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母子手当は彼氏いたら打ち切り?通報?元担当者がこっそり語ります(児童扶養手当)

5年以上前になりますが、
私は、ある市役所で「ひとり親家庭の支援」の仕事をやっていました。

具体的には、母子手当(児童扶養手当)の担当を3年間。

今回は、その時の経験を元に、ちょっと突っ込んだ話題を記事にしていきます。

それは、シングルマザーの恋愛についてです。


母子手当の相談時に離婚理由を聞かれるのはどうして?

本題に入る前に、ちょっとだけお話させてください。

現在、児童扶養手当(母子手当)を受けている人なら分かると思いますが、

最初の相談の時に、

「なぜ離婚されたのですか?」

「離婚の理由は何でしたか?」

と役所の担当者に聞かれたことがあるかもしれません。

(未婚の人なら相手のこと&別れた理由)

「おいおい、なんでそんなプライバシーを!?」

と思われたはずです。

これは「偽造離婚」による、
不正受給を防ぐ目的があります。

「形だけ離婚ってことにして、内縁関係を続けて母子手当もらっちゃお!」

という人は、もちろん対象になりません。

だから、これから母子手当を申請しようと思っている人は、

「最初に離婚の理由を聞かれる」

と心づもりしておくと良いでしょう。

ちなみに、私が働いていたとき、

一番多かった離婚理由は、
お金の問題だったと思います。
(借金やギャンブル、家計にお金を入れてくれないとか)

暴力や心理的な問題なども多かったし、
もちろん不倫とか(不倫相手が妊娠したとか)生々しい話もありました。

詳しく話したくない人は、
「性格の不一致」「価値観の違い」とかでボヤかされることもありました。

※役所の担当者によっては、深く突っ込む場合もあります。

あまりにも離婚理由を隠したがる場合は、逆に怪しまれるので気を付けてくださいね。

ご存知のとおり、児童扶養手当は、税金を元にした手当です。

だから、手当を受給する以上、
プライベートな事情に突っ込まれることは「仕方がない」と思ってくださいね。

彼氏ができたら母子手当(児童扶養手当)はどうなる?

さて、本題に入ります。

シングルマザーになった後、
良い人と出会い、交際相手=彼氏ができることもあるでしょう。

心の支えになる相手ができることは、
とても素敵なことだと思います。

ただ気になるのは、

「母子手当はどの時点で打ち切られるのか」

という点はないでしょうか?

元担当者がぶっちゃけると・・・




「彼氏ができた時点ではセーフ=継続」

という見解の自治体が多いと思います。

もちろん、色々な例外ケースはあります。
(後から説明します)

基本的には、シングルマザーに彼氏ができたからといって「役所に申告義務は無い」ということでOKです。

彼氏と同居したら母子手当(児童扶養手当)はどうなる?

彼氏と順調に進み、
同居することになったとしましょう。

まだ結婚はしていませんが、
母子手当はどうなるのでしょうか?

結論から言うと、

「彼氏と同居→NG」です。

同居した時点で、それは事実婚とみなされ、母子手当は受けられなくなります。

住民票を移さずに同居する場合も同様です。
(世帯分離をしても、実態で判断します)

もし同居を隠していた場合は、
期間をさかのぼって手当を返還してもらうことになりますし、悪意があれば「3年以下の懲役または30万円以下の罰金」に課せられることも。

なので、結婚または同居のどちらか早いほうで母子手当は終わると思っておきましょう。

大好きな人ができると少しでも長く一緒にいたい気持ちもわかりますが、その判断は慎重にすべきです。

彼氏と同棲しなくても母子手当が打ち切りになるケースも!

彼氏とはまだ同居しない。

でも、彼氏の名義(契約者)のアパート等に母子で転居する場合。

あまり無いかもしれませんが、
これも事実婚の扱いになることが多いので注意です。

彼氏の社会的信用や地位の恩恵を受けていることになりますし、彼氏も同居する前提で借りるのが普通なので。

実際、ひとり親家庭が転居する時は、
アパートの契約書の名義や同居人欄を必ず確認していました。

そこに、「この男、誰やねん?」という名前が載ってる時点でほぼアウト。

また、同居していなくても、
お金の援助をもらっている場合

単身赴任の夫のように、
毎月一定のお金を入れてもらっている場合も事実婚とみなされます。

ただし、「毎月いくら以上」などの金額の決まりなどはないので・・・ここは正直グレーな部分です。

彼氏が週2〜3回寝泊まりしていたら母子手当はどうなる?

また、同居ではないけれど、
彼氏が頻繁に出入りしているケースもあるでしょう。

そんな場合も、かなりグレー・・・
と言わざるを得ません。

私が現役のころ、
厚労省はこのように言っていました。

週に2〜3回寝泊まりしていても、生計の援助がない場合は、事実婚にならない

つまり、
「お金の援助がなければセーフ」ってことです。

でもこれって、
めちゃくちゃ曖昧なんですよね。
(担当者泣かせすぎる…)

現金じゃなくても、例えば、

  • デート代

  • 外食費や食料品

  • 子供の服やおもちゃ

などを彼氏に買ってもらったらどうなるんでしょうね???

個人間のお金の流れは、
役所側ではもちろんわかりません。

だからこそ、
シングルマザー本人の経済状況や気持ちの問題、行政の判断によるのかな、と思います。

「彼氏という役目以上に、家計を助けてもらっている」と感じるなら、それは事実婚になるのでしょう。

正直に言ってくる人は、まぁいませんけど。笑

さっき言ったように国の見解がグレーなので、自治体(特に都道府県単位)で考え方にバラツキはあるでしょうね。

妊娠したら母子手当(児童扶養手当)はどうなる?


あんまり無いケースだと思いますが、
シングルマザーが彼氏の子供を妊娠した場合。

(実際、けっこういました。。)

これもやっぱり自治体ごとに対応は変わると思います。

私の時は、

✅️彼氏と交際を続ける場合
 →妊娠を届出した時点で手当は打ち切り

✅️彼氏と破局した場合
 →申立書(民生委員の証明)で継続
 →子供が生まれたら増額の申請

という感じでした。

妊娠しただけでは、さきほどの事実婚状態ではないケースも多いでしょう。

しかし、そもそもシングルマザーが妊娠することはありえません。

だからこそ、

  • 「妊娠=結婚前提である」という世間的な常識

  • まだ生まれてなくても「お腹にいる子の父と交際中=ひとり親家庭ではない」という解釈

  • 他の母子家庭との兼ね合い

などから、「母子手当を打ち切る」という判断になることが多いでしょう。

その上で、「いやいや、妊娠した子の父親とは別れているし、認知もしてもらえないし、経済状況は変わらない!」と申立するのであれば、それなりの手続きを踏むことになります。

一方で、お腹の子の父との関係が切れないのなら、
「どの時点で母子手当を打ち切るか?」は自治体ごとに異なるはずです。

出産した時点では遅いので、

やはり、妊娠届を出して母子手帳が出た時点で切ることが多いのではないか…と思います。

現役時代、ここらへんは、なぜか窓口のパートさんが目を光らせていて、

「◯◯さん(私)、あの人、ひとり親さんなのにお腹大きいです!」

と教えてくれることも。笑

そんな時は、「手当返還か!?」とヒヤヒヤしたものです。

妊娠の担当課と母子手当の担当課は別のことが多く、最悪、出産するまで情報がこないこともあります。

ネグレクトなどの疑いでマークされている母子家庭だったり、生活保護を受けていれば分かるのですが。

だからこそ、もし妊娠したときは、母子手当(児童扶養手当)の担当課にも必ず相談しましょう。

一度、母子手当が打ち切りになったとしても、状況によっては再度申請することはできます。(また色々な書類を揃える手間はありますが)

ですので、心配や不安なことも含めて、市役所(区役所)などに早めに相談してください。

シンママ同士のタレコミ(通報)の実態が怖い

さきほど、
「窓口のパートさんが目を光らせている」という話をしました。

やはり、同じ親同士の監視の目というのが結構あるんだな、と現役時代に感じていました。

というのも、3ヶ月に1回くらいは、
いわゆる「不正受給のタレコミや通報」が匿名で入るのです。

1番多いのは、

「あの家は母子家庭のはずなのに、
毎日のように男の車が泊まっている」


というやつですね。

(どんだけ観察してるの!?と言いたい。笑)


こんな時の役所側の対応は、
まず、疑わしい母子家庭に電話を入れます。

「直接確認したいことがあるので役所まで来てください」と。

そして、
個室でじっくり話を聞くことになります。
(この仕事が1番嫌すぎた…)

彼氏の存在を、素直に認めることもあります。

もちろん、
しらばっくれられることも。

彼氏の存在を認めた場合、

・同居の事実はあるか?(来訪の頻度は?)
・お金の援助はあるか?


を確認します。

どちらもNOであれば、継続。

この呼び出しで手当が打ち切られるケースはほとんどなく、

「見られているということを意識してもらって、クギを刺す」

みたいな感じの意味合いが強かった。

中には、
「見られているのが気持ち悪い」
と言うお母さんもいたし、

「どうして私だけ…」
みたいに泣き出す人もいた。

悲しい話ですが、

こういうタレコミする人って、
ほとんどが同じシンママ
なんですよね。

(匿名ですが、「私ばっかり頑張っててバカみたい」という話の流れでだいたい分かります)

どうしても、他のひとり親家庭の状況が気になるものだし、精神的にも肉体的にも疲れているママさんたちが多いのかなと察します。

だからどうって訳ではないですが・・・
元担当者として言えるのは、

「母子手当を受ける限りは、できるだけ目立たないようにしておくに越したことはない」

ということです。

たとえ、信頼できるママ友であっても。

彼氏の存在は隠しておいたほうがいいと思うし、彼氏を子供の行事に呼ぶなんてまずアウトです。

また、派手な格好やブランドバッグをひがむ人もいます。
(そういうタレコミも実際ありました)

正直、ここまで読んで、「息苦しい」と感じる人もいるでしょう。

1人の女性として恋愛をしたり、誰かに頼りたいと思う気持ちは自然なことだと思います。

自分の働いたお金でブランド品を買うことだってあるし、好きな格好だってしたいですよね。

しかし、実際どこで何と言われているのかは分からないですし、世間の目は厳しいです。(何度も言いますが手当は税金なので…)

子供に悪影響が及ばないためにも、
「クリーンなシングルマザーを演じておく」のがいいのかな〜と、元担当者としては思いますよ。

最後に

ここまで長文をお読みくださりありがとうございます。

今回は、私の役所人生の中でも、
割とディープだった時代の話を交えて書いてみました。

これから母子家庭になるかもしれない人や児童扶養手当手当を今もらっている人。

それに限らず、
子供を持つママさんには知っておいて損はない話だったかと思います。

できるだけ簡単に!と書いたつもりですが、
余計ややこしくなってしまったかも。。

また需要があれば、
こんな話もしていきますね!

おしまい。



【働き方に悩んでいませんか?】

私は市役所を辞めてから、1児のママになり、現在は在宅でブロガーをしています。

ブログに本腰を入れ始めたのは、妊娠中。

何もわからない素人からサイトを立ち上げ、ブログのノウハウを学びました。

そして、息子が生後3ヶ月のときに、月収50万円を達成
(その後も60万円以上稼ぎました)

ブロガーという仕事は、夢のあるビジネスです。

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