問題と課題
事業統括とかやってると、事業を推進する上で課題の洗い出しと、それに対しての施策をどうするのみたいな会話がよく発生する。だからなのか、部下が議論している内容で、「課題」と「問題」を混同しているケースをよくみる。
そもそも仕事における「課題」と「問題」の違いは何なの?という疑問を部下にぶつけられたので、備忘録も兼ねてちょっと書いておこうと思う。
僕の上司はもともとリクルートの凄腕営業マンだった。その上司から「課題」と「問題」はこう違うと教えてもらったのが上の図。現状起きていることが「問題」で、その現状と理想の差分が「課題」。「問題」は現状起きている事実で、理想に近づけるためにすぐ解決すべき項目が「課題」だそうだ。
では、具体的に仕事上の「課題」を洗い出すときにどうするか。
流れとしては以下のような感じ。
①現状(問題)を列挙すること。
②現状(問題)に対して、自分たちの目標(理想)列挙する。
③もう一度、目標(理想)から考えた現状を列挙する。(目標と現状の洗い出しを繰り返す)
④ある程度数を出し切ったら、現状の共通項をまとめていく。
⑤最終的にその共通項が「課題」になる。
書くと簡単そうなんだけど、これが難しい。まず、現状ってのがこっちの主観が入るといけない。できるだけ俯瞰してファクトベースで書き出すこと。これが意外とできない。次に、その共通項をまとめていくのも難しい。
ミーティングをしていると、大体の部下が問題と課題を混同して議論していたり、課題まで落とし込めずに解決策の話に議論が移行する。こうなると、発生している事象すべてに対して解決策がいっぱい出てくるので、やることいっぱいという状態になってしまう。
上にあげたフレームができるようになると、発生している事象に対してすぐ実行できる改善策をあげることができる。僕自身、1年以上このフレームに物事を当てはめて物事を考えてきた。
今はこのフレームの使い方を部下に教える立場。どうしても議論がずれる場合は、やっぱり現状の洗い出しの際に部下の主観が入っている。現状になってないというケースが多い。
僕の上司曰く、コンサルだろうが事業設計だろうが、マネジメントだろうが、何だってこのフレームで考えろとのことだった。実際、本当に何にでも使える便利フレームだったので、機会があれば皆さんも是非使ってみてください。