マガジンのカバー画像

地上的な餘に地上的な

85
2022年11月から2024年5月まで、同タイトルでNoteに投稿した記事を集めました。スピリチュアルなテーマを扱っていますが、このところそれらに依存しない全く新しい地平線が拓け…
運営しているクリエイター

2022年12月の記事一覧

なぜ「幸せになりたい」のか?

「幸せになりたい」という願望が人類共通の願いであったとき、それは、「いまだ幸せではない」ということを物語っている。 願望はそれを知っているから「願う」ものであり、 また、それを知らなければ「願望」はない。 つまり、私たちは「幸せ」を知っている。 そこまでは、確実な事実である。 しかも、「幸せになりたい」という願望は、人生の他のあらゆるテーマを凌駕して、ナンバーワンのそれである点、突出している。 だからこそ、万人が万人、みなこぞってその「幸せ像」を追いかけるのだ。 た

え? 自由の女神はエリス島にない?

「マンデラエフェクト」でよく挙げられる例証の中では、懐かしの寺内貫太郎役・小林亜星さんが私の中では確か二度亡くなっている記憶がアリですね。 「よろずのこと、みなもって、そらごとたわごと、まことあることなきに」 ──親鸞『真宗聖典』

【立ち入り禁止】硫黄島に行ってきた

といっても、観光ではない。 ご存じのように、立ち入り禁止の島だ。 行きたくても行けない島だ。 だから、どうしても行きたい向きは(わざわざ薄給覚悟で)島で唯一の食堂の従業員を買って出てまでしておもむく島だ。 今年の一月。 約一週間にわたり、仕事のご縁で、この島に滞在することができた。 いささか旧聞になってしまうが、私はこの島について紀行文を書く気になれなかった。 というよりも、この島がそれを拒絶する。 だから、あくまでも寸感を記すのにとどめたい。 NHKの天気予報で

「反対の反対は賛成なのだ」

おじいちゃんとあそぼう!【知育あそび】その1:パズルあそび さあみんな、元気かな? トレパン姿も目にまぶしい体操のおじいさん、爺だよ! みんなは、パズル遊びは好きかな? え? 好きなの? そうだね。 「福笑い」なんかもパズルかもね。 よかった。 では早速行くよ! みんな、アルファベットは言えるかな? え? 幼稚園でそんなのみんな言えるって? すごいなー じゃあ、かけ算九九は? えー? それも幼稚園で!! なに? 「ピカチュー九九で?」 よし、ならば簡単なゲームだ

「お前の話はつまらん!」

私は、というかおそらく私も、まずまじまじとTVを見るようなことはないが、それでも家人がかけている番組などが小耳に入ると、チラ見したりはする。 番組の間に挟まれるほとんどのCMは、耳障りなものだが、しかし時折その短い尺のなかに引き込まれるものもある。 昨今では「このろくでもない素晴らしき世界」のサントリーBOSSのCMは, その”うまさ”にうならされた。爾来最後まで見ることにしている。リアルでいてどこか別世界めく職人やらに交じって、仏頂面の「宇宙人ジョーンズ」というシュールな

アセンデッドマスターと焼き鳥屋で

「学問」とか「哲学」とか「宗教」とかになると、人は身構える。 なにか、余所行きの服に着替えなければならないと思う。 「神」とか「仏」とかになると、さらに洗面所で手を洗う。 それは、そのような滑稽な行為に及ぶわれわれが悪いわけではない。 もちろん発明者や発見者や開祖がうんぬんではない。 悪いといえば、後世その学理や哲理や教説をネタに、なんだかんだ難解で複雑な、権威主義的で、ヒエラルキー的なものとして換骨奪胎した学者やアカデミーやパリサイ人が悪いのだ。 事実、イエスはそうした

しろうるりをくらうるり 芋頭道の人

The 悠々人列伝─────────巻の一 盛親僧都 古今東西、独立独歩、世事にとらわれず超然として生きた男たちがいた。いや、女たちもいた(かもしれない)。 その強烈な個性は、世俗の目には通常滑稽に映ぜられることの方が多かった。 しかし、ひとたびことをなさんとするや、一大事を成し遂げ、世人はそれに瞠目せざるを得なかった。 一方、ご当人たちは、世間のそんな評価も「どこ吹く風」、平素の姿勢を決して崩そうとはしなかった。飄々乎として、しかもいっこくなその風体こそまことに痛快無比

「忙しい」の向こう側

この実生活から離れた事柄を考えている人、哲学的な問題に没頭している人などを見ると、多くの人たちはこう言う。 「私にも時間があったら、そういったことも勉強したいわよ」 「そんなことを考えていられるような身分に早くなりたいわ」 「あなたは幸せね、そんなことを考えてられるんだから」 「定年退職したら、そういうこともじっくりと勉強したいな」 「そんなことは暇人か金持ちがやることさ」 「あー、もっとゆとりがあったら俺だってそんなこともやるんだけどなあ」 「俺のような社畜にはそんなこと