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連作 - 「星々の休日(140字小説)」に寄せて-
4月、twitterのこちらの企画に参加しました^^
雑誌『星々』春号(5月下旬発行)の制作に伴い「月々の星々」は4月の開催をお休みいたしますが、お休み中の企画として #星々の休日 を開催いたします。
— hoshiboshi (@hoshiboshi2020) March 31, 2022
【星々の休日とは】
140字小説コンテスト休止期間のお楽しみ企画です。
コンテストではないため賞はなく、雑誌『星々』への掲載もありません。 pic.twitter.com/PmBiDNXPuV
「月曜日のコレクション」
月曜、美術館の前まで行き、しまったと思った。休館日だ。
— あかる/トノネコZINE (@tononecoZine) April 3, 2022
扉の締まった建物を眺めながら、いつもの倍、静謐な感じがするなと思い、ため息が出た。
そのまま帰るのも癪なので、駅とは反対方向の公園へと足を運ぶ。
桜が散りはじめている。ふと前髪に花弁が落ちる。今日限りの私のコレクションだ。
「華金」
最近の趣味は「曜日集め」。
— あかる/トノネコZINE (@tononecoZine) April 8, 2022
もうだいたい揃って月曜もあとひと息。やつはうんとアンニュイだから誘い出すのに苦労した。さて残すは金曜だ。
金曜は浮かれすぎていつも出払っており、まったくどこにいるのやら尻尾が掴めない。噂では今夜あたり缶ビール片手に花見に表れるというがさあどうだろうか。
「日曜日午前0時」
日付けが変わる頃に待ち合わせしよう、その週の一等最初に。なんて君が言ったら、私は終電のことも考えず逢いに行くに決まってる。
— あかる/トノネコZINE (@tononecoZine) April 16, 2022
その瞬間に間に合うよう前のめりで電車に乗る。こんな時間の上り電車に乗っている人は少なくて、まるで別の星の住人のよう。真夜中の蛍光灯に照らされ私の胸は高鳴る。
「夢みる木曜日」
櫻の木の下には何が埋まっているのだっけ?
— あかる/トノネコZINE (@tononecoZine) April 21, 2022
…いいえそんな、屍体とかじゃなくて、今はもっと途方もない夢の話をしたいのです。
たとえばそこにはタイムカプセルが埋まっていて、中には未来の朝焼けが詰まっているだとか。もしそれを食べたなら銀河になれるだとか。もしくは森のこぐまになれるとか。
「水曜日のネイル」
憧れのあの子のネイル、今日は透き通った水色。
— あかる/トノネコZINE (@tononecoZine) April 27, 2022
まるで印象派の陽の光を映す水面みたいな、あるいは想像の中のソーダ水みたいな、とびきり爽やかな指先。
クラスメートの彼女はおしゃれで可愛くてキラキラしていて、いつもわたしは浮ついてしまう。でも今日はきっと話しかけてみる。
140字小説初挑戦でしたが、とっつきやすく、お題もちょうどよい具合にイマジネーションを広げてくれるもので、とても楽しく創作することができました◎
主催の方、読んでくださった方々、ありがとうございました!!
■折本データをこちらで配布しています^^
この連作に「Sleepy Starly -眠たい星空-」とタイトルをつけ、折本の体裁でまとめています。