見出し画像

普通ってなんやろ。

どうもとんです。

今日は久しぶりに小説を読んだので紹介したいと思います。

芥川賞を取った作品で、割とサクッと読めるし、文庫本も出ていて安く買えるのでGWに読んでみてください。


簡単なあらすじは
幼少期はいわゆる不思議な子して扱われていた主人公がコンビニで働き、コンビニで店員をしている時だけ世界の一部になっていることを感じながら、普通になっていく。しかし、新入りの男性との絡みによって、主人公はだんだんコンビニ店員としていられなくなるような感じです。


この作品を読んで、普通とは何かを考えさせられました。

主人公は自分の中ではとても合理的な判断をしたつもりなのに、周りが不思議がるため、徐々に周りに合わせていきます。

合理的な判断より、周りに合わせることがこの世界で生きていくには楽なことだと感じ、だんだん周りに馴染んでいきます。

作品の中で

その場にいる人と同じような感情になれば皆が喜ぶ。

この文章をみて、僕も同じようなことをしてきたと感じました。

周りに適応するために周りよりちょっぴり努力して、皆が喜ぶようなことを言って、自分の人生は他人を喜ばせるためにあるのだと思い込ませて生きてきました。

しかし、アイデンティティが芽生えた高校生ぐらいで、普通って何だろうと考えるようになりました。

多分学校の中における“普通”は

そのクラスの平均的な性格から逸脱しないことだと考えています。

これは個人的な意見ですが、いじめられている大半の人はそのクラスの平均的な性格から逸脱していると考えられます。

外向的な性格の人が多い中で、内向的な人がいると「何お前もじもじしてんだよ」と言われ、一方で内向的な性格の人が多い中で、外向的な人がいると、陰で悪口を言われたり無視されたりすることがあると思います。

もし自分の子どもがいじめられるようなことがあったら、親としてできるのは学校に変わってもらうことじゃなくて、環境を変えることをしたいなと思います。

環境が変われば、平均的な性格も変わるので、いじめられなくなる可能性が出てきます。

少し話は脱線しましたが、主人公は皆が不思議がる部分を消去しながら、周りに適応していきます。

人は自分とは違う生き物を見下し、差別する所があると思います。それ自体不思議なことではなく、そうしないと人間の世界から排除されてしまうため、生きていけないんです。

なので主人公は

皆の中にある『普通の人間』という架空の生き物を演じるんです。

とずっと無機質だった主人公が初めて感情を動かしたような発言をします。

僕を含めたほとんどの人が個性を殺して普通の人間を演じているんです。そうしないと生きていけないから。

そう思うと人間ってクソめんどくさいなと思いました。

学生時代は皆と同じであることを強要されるのに、就職面接では「あなたの自己アピールをしてください」といきなり個性を聞かれるので、めちゃくちゃです。

個性を出すと、人間世界から排除される。
普通でいると、人間世界に埋もれる。

この世界に自分という人間がいない以上、人間世界に埋もれた方が幸せなのかもしれません。

あまり上手くまとめられませんでしたが、自分の生き方を考えさせられる作品でした。

途中で出てくる白羽さんがだいぶウザくて腹立つのでおすすめです。

個性については過去に書いたものがあるので是非参考にしてみてください。

ついでに読んだ感想や質問をコメントに残しておくとアウトプットになるので是非お待ちしております。

ありがとうございました。


この記事が参加している募集

最後まで読んでくださりありがとうございます。サポートしてくれたお金は文献や著書、体験に注ぎ込みもっともっと面白い記事を書くために使わせていただきます。よろしくお願いいたします!