📝Event Report📝 SaaS開発はローカルでこそ輝く？【ローカル開発拠点のリアル-SaaS企業3社が語る、プロダクト組織づくり・キャリアの挑戦-】

HRtech企業にて、Product HR的なことをやっているTookaです。

先日2月14日、株式会社スタメンのオフィスにてテックイベントを開催しました。【ローカル開発拠点のリアル -SaaS企業3社が語る、プロダクト組織づくり・キャリアの挑戦】と題して、Sansan株式会社、フリー株式会社、株式会社スタメンのSaaS企業3社の合同イベントです。

以下、今回のイベントのレポートを記載します。

自分は企画と司会で参加💁‍♂️

今回開催したイベントの詳細はこちら👇

ローカル開発拠点のリアル -SaaS企業3社が語る、プロダクト組織づくり・キャリアの挑戦- (2025/02/14 19:00〜)

今回の会場🏢はこちら👇

株式会社スタメン イベントスペース貸し出しについて | Notion

イベント開催にいたった背景

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セッション中の様子

コロナ以降、テレワークやリモートワークが浸透した中で、最近は多くの企業が「オフィス出社回帰」の流れを見せてきました。

そんな中で、多くのテックカンパニーやSaaS企業のオフィスが、関東圏に集中している中、ローカルに生活基盤をもつエンジニアにとっては、この流れが必ずしもチャンスと捉えられるわけではありません。

今回のイベントは、そんな状況の中でも「ローカルで活躍し、成長していく道」がまだまだあることを伝えたいという思いから、企画しました。

今回は所属する企業も拠点をもつ、名古屋を中心とした東海圏にフォーカスし、SaaS企業で活躍している3社のエンジニアが、ローカルの拠点でのキャリア形成や、ローカルにおけるプロダクト組織作りのリアルな経験談を聞けるイベントになりました。

ローカルに基盤を置くエンジニアや、ローカルでエンジニアリングやプロダクト開発に関わる全ての人たちに対して、挑戦できる場所がまだまだあること、それだけでなくこれまでの苦悩も赤裸々にシェアすることで、今回のイベントに参加してくれた全ての人の背中を後押しし、明日以降もローカルを一緒に盛り上げ、次の一歩を後押しするきっかけとなったことを願っています！

Part1：SaaS企業3社のエンジニアによる登壇

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地方拠点でチーム作りに挑んだ私が直面した課題とその突破方法 ＠Sansan株式会社 新井さん

登壇中の1枚

Sansan株式会社 エンジニア：新井 和弥（@KazyArai）
名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻博士前期課程修了。前職ではデータエンジニアとしてBtoB SaaS企業のABMプラットフォームプロダクトの開発に従事。2022年3月Sansan株式会社入社。研究開発の実行基盤Circuitの開発やDevOps/MLOpsに従事。新卒から一貫して愛知にいる。

connpassイベントページより抜粋

新井さんは、Sansan株式会社の技術本部研究開発部Architectグループに所属するエンジニアの方です。2022年に中途入社し、現在中部支店で活躍しています。地元である愛知県に在住し、家族と過ごす時間を大切にするため、地方拠点での勤務を選択しました。

新井さんはこれまで、拠点拡大のために社内外の啓蒙活動に積極的に活動されており、その圧倒的な行動量が非常に印象的、学びになりました。

特に印象的だったスライド、社内のエンジニアにも啓蒙活動を積極的にしていた

中部支店でのプロダクト組織の状況と感じていた課題
入社当初、名古屋拠点の4人目のエンジニアとして入社し、そのうち3名はEight事業部のため、新井さんは1人は研究開発部に所属していました。そのため、チーム単位の働き方としては、他拠点のメンバーと実質リモートワークで協業している状況でした。

そんな中、名古屋でのチーム拡大と活気あるチーム作りを目指す一方で、採用やチームビルディングの経験は多くなく、名古屋のエンジニアコミュニティとの接点もまだ多くない状況に課題を感じていたとのことです。

実際に取り組んできたことと成果

1. 個人としての成果を追求：まずはチームを作るために、個のエンジニアとして社内で認められることが重要と考え、成果を上げることに注力しました。

2. コミュニティへの積極的な参加：名古屋のエンジニアコミュニティイベントに積極的に参加し、特に登壇の機会にも積極的に参加することで、自身と会社の存在を続けてきたとのことでした。

3. 社内での啓蒙活動：社内の名古屋に関係するメンバー（出身者など）にとにかく声をかけ続け、名古屋拠点の存在や魅力を伝える活動を行ってきたとのことです。この話は素晴らしいと感じていて、実際外部からの採用よりもハードルが実は低く、一方で少数精鋭になる傾向にあるローカル拠点においては、信頼できるメンバーの採用ができるため非常に有効な手段だと感じました。

これらの取り組みの結果、愛知出身の新卒エンジニアが名古屋拠点に配属されるなど、チームの拡大に成功されたとのことです。また、名古屋のエンジニアコミュニティとのつながりも深まり、拠点の存在感を高めることができました。

新井さんの経験は、ローカル拠点でのチームビルディングや組織拡大、またコミュニティとの連携について非常に学びになりました。

努力の結果、夢のチームができた現在

新井さんの登壇スライドはこちら👇

新井さんの登壇レポートはこちら👇

ローカル開発拠点のリアル-SaaS企業3社が語る、プロダクト組織づくり・キャリアの挑戦-登壇レポート - Sansan Tech Blog

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地方拠点で エンジニアリングマネージャーってできるの？ @フリー株式会社 一円さん

登壇中の1枚

フリー株式会社 エンジニアリングマネージャー：一円 真治（@ichien178）
名古屋で働くfreee会計のプロダクトエンジニア。EMも担当。
ヤフー(現LINEヤフー)で地図サービス開発を経て、2021年にfreeeが中部拠点立ち上げのタイミングでjoin。 大学時代は名古屋 → 新卒で東京 → ライフイベントと同時に愛知へと活動拠点を移している。 マイブームは、3歳の子どもと名鉄に乗ってぶらり旅すること。

connpassイベントページより抜粋

フリー株式会社の一円さんの登壇、【地方拠点で エンジニアリングマネージャーってできるの？ 〜地方という制約を楽しむオーナーシップとコミュニティ作り】です。
一円さんは、2021年〜中部支社のエンジニアとして活動し、プロダクトエンジニアとして活躍後、現在はエンジニアリングマネージャーとして開発チームを牽引しています。

ローカル拠点でのエンジニアリングマネージャーとして活動する際の経験や工夫について登壇してくれました。
特に、【地方という制約】をポジティブにとらえようという前向きな内容で、新たな視点への気づき、そこから非常に前向きな気持ちにさせてくれる登壇でした。

特に印象的だったスライド

1. EMを目指した理由：

   • 地域貢献への思い：名古屋エリアのエンジニアコミュニティを盛り上げたいという強い想い

   • 地方拠点の発展：地方拠点の成長が地域全体の活性化につながると信じ、その拠点作りに積極的に関与したいという考えから。

   • 組織作りへの挑戦：地方を盛り上げるための拠点作りに自ら挑戦し、気づいたらEMを目指していた。

2. 地方拠点での課題：

   • チームメンバーの分散：チームメンバーが他の拠点に分散していることがあり、人数が少ない。

   • 偶発的なコミュニケーションの欠如：（他拠点にメンバーがいる場合はなお）オフィス内での偶然の出会いや雑談が少なく、業務以外でのコミュニケーションが発生しづらい。意思決定の観点では、意思決定者が東京にいるパターンもあり、情報伝達や意思決定に時間がかかることがある。

   • オフィス環境や設備の差異：本社と地方拠点で設備や環境に差があることがある。

3. 具体的な工夫や活動内容：

   • 地方を制約捉えてゲーム性を高める：そうすることによって、難しさも楽しい課題と変換して取り組む。

   • 地方だからこそオーナーシップの発揮：自分で選んでいる環境だと捉えて、だからこそ自分たちでなんとかする使命があると捉える。そして行動する。

   • 地方だからこそ、コミュニティにつながる：社内、拠点、社外全部含めた横のつながりを大切にし、点を線に繋げていく。同じ思いを持った同士とノウハウ共有や刺激し合っていく

一円さんの登壇では、地方拠点でなぜEMをやるのかという話から始まり、EMとしての挑戦や工夫、そしてコミュニティ作りの重要性の話まで、マインドセットの作り方から実際の行動まで非常に学びの多い登壇でした。

最後に、個人的にめちゃくちゃ良かったスライド

一円さんの登壇スライドはこちら👇

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ローカル拠点でのEMの役割@株式会社スタメン 朝倉さん

登壇中の1枚

株式会社スタメン エンジニアリングマネージャー：あさしん/朝倉慎亮（@asashin227）
名古屋在住のエンジニアリングマネージャー。
ヘルステックスタートアップで開発部長を経験後、2023年4月 スタメンに入社。 iOSエンジニアを経て、現在はエンジニアリングマネージャーとして自社プロダクト「TUNAG」の開発とプロダクト組織づくりに携わっています。

connpassイベントページより抜粋

東京と名古屋の2本社体制を敷く、スタメン社でエンジニアリングマネージャー（以下、EM）として活動する朝倉さんは、ローカル拠点におけるEMの役割と、その特有の課題や取り組みについて発表してくれました。

特に印象的だったスライド：EMという多岐に渡る役割を求められる中で、複数拠点を跨ぐEMとしての意識の大切さが伝わる

• 最初に定義したEMとして求められる役割：

  • プロダクトマネジメント：顧客が求めるプロダクトを高い価値で継続的に提供すること。

  • プロジェクトマネジメント：要求される要件を満たす機能を適切なタイミングで提供すること。

  • テクニカルマネジメント：プロダクトの短期・中長期的な成長を技術的観点からリードすること

  • 組織マネジメント：組織の能力と成果を最大化すること。

  • ピープルマネジメント：メンバー一人ひとりの能力や成果を最大化すること。

スタメン社のプロダクト組織構造

• EMの役割を定義した上での、ローカル拠点の特徴と課題：

  • コミュニケーションの制約：東京本社ではCTOやCPOが在籍し、対面でのコミュニケーションが主流である一方、名古屋（ローカル拠点）に対してオンラインが主な手段となり、情報伝達の速度や質に差が生じる可能性がある。

  • その中でのコンテキストの不足：オンラインでのマネジメントでは、現地の状況や雰囲気といったコンテキストが伝わりにくく、意思決定や指示に影響を及ぼすことがある。

• ローカル拠点EMとしての意識と対策：

  • プロダクトマネジメント観点：遠隔地にいることを常に意識し、オンライン会議だけでなく、出張時には積極的に対面でのコミュニケーションをし、抽象度の高い課題や相談を直接行うことで、進むべき方向性を明確にする。

  • プロジェクトマネジメント：自身の考えや未決定事項も含めて早めにメンバーと共有し、全員がPjMに近い意識を持てるようにする。これにより、遠隔地でもメンバーが自律的に進捗を生み出せる環境を整える。

  • テクニカルマネジメント：

    • 技術コミュニティが都市部に集中しがちなため、CTOなど中心人物を頼りに情報を収集する。

    • 組織内で技術継承が可能な文化や施策を導入し、多様な専門領域を持つチームを構築する。

  • 組織マネジメント：

    • 日々のコミュニケーションを通じて、自身の判断基準や価値観を組織に浸透させ、メンバーとの意思決定の軸を一致させる。

    • これにより、組織と個人の成長方向が一致し、定着率の向上と心理的安全性の確保につなげる。

  • ピープルマネジメント：

    • メンバー全員がお互いの状況や考えを理解し、結束力を高めるための施策を実施します。

    • 具体的には、定期的な1on1やチームビルディング活動を通じて、信頼関係を築き、協力しやすい環境を作ります。

ローカル拠点でのEMとして直面する特有の課題に対し、具体的な対策や意識すべきポイントを発表の中で聴くことができ、同様の環境で働くエンジニアやEMにとって、非常に参考になる発表だったのではないかと思います。

「ローカルという制約」があるからこそ、意識の持ち方の大切さが集約されたスライド

朝倉さんの発表スライドはこちら👇

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Part2：Q&A オフレコ座談会

トークテーマをいくつか用意するスタイルにしました

トークテーマでは、いくつかのテーマトークを用意し、3名のセッションを行いました。時間が多くなかったため、下記のテーマに焦点を当てて、各の考えを聞きました。

• 今新卒に戻れるなら、どのようなキャリアの選択をする？

• ぶっちゃけ、ローカルでのキャリアの葛藤や不安はある？

• それぞれが目指す今後のキャリア、展望は？

オフレコとしていたので、当日の様子だけ写真で掲載します。

セッションの様子1

セッションの様子2

セッションの様子3

3名のローカルで活動する上での本音が多く聞けた上で、非常にポジティブな話が多くあり、非常に良い座談会の時間となりました。

ご興味ある方は各社のカジュアル面談などぜひ話を聞いてみてください。

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📝イベント開催後記

今回、出社回帰（=コロナ前のような首都圏回帰への不安）という流れが強くなる中で、今後のローカルでプロダクト開発に関わる人々のあり方を、改めて第一線で活躍するエンジニアとディスカッションしてみたいという思いで開催しました。

全体として、非常にポジティブな内容だったため、参加者の方にも熱量や前向きな考えを共有できたのではないかと思います。

また、ローカルとはいえ、居住地が異なる混成チーム（あるエンジニアは東京にいて、あるエンジニアは名古屋にいるなど）を抱えている話もあります。特に複数の事業を抱え非連続な成長を目指すプロダクトカンパニーとして成長していくには、（採用難という状況も踏まえ）こういったローカルのエンジニアをどのように巻き込みながら成長していくかを考える必要があり、その良い機会・きっかけとなりました。

今後も場所を問わず、活躍するエンジニアの取り組みをピックアップするイベントを開催していきたいと思います。

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最後に

今回登壇してくれた各社の採用情報を記載します。興味のある方はぜひ話を聞いてみてください。

全国のEngineer, Product Manager, Product Designerの方で、このようなイベントでの登壇に参加興味ある方は、ぜひTookaまでお気軽にDMをください。

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