見出し画像

ゴミの城〜009~ゴミ屋敷は家の中より外が大変!

これまでのお話

 ここ最近、かなりの頻度で実家に顔を出してゴミを片付けているのだが、掃除していて、つくづく呆れ果てる。家の中でもインスタント麺の袋が綺麗に折りたたまれて何枚も取ってあったり、舟和のくず餅の容器を洗って何枚も取ってあったりと。家に来た封筒なんか中身を捨てて全て取ってあったのではないかな。何年も前の市役所から来た封筒やダイレクトメールの封筒がたくさん。

 それらの積み重ねが、全ての部屋に詰め込まれていた。歩くスペースもない程に。掃除をしていてそんな物を見つけると父親に対して、こんな言葉を使うべきではないが「馬鹿なんじゃないの?」と情けなく、また腹ただしくも思ってしまう。それが外になるともう手をつけるのさえ躊躇いそうになる。

 まず外は虫だらけで気持ちが悪い。無駄に水が入った水槽や発泡スチロールがあるので、やぶ蚊も多い。あのシマシマの忌々しい蚊だ。一応、虫除けスプレーをこれでもかというくらいにかけるのだが、気がつくと腕にちょこんと羽を休めて食事をしている。

 箱や発泡スチロールを開けたり物をどかすと、必ずゴキブリやダンゴムシが出てくる。それらと一緒になってピカピカと光るミミズもクリン、クリンと体をくねらせ、存在をこちらにアピールしてくる。

 庭には鉄パイプが何十本もある。茶色の長いプラスチックのパイプや鉄板、タイヤ、大量のコンクリートのブロック。燃えないゴミだらけ。大きくてゴミに出すこともできず当面の保管場所にも困ってしまう。大小の水槽もかなりの数がある。なによりも困るのが土だ。

 庭には土がやたらと多い。それこそ壁のブロックから土が溢れそうになっている。以前の庭にはこんなにも土はなかった。他にも庭やプレハブ小屋を掃除していて、使いかけや未使用の肥料がいくつも出てきた。「油かす」とかいうのだったかな、物凄く臭うやつもあったし、袋を開けたら真っ白な石灰石もあった。

 プランターや大きな植木鉢、発泡スチロールがアホみたいにある。何個か土を庭に捨てたが、それでもかなりの数がまだ土と植物つきで残っている。一個の発泡スチロールの中に何キロ入っているのだろう。庭が土だらけだ。土なんてゴミでは持っていかないし。どこに捨てれば良い?

 本来ならば木々の緑を見て癒やされるはずなのだが、二階の屋根を越え青々と枝を拡げているその姿を見ると、もうため息しか出てこない。

動画をご覧になりたい方は~こちらから

続き ~010~ ゴミ屋敷の成り立ちを考える


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?