見出し画像

きれいごとじゃない、真の社会課題の解決に特化した事業集団ボーダレスジャパン

「今までの人生で後悔はあるか?」と聞かれたら、ほとんどないと即答できる私だが、唯一挙げられるのは新卒でボーダレスジャパンに入社しなかったことだ。今回、noteの企画で「推したい会社」というテーマを目にし、真っ先に思い浮かんだので早速紹介したい。この会社は、きれいごと抜きに本気で社会課題をビジネスで解決することを最初から今までブレずに目指し続けている。

ボーダレスジャパンとは、どんな会社?

Amazonの紹介ページから引用させていただく。
ちなみにこの本も読み、非常におすすめなのでぜひ読んでいただきたい。

貧困、難民、過疎化、人種差別、耕作放棄地、フードロス、地球温暖化……
社会問題を解決するビジネス(ソーシャルビジネス)しかやらない会社、ボーダレスグループ。
著者が2007年に創業した同社は、いまや世界15カ国で40の事業を展開し、従業員は約1500名、グループ年商は55億円を超える(2021年4月現在)。
その大きな特徴は、「自分はこんな社会問題を解決したい」という志を持った起業家が集まる「社会起業家のプラットフォーム」であること。「40の事業」はそれぞれが独立した株式会社で、「40人の社長」がいる。
こうして各社が独立経営を行いながらも、資金やノウハウをお互いに提供し合う、相互扶助の仕組み「恩送り経営」は、2019年にグッドデザイン賞(ビジネスモデル部門)に選ばれ、2020年にはカンブリア宮殿でも紹介されるなど、各方面から注目を集めている。

Amazon

また、社長の田口さんが登壇したTEDトークは、現時点で116万回再生されている。

これだけでもボーダレスジャパンの魅力が伝わったと思うが、ここからは個人的な話をさせてほしい。

ルワンダで人生観が変化

私がソーシャルビジネスに関心を抱いたのは、大学2年生の夏に2カ月間1人でルワンダ共和国に行ったことがきっかけだった。当時、慶應義塾大学商学部の学生だった私は、「これまでもこれからも行くことがないような国に行って自分の目で確かめたい」と思い立ち、ルワンダ共和国を訪れた。
ルワンダを選んだ理由は特になく、ただ単にAIESECという学生団体のインターンシッププログラムがあったからだ。
ルワンダ共和国での生活は、私の人生観を根本的に変えた。それまでは、なんとなく周りの同級生と同じようにハイヒールを履いて丸の内でバリバリ働くことを目標にしていた。しかし、ルワンダに行ってからは「自分が人生をかけて、少しでも世界を良くするためにできることってなんだろう?」とひたすら考えるようになった。

ルワンダは日本よりもいうまでもなく貧しい。1991年に起きた大虐殺という内紛の影響もあり、国としてこれからという段階だった。
一方で、様々な課題がありながらも、人としてのやさしさや心の豊かさが非常に心に残った。みんなすごく親切だった。
地元の大学生との共同生活がメインで、英語にも堪能な人ばかり。しかし、みんな口をそろえて言うのが「仕事がない」だった。

ボランティアや寄付に対する違和感

ルワンダに行くまでは、途上国への支援といえばボランティアや寄付のイメージが強かった。しかし、実際に行ってみてからそれは理想形ではないと痛感した。なぜなら、一方通行の支援になってしまうからだ。
つまり、提供者側の事情や意向に応じて彼らへの支援が途絶えてしまう可能性が高い。また、稼ぐ力や機会を提供しているわけではないので、一過性の支援となり根本的な解決にはなっていないことが問題なのだ。
(※もちろん、ボランティアや寄付を全否定しているわけではなく、それらが果たす社会的役割も理解しています。あくまでも私が目指すところとは違うという意味です。)
そのため、ビジネスで世の中に継続的に彼らを支援できるようになりたいと思うようになった。

志望動機が一行で副社長が苦笑い

そんな思いを抱えながら、就活の時期に差し掛かろうとしていた。しかし、探しても、そういった取り組みをしている企業はなかなか見つからない。
ある日、ひょんなことからボーダレスジャパンのことを知り、求人情報があったので、早速連絡を取ることにした。
当時は無知だったため、志望動機の部分には「ルワンダ共和国へ行ったことをきっかけに、ビジネスで社会課題を解決したいと思ったから。」と一言だけ書いた。(今、思えば非常に失礼極まりない)

副社長の鈴木さんが面接してくださり、「他の子は志望動機にみっちり書いてくるのに、君は一行だけだったからどんな子が来るかと博打に思ったよ(苦笑)」といった主旨のことを言われた。
面接はかなりフランクで、ルワンダに行った経緯やそこで感じたこと、自分が何をしたいのかを話した。そして「ボランティアじゃなく、寄付でもなく、ビジネスでどうにかしたいんですよね」という私の一言に、鈴木さんは「そう!そうなの!自分たちも心底そう思ってる」と非常に共感してくださった。そして意気投合し、その後、私は内定をいただいた。

しかし、結局保守的な考えの両親をどうしても説得できず、ボーダレスジャパンには入社できなかった。あれだけ鈴木さんと熱量高くお話させていただいたのに顔向けできないと何度も泣いた。

消費者として応援

あれから10年以上が経ち、紆余曲折あって私は社長をしている。そして2児の母だ。ボーダレスジャパンは「1000人の社会起業家を生み出し、1000の社会問題を解決すること」を目標に掲げ、そのコア事業の1つにAMOMAというハーブティー事業がある。
貧困に悩む農村部でハーブを育て、それを妊娠・出産したお母さん向けのハーブティーとして販売している。妊娠中や授乳中は、カフェインのあるコーヒーやお茶を控える必要がある。また、授乳中は母乳量が少ないと悩む母親も多い。そのような層をターゲットにして開発された商品で、ボーダレスジャパンのヒット商品だ。母になった私は、そのことを思い出し、AMOMAのハーブティーを購入した。周りのママ友にもお勧めしている。

会社の一員として貢献することはできなかったが、消費者として少しでも応援できたらと思い、今に至る。他にも革製品や電力などその事業は多岐にわたるので、ぜひチェックしていただきたい。

#推したい会社

いいなと思ったら応援しよう!