満月
私が住んでいる国だけの話じゃなく
世界中の同じタイミングで
“止まる”ことを余儀なくされたこの2年弱
いろいろなことを考え
そして、感じた
生活の真横で
大切なものが
音もなく壊れ
普通があっけなく
奪われていくような気がした
見える人には見え
見えない人には見えない
忍び寄る分断に
恐くて涙が止まらなかった
不安、恐怖、憤り、失望、思考停止…
守りたい心さえも凶器になり
非常が平常になるなかで
それでも
今、頭にあるのは
この恋の行方だったりする
これから何年か、何十年か経ったとき
今起きていることは悲劇として
歴史に名を残すだろう
この大きな揺らぎの中で
私たちがどんなことを考えていたのか
不安の中にどんな希望を見ていたのか
非常の中にどれほどの喜びが溢れていたのか
恋をして、愛を育み
どれだけの小さな命が産声を上げたのか
できれば
悲しみだけじゃない
人としての営みがあったことを残したい
ある人は音で
ある人は色で
わたしはことばで
できるならば
表現を止めないでいただきたい
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