育休復帰前のパパママへ。働くハハ10年の私が贈る生産性を高める料理本たち
ふと思いついて、天狼院書店のリーディング&ライティング講座を受けてみました。
そこで、こんな記事書きました。
こちらにもアーカイブ。もっと紹介したい料理本あったのですが、まずとっておきを2冊。 天狼院のサイトではできなかった、本へのリンクも追加しました!
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育休復帰前のパパママへ。働くハハ10年の私が贈る生産性を高める料理本たち
7年前の2月。私は不安でいっぱいだった。
4月、育休から復帰する。丸1年以上続いた育休中は、まだ言葉もしゃべれぬ子どもと、意志はもつがまだまだ幼い3歳児と日々を過ごし、何を食べてくれるかわからないながら必死で食事を用意し……、という日々だった。毎日疲れ果てていた。ここに仕事が加わるのである。帰宅したら保育園帰りでお腹を空いた子どもたちをなだめながら手早く夕食をつくらねばならなくなる。どうなるんだろう……不安しかない。
10年たった今。塾に行く子どものために、塾前の軽食をつくって送り出し、塾後の夜食も気軽につくれるようになった。
そんな私を助け、成長させてくれたのは、数々の料理本だった。
軽い言葉で彩られた時短料理本、つくりおき本は、ちょっとわざとらしくて嫌いだった。つくっておいておけば楽、だけれど、おいておくためにいっぱいつくるのは大変なのが目に見えている。
そんなとき、助けてくれたのが、田内しょうこさんの『1日5分の「先取り習慣」で、かんたん、おいしい。 時短料理のきほん』(草思社)だった。クリーム色の少しざらつくカバー、紺の明朝系文字のちょっと昔っぽい表紙。見ているだけで心が落ち着く。
目次も、ビジネスパーソンの心をくすぐる
“台所仕事を見直し、時間価値を高めよう。”
“素材の扱いを知って、調理時間を短縮する”
価値を高める、イシューを見つけて課題を解決する。料理本とは思えない言葉遣い。
実際の内容も、ついでにやっておけばいいことで効率化が図れることばかりだった。
肉は倍量炒めておく。そうしてつくった鶏そぼろは、朝ごはんのお供に、お弁当のおかずに、かぶのあんかけの仕上げに。
切る、下味、加熱、味つけ、保存の5段階に料理を分けて、ついでに切るだけ、ついでに下味、夕食前は加熱して味付け、倍量つくるから保存もできる。
1つひとつは特別なことではないのに、そうやって考えて日々料理をしているうちに、気づけば、息をするように料理の段取りがよくなっていた。
さらに、きちんと塩、砂糖、しょうゆといった飾り気のない調味料で下味のついた肉や野菜は美味しい。素材の味が生きている。子どもたちもよく食べる。
そうこうしているうちに、ベテラン主婦、もとい、スーパー主婦と呼ばれる足立洋子さんの『スーパー主婦・足立さんのお助けレシピ かんたんがおいしい!』(新潮社)に出会った。
スーパー主婦とは、NHKの朝の人気番組「あさイチ」から生まれた言葉だ。羽仁もと子さん創刊の『婦人之友』の愛読者=主婦の方々の集まりだった「友の会」の会員のなかでも、特に家庭経営スキルの高い方を指すという。
足立洋子さんは料理のスーパー主婦。
彼女が提唱するのが、「ベース菜」。おかずの基=ベースになるものをつくっておいて、それを展開させるというもの。
例えば「チキンライスの素」。たまねぎとひき肉を炒めてケチャップ等々で味付けしたものをつくっておく。ごはんと混ぜれば、あっという間にチキンライス。卵を焼いてのせればオムライス、ホワイトソースとチーズを載せてトースターで焼けばドリアに。子どもたちも大好きで、かんたんで、すっかりオムライスは我が家の時短料理である。
ひき肉の炒めかたも秀逸で、まずフライパンに肉を入れ、火をつけてほうっておく。素材の味が生きて、旨味がでて楽な方法だという。
これと、田内さんの肉は倍量炒める、を実践すると、ほうっておくのに、ひき肉料理が保存分までできるという、ミラクルが起こる。
そして、足立さんも田内さんも、自分なりの調味料、しかも、しょうゆ、みりん、砂糖といったどの家庭でもあるものを混ぜたものをつくっておき、それを展開する。
例えば、しょうゆとみりんで、てりやきのタレ。にんにくとしょうゆでにんにくじょうゆ。肉を焼くとき、野菜を炒めるときに使うと、素材の味と混ざり合って、同じ調味料なのに、ミラクルな変化が訪れる。市販の調味料の主張の強さでは、なし得ない変化だ。
足立さんがあさイチに出演されていたとき、ある家庭に出向き、この自分なりの調味料(味の型紙、と命名されていた)を使った料理をふるまっていた。この家庭は、市販のタレでつくる美味しいはずの料理に対して子どもたちがイヤな顔をするという。ところが、味の型紙で調理した肉を食べた小学生の男の子たちが、美味しい! 美味しい! と目を輝かせていた。この光景は、何年もたった今も忘れられない。
我が家でもまさに同じことが起こっている。小学生になった子どもたち、同じ自家製調味料で味付けした、肉、野菜を美味しく食べ、すくすくと育っている。そして、同じ調味料で効率化した味付けで、私の調理もますます時短が進む。
最近では、自動調理器「ホットクック」という、より素材の味を無水で引き出してくれる、しかも放置しておくだけという味方も得た。もちろん味付けは、自分なりに気づけば生み出していた味の型紙。
こうして、私の料理はさらに時短、もしくは“ながら”(テレワークでミーティングしながらでも)で、より効率化されている。
不安でいっぱいの育休復帰前のママたち、パパたち。
料理もイシューを見つけて、課題解決していけば、価値は上がり、効率化され、生産性があがっていく。忙しくも、とても楽しい毎日が待っていますよ!