る基準も
何処にもないまま
異なったまま
そうして寄り添い
そうして孤独だ
さみしいくらいがちょうどいい