年中休業うつらうつら日記(2024年9月28日~10月4日)
24年9月28日
昨夜の金曜ZOOM会でマンガの話をしていたら、ちょうど少女マンガ研究を趣味とするHくんが現れた。
しかも、年末に出るマンガランキング本に推薦するマンガを選んでいるところだと言う。
「で、今、何がおススメ?」と聞いたが、あいかわらずはかばかしい答えは返ってこなかった。
何しろこの人は、去年末次由紀の「ちはやふる」全50巻が完結した時に、
「少女マンガ研究者を自称するなら、少なくともこれぐらいは読んでいるんでしょう?」と聞いたら、
「いや、読んでません。だいたいわかりますから」と言ってのけた男だ。
ちょうど今、せいうちくんが読み始めていて、1巻から「これはすごい!」と大泣きして感動してたので、「これを読まずに『中身はだいたいわかる』と言ってしまうHくんの姿勢に疑問を持つ」という話をしていたところなのだ。
選考作品をまだ言えないのは仕方ないとして、「最近、何読んでます?」「個人的なおススメは?」といくら聞いても、
「いやー、いろいろ読まなきゃとは思ってるんですけど」「もっと勉強しなきゃとは思ってますが、少女マンガ雑誌を最近読んでないので」と歯切れが悪い。
挙句に「24年組が出てきた頃」の話を始めた。
いや、イマイマの少女マンガについて聞きたいんだってば。
私はあまりジャンル問わずに、面白いと聞けば何でも読む雑食のマンガ好きだが、少女マンガにはかなり疎い。
そもそも何を以って「少女マンガ」と呼ぶかと問えば、掲載誌や作者の性別、主人公の性別に負うところが大きいそうだ。
そう言われれば萩尾望都の「ポーの一族」と田村由美の「ミステリと言う勿れ」、吉田秋生の「詩歌川百景」の掲載いかんによって「月刊フラワーズ」を買ったり買わなかったり程度の私はあまり少女マンガを読んでいないことになるだろう。
これはこれで、雑誌を重んじるSくんから、「好きな連載が休みだったら買わない、という姿勢はどうかと思う。雑誌そのものを買い支える姿勢がなければ絶えて行ってしまう」と叱られた。コミックスになれば買う上に、雑誌掲載時から買ってるってのは私にとっては破格の扱いなのだが。(今月号は西炯子の新連載が始まったので買った)
それでもよしながふみが好きだったり蒼井まもるの「あの子の子ども」を買い続けていたり、おかざき真理やいくえみ綾の新巻を心待ちにしているんだから、少しは興味を持って聞く資格もあろう。
「いくえみ綾の『1日2回』は新しい幼なじみモノとして非常にいい試みだと思うんだけど」と言ってみたが、
「ああ、いくえみ綾も読まなきゃですね」と言われるのみで追っかけてはいないようで、そうそう、「あや」ではなく「りょう」と読むのだと初めて教えてもらったよ。
それだけはためになったかな。
「『ちはやふる』も、アプリで無料で読めるようになったら読もうとは思ってるんですが」と言われると、「漫喫に行って、読め!」と言いたくなる。
結局、草原うみの「mothers」がいい、としか聞き出せなかった。
それは私が検討し、マンガとしては値が張りすぎるという理由でペンディングしている作品集だった。
今、「ココハナ」や「花とゆめ」でどういう連載に注目すべきかの新しい知見を得たかったが、雑誌派をうたいながらも「買わなくちゃなんですけど、サボってます」と言われればどうしようもない。
その状態で彼がランキング本に出してくる推薦作に興味がある。
去年は「皆さん、最近何読んでます?」とFBで聞かれ、大真面目にあれこれ並べたら見事にそこらを避けた作品群を紹介してきたからなぁ。
他人が読んでない作品を「読んでます」と言いたい気持ちはわかるが、逆アンケート取られるとは思ってなかった。
マンガの話を思いきりしたいだけの私は、とりあえず参加してる皆さんに最近読んだ山口貴由の「シグルイ」全15巻と「衛府の七忍」全10巻と「劇光仮面」既刊5巻が面白かった話をする。
興味を持ってくれたUくんが「シグルイ」はどんな話なのか、と聞いてくれたが、その次に読んだ「衛府の七忍」で内容の記憶がすっかりかき消されていたので、「とにかくはらわたが出ます。『衛府の七忍』になると、はらわたが出たので負けたか!と思った方が勝ったりして驚きます。瞬間装着の鎧兜が出てきて空を飛んだりする『衛府』とアクタースーツマニアを描いた『劇光仮面』は特撮好きにはお好みかも。ただし『劇光仮面』でははらわたは出ませんが」と、はらわたの話に終始してしまった。
メモまで取って聞いてくれたUくん、ありがとう。
「シグルイ」は南條範夫の時代小説「駿河城御前試合」が原作のようなので、そちらもどうぞ。
勉強家ってのはこういう人を言うんだなぁ。
Hくん、ちと見習うがいい。
そこから快調にミステリの話に移り、ひとしきり島田荘司の新作がイマイチだった、久々に御手洗くんが出てくるので期待して買ったが、石岡くん推しの人は彼の出演はないので買ってもしょうがない、と語ったらミステリマニアのUくんが「石岡さん、死んじゃったんですか?!」と驚く。
いや、舞台が御手洗潔の生活圏であるスウェーデンに移ったので、ワトソン役も外国人のジャーナリストになっただけ。
石岡くんは今も横浜で細々と御手洗潔の事件を整理して書いている設定なんだろう。
そのへんで眠くなったので落ちたが、せいうちくんはめずらしくしばらく続けていた。
「ちはやふる」の感動を伝えたかったのかもしれない。
私も伝えたいよ。
ついでに立原あゆみのヤクザもの「JINGI-仁義-」を「麦ちゃんのヰタ・セクスアリス」と比較して題材の落差を嘆いたのは間違ってた。
続編の「JINGIS」を読んでいるが、こちらはこちらで繊細なロマンである。
ヤクザ界にも純情を持ち込める立原あゆみのロマンを甘く見ていた。
しかしやっぱり登場人物と人間関係がややこしすぎてさっぱり覚えきれない。
覚えきれないと言えば、志村貴子の「淡島百景」が全5巻で完結した。
たぶん宝塚がモデルの音楽学校の話で、順不同のオムニバス形式で登場人物が多く、世代も行ったり来たりするので、人物相関図でも書かないと理解できない気がする。
志村貴子ファンのHくんが「あれは若菜ちゃんを中心に考えるとわかりやすくなります」と教えてくれたのはありがたかった。
寝不足なので睡眠薬を多めにしたら、明け方から見事に16時まで寝ていた。
せいうちくんは昼頃起きて買い物に行き、書類整理をしていたものとみえる。
娘関係やら私関係やらで手続きの書類が多い家なのと、スマホを格安SIMに替えたところ圏外になってしまうことが多いので、もうちょっとつながりやすいプロバイダを探してくれているらしい。
あと、夫婦で同じプロバイダなのはリスク分散としてなってないんだそうだ。
素直に反省し、少なくとも片方は別の格安SIMに再変更しよう。
せいうちくん、おまかせしちゃってごめん!
夜は行きがかり上「14日間無料視聴」に入ってしまったWOWOW+で期限内にモトを取るため、山崎豊子原作の「華麗なる一族」を観始めた。
全11話のようだ。
けっこう時間がかかりそう。
前に長男がキムタクだったバージョンを観た時はお父さんの万俵大介は北大路欣也がやっていたが、今回は向井理が長男の鉄平、お父さんは中井貴一というたいそう線の細い作品になりそうな予感のするキャスティング。
こころなしか万俵家の富豪感もやや薄い気がするよ。
第6話ぐらいまで観たところで今日はおしまい。
浅草で舞台の本番に入っている息子、昨日は浅草に住んでるコント仲間の部屋に泊めてもらったようで帰らないと言っていたので、今日は存在をすっかり忘れていた。
23時半ごろいきなり帰ってきて驚いたが、よく考えたら今日は帰ってくる予定だったんだよね。
週末の妙なのびのび感はそのせいであったか。
冷蔵庫に「がめ煮」と「肉豆腐」の残りぐらいしかないせいか、風呂に入ったと思ったら寝てしまった。
たいそうお疲れのようだ。
26日の木曜から始まり、月曜が千秋楽で昼夜公演だそうだからそりゃ疲れるだろう。
ゆっくり寝て。
24年9月29日
不覚なことに、我々が昼頃起きたら息子はもう出かけたあとだった。
朝食を食べた痕跡がないのは慌てていたからなのか粗末なおかずしか残ってないことへの無言の抗議か。
せいうちくんは夕食の水餃子を作りつつ、息子用にカレーとぶり大根とチャーハンを作って大きなタッパー3つに収めたんだが、息子からは夜遅くになって「連絡遅くなってごめん。今日もこっちに泊まる。いろいろあったけど無事に終われそう。帰ったら話そう」と連絡を寄こして今夜も不在だ。
1日中「華麗なる一族」を観ていた。
どうしてどうして、向井理の万俵鉄平は次第に表情に力強さを増し、小狡く立ち回る中井貴一の万俵大介もその緻密な意地悪さで息子を追い詰めるさまに迫力が出てきた。
残念なのは真実が明らかになったラストでの中井貴一の慟哭シーンが少なすぎたことだった。
一夜にして白髪になるほどのショックを受けてほしいものだ。
息子の死後もしれっとして事業を推し進める中井貴一の足元にもまた、権謀術数の暗い穴が待ち受けていることだけを示唆して、全話終了。
1974年、2006年、2024年にドラマ化されているので、ほぼ20年の間を置きながら3作を観てきたことになる。
1974年版を観たのは実際にはもう少し後だった気がする。(15歳が観るようなドラマではないだろう)
せいうちくんは、
「時代が右肩上がりだった過去の作品に比べて、そういった希望的な熱量が少なくなった。むしろ政治に取り込まれていく銀行や企業のはかなさを描いている」と言う。
しかしそれは、我々がすでにその時代を生きて見てきてしまったからで、結論を知っている今、たとえ描かれていても熱量を信じる気にはなれないだろう。
それに学生だった頃、会社員になって15年後、そして今の定年間近の立場からすれば事態は違って見えて当然。
ずっと社会に参加せず時代の流れに押され流されてきた私の岡目八目には自信があるぞ。
「それにしても最近は富豪感を出すのが難しいねー。貧富の差、というより収入格差になり、テレビでドラマを観る程度の層は家が狭かろうが貯金が少なかろうが、昔に比べればそこそこの生活を享受してるんだから。『雲の上の人たち』とは思うけど、同じ人間なのは理解できるようになったからねぇ」というのが私の意見。
政府の金融再編の思惑をいち早くかぎつけた都市銀行頭取の万俵大介は、業界最初の銀行合併の野望を持ち、上位銀行の「生え抜き」役員たちが日銀からの天下り落下傘部隊に頭取や副頭取のポストを取られてしまうのに怒りを抱いているのを利用し、クーデターを起こさせて「小が大を呑む合併」を計画、実行する。
「そんなにみんな、トップに立ちたいものなの?息子がお笑いの道に入った時、まわりから一様に『ブレイクするといいね』『早くTVに出られるといいね』と言われるのに辟易して、『彼はそういうのは目指してないみたい。サラリーマンになったからって、「早く社長になるといいね」とは言わないでしょ?』と返してたんだけど、実は間違った例えだったのかな。ひとたび組織に入ったら、全員がトップを目指すものなの?」とせいうちくんに聞いたら、
「そういう人がいないとは言わないよ。それぞれだからね。ただ、社員数万人、同期だけでも数百人いるような状態で全員が社長になれるわけじゃない」という答えだった。
万俵さんたち見てると、登り詰めるには相当な資質と努力が必要そうだし、島耕作じゃあるまいし、そううまくはいかんだろう。
そもそも落下傘で頭取が降りてくるなら、それはもう長年の風習だろうからそこにそんなに怨嗟を感じるもんかね。
男女雇用機会均等法以前に入社し、7年しか働いてないいち女性が言っても何の説得力もないんだが、だからこそ、特に旧弊な男性たちの出世争いは「くたびれるだろうなぁ、ご苦労さん」という感想しか出てこない。
買うなり落っことして前面ガラスが割れてしまったiPad Pro 13をAppleケアで宅配交換してもらう準備として、データの保全と移行の練習をする。
現在使ってない古いiPadで充分用が足りた。
データを全消去したiPadを置いて、「近くのiPadとつながる」よう操作すると中央の白い丸が発生し、中に青いもやもやが漂っている。
これを元データの入ったiPad Pro 13のカメラで捉えると、2つのデバイスがつながってデータ移行ができるようになる。
完全に成功するまでには、ずっとほっといたiPadのOSをアップデートするとか元デバイスから大量のマンガデータを削除するとかの作業が発生したけど、なんとか無事終了。
あとはAppleさんに料金を支払う手続きをすれば実働日3~5日で新品が届くそうだ。
買った時に入れてもらった刻印はなくなってしまうし、それなりの料金が発生するけどそこはガマンだ。
iCloudを使おうか、PCにいったんデータを移そうかなどいろいろ考えたんだが、結局一番単純なやり方で終われた。
最近のデバイスはすごいなぁ。
512ギガのメモリに入れられるだけぎっちり入れていたマンガのタイトルは、スクショ撮っといたからあとでぽちぽち戻そう。
「この際、新しく読みたいものを選んだらいいのに」と言われても、最新巻が出たものを1巻から全部とか、ふと読みたいと思ったマンガ家さんの全作いっぺんにとか、やたらに長編に挑戦したいとか、いろんな動機があるので、そこはまず達成しておきたい。
なのでとりあえずデータ全消去は配送の日まで待って、覚えているいくつかを入れてある状態。
それでも軽く200冊は入ってるので、いったい新品到着までの実働5日、つまり今週中でどれぐらい読めると思っているのか、自分よ。
いやー、芥見下々の「呪術廻戦」28巻が10月4日に出て、29、30巻が12月25日に同時発売になって終了、と聞いているので、今、1巻から読み始めて28巻を迎える準備をするか、すべてが終わった12月25日に照準を当てて読み始めるべきか、迷っている。
少なくとももう7、8回は通読しているが、いまだによくわからない部分が多い。
しかし逆にとっかかりが次第に見えてきて、あの世界観を飲み込めるようにもなってきているので、読み返しは多いほどいいかもしれない。
よし、今から10月4日まで、1~27巻を読もう!
あんまり間が近いとさすがに飽きるが、2カ月あれば忘れてしまうだろう、私は。
大河ドラマ「光る君へ」ではあいかわらず道長があれこれやらかしていて、しかも本人は自覚がないらしい。
左大臣らしからぬ脇の甘さではあるが、元々宮中での駆け引きには興味がない人だからしょうがない。
先週の予告編からずっと楽しみにしていた藤式部と少納言のガチンコ対決は、終わり近くに少納言が訪ねてきて「あなたの書いた物語を読みました」と言うところでタイムアップ。
本チャンは次週である。
こういう予告編サギには幾度も遭っているが、やはり頭を反り返らせて呻いてしまった。
思いがけず息子が帰らない夜はやはりのんびりしてて、でもちょっと寂しくて、日頃は明け方就寝なのに1時ぐらいには寝入ってしまった。
なぜか疲れている。
24年9月30日
もう明日から10月か。早いもんだ。
やっと秋が来た。涼しくて身体が楽だ。
それでも水餃子食べたら汗がだらだら流れてきて首筋から肩や足にぽたぽたとしたたり落ち、食べ終わったら速攻で水風呂に飛び込んでいる。
「真夏」と「真冬」はあるけど、「真春」と「真秋」はないよね。不思議だ。
春や秋は、夏と冬に比べて捉えどころのない、「ここがど真ん中!」と突けるようなものではないのだろうか。
春の予感
夏の到来
秋の気配
冬の足音
という言い方を何かで読んだが、確かにそう表現することが多い気がする。
今は「秋の気配」なわけだが、最近の秋は非常に唐突に、足音荒く乱入してくる傾向があるね。
「残暑」を感じる間もなく「真夏」からいきなりの「秋」のうっちゃりを受け、半袖Tシャツと短パンが急にいらなく思えつつも衣替えを面倒くさがってる間に風邪をひく。
ここ数年、季節の移りはそういう感じになってきた。
息子が10月7~9日にキャラバンを使いたいと言っていた。
尾瀬にいる妻に会いに行きたいらしい。
しかし今はGくんが10月10日までの予定未定車中泊に出ているため、都合がつかないので断った。
ところが出発後すぐに路上の釘を踏んでタイヤをパンクさせてしまったGくんはロードサービスを呼んでとりあえずの解決を見たものの、懸案だったオールシーズンタイヤに替えることも考えて早めに帰るかもしれないと言う。
タイヤの件はこちらで引き受けるから、早めに帰るなら息子に使わせてやってくれないかとメッセージで頼んだら、「どうせわしは迷いに迷って決められないだろうから、そちらでやってくれるならありがたい。予定通り早く帰って、車を空ける」と言ってくれた。
息子にその旨伝えたら「あら!」と喜んでいた。
せいうちくんはさっそく近所のタイヤ専門店に7日にタイヤ交換の予約を取り、手はずを整えた。
7日に車を引き取りにGくんちまで行き、帰りにタイヤ交換をして、夜に出発したいと言う息子に車中泊の指南をして送り出す予定。
上手く話が進んでよかった。
今夜はピザにして、WOWOWでクリスティの「ねじれた家」を観る。
どうも昔に観たことがある気もするが、全然覚えてないので無問題だ。
ポワロでもミス・マープルでもない映画だった。
このあとは日本ドラマの「沈まぬ太陽」全20話を観る予定。こちらも山崎豊子だ。
待ちに待った森薫の「乙嫁語り」最新15巻が11月下旬に出るのを知って、さっそくAmazonで予約。
筆の遅い、しかしそれも仕方ないと思える作者なので、楽しみでならない。
0時を回った頃、浅草での楽日を終えた息子が帰ってきた。
とても疲れた様子だが、先日までの熱に浮かされ昂った風情は消えていて、安らかにくたびれて満足そうだった。
今日はもう遅いので、明日、話そうと言っていた。
いろいろあったのをしゃべってくれそうだ。
金曜には娘の面会にも一緒に行くそうだ。
やっとコロナによる面会制限が少しゆるみ、一度に4人までの面会が可能になったので、息子も一緒に行きたいって。
久しぶりにお姉ちゃんに会って、手を握ってお話を聞いてもらうといいよ。
24年10月1日
昼近くになって起きてきた息子。
昨日までの5日間演劇公演でずいぶん疲れていたのだろう。
「図書館に行ってついでにごはん食べない?」と誘ってみた。
「うん、行く。すぐ出られるよ」と言ってからシャワーを浴びるのはなぜ?
身体を動かすために散歩で行こうと思ってたのだが、今日は下北沢のお店に行くので自転車で出かけたいらしい。
自転車押した人と歩くのも大変なので私も自転車で行くことにした。
もう13時過ぎていて自転車置き場がいっぱいなので他に停めに行ったぐらいで、カフェテリアもさぞ混んでるだろうと思ったら、待ちの行列はできてなくってカウンタ席が2つ並んで空いていて、すぐに座ることができた。
しかもわりと常に周りを見ている息子はすぐそばのテーブル席が空いたのを見て取り、
「こちらのテーブル席に移ってもいいですか?」とスタッフに聞いてくれ、向かい合って食事することができた。
私はいつものパンケーキ2枚にアイスコーヒーをつけて、息子もいつものタイカレーをライス大盛りでホットコーヒーつけてもらった。
演劇の話をするほど砕けた雰囲気でもないのでそれはまた後日聞こうと、「(妻の)Mちゃんに会えなくて寂しい?」
「うん、寂しいね」
「今、うちに居候しててなんか不便はない?」といった世間話をしていた。
あとは山口貴由が面白かったとか呪術廻戦はもう連載終了で年内に最終巻とその前が2巻同時発売になるようだ、とか、マンガの話ばっかり。
ひとつだけ重要な話と思われたのは、
「お母さんたちの若い頃って、やっぱりもっと夢があるっていうか、世の中が未来に向かって明るく見えた?」という問いだった。
30年以上かけてショボくなってきたからねぇ。
それでも私が言えることは自分の生活実感だけしかない。
「早く自分で食い扶持を稼ぎたいって夢以外は持ってなかったから、新卒でとりあえず会社に入ろうとは思ったよ。でも、男女雇用機会均等法前だったから、ずっとそこで働くってイメージもなかった。
実際、母さんが体調を崩して辞める頃には同期の大卒女子はほとんど転職してたね。当時は『派遣』がかなり人気があって、なんらかスキルがあるならそれで縛りの少ない生活が続けられると思ってた。母さんは再就職しようとしたことがないからどのくらい難しいのかわからないけど、だんだん『何をしてもそこそこ生活できる』って雰囲気ではなくなっていった気がする。いずれにせよ、何かのスキルは持ってた方がいいね。
翻訳家になりたいとは思ってて、何度かチャンスはあったと思うけど、あいにく妊娠2回とも切迫流産で1か月ぐらい寝たきりを余儀なくされたから締め切り伸ばしてもらったり、とどめに師匠ができて仕事もらい始めたら娘ちゃんが生まれてね。『こういう事情で続けられません』ってお礼とお断りを言ったら、まだ大して役にも立ってなかった弟子なのに高価そうなベビー服を贈ってくれたよ。気持ちがありがたかった。あなたよりはずっと安全サイドで人生考えてたとは思うから、あなたとMちゃんのやる気と勇気には感心してる。世の中がどうでも、絶対安全な進路なんてないから、後悔のないようにだけ気をつけて生きていってほしいな」と長々と語ってしまった。
息子の質問の答えになっていたかもよくわからない。
カレーをぺろりと食べ終わった彼は、「ハンバーグも注文していい?」と聞いてきて、「どうぞ、好きなだけ食べて」と答えたらカウンタに注文しに行った。
運ばれてきたプレートを見てちょっとのけぞって驚いてしまった。
なんとなくハンバーグ単品だと思い込んでたが、ライスもついた完全な定食で、つまり彼はいっぺんに2食分食べたわけだ。(しかも片方はライス大盛り)
確かに「女子供向け」でそう量が多いわけじゃないが、30歳過ぎて一体どんだけ食べるんだ、この人は。
気をつけないと、代謝が落ちてくる頃だからあっという間に太るぞ。
せいうちくんが体重を嘆きながらもスリムに見えるせいで、太った息子はあまり見たくない。
息子が興味ある本があったら借りればいいと思ってせいうちくんのカード借りてきたけど、
「今は読む本あるから」と言われたので、本来の目的である私の予約本を借りておしまい。
息子とはその前に別れた。
でも、駅向こうの業務スーパーの前に停めた自転車のところで出発する彼と再会してしまったんだが。
最近はずっとせいうちくんが買い物してくれているので、出がけに冷蔵庫はひととおり見てきて、私が食べたい水餃子の材料と春巻きの皮だけ買った。
白菜はなくなりかけてたから買おう、こないだ小さめの餃子皮2袋50枚では2人とも物足りなかったので今回は大判20枚入りを3つ、60個分買おう、って感じ。
ついでにコンビニでタバコも仕入れていこう。
帰ったら、リモート会議ではないけど仕事中のせいうちくんが喜んでくれた。
「餃子に入れる白菜がなくなりかけてるのをきちんと把握して行ったか。キミたちはそういうとこ、ホントによく気がついて似てるね」と言うのは、息子と私の基本的な頭の働きが似ていると思っているかららしい。
いやぁ、あんなに明日を憂えず出たとこ勝負なのはあなたに似たんだよ、としばし遺伝子議論。
そのあと夕方からWOWOW+の無料期間が切れるまでに、と同じく山崎豊子の「沈まぬ太陽」全20話を観始める。
しかし話はついつい「華麗なる一族」の方へ。
「自分の子じゃないかもしれないからって、あそこまで追い詰めるかねぇ。何かあったかどうかわからないんだし、おじいちゃんと孫が妙に似てるってよくあるじゃん。息子だって、私に似てると言うより、彼と私が私の父の性格や考え方をよく受け継いでいるって思うだけだよ」みたいな。
「俺は20年早く生まれ過ぎた」が口癖だった父親の合理性や物事をよく観察している点は、確実に子孫に受け継がれている。
せいうちくんも、笑っちゃうぐらい父親の精神の働きを含めた肉体的な類似が多く、ある意味ではコピーのようだ。
その器に母親の思考法や人生観が遺伝か刷り込みかわからないけどしっかりと注ぎ込まれているので、非常に面白い出来上がりの人物になっている。
DNAの不思議はいろんなことを納得させたりあきらめさせたり、まああちこちで役に立っていると思うよ。
せいうちくんの「よく考えずに動く悪習」が決して直らなくても、「万事に早飲み込みでつんのめってるお義母さんそっくりだなぁ」と思うと深々と腑に落ちるもんね。
24年10月2日
いよいよ「呪術廻戦」残り3巻発売の最初をあさってに控え、「0巻」から読み返す作業に入る。
狗巻くんがお気に入り。
間に時々山崎豊子の「華麗なる一族」原作で休憩を入れながら一心不乱に読んでいる。
ドラマの「沈まぬ太陽」もなかなか面白い。
少なくともせいうちくんは夢中で観てる。
航空会社で「組合」の幹事長をやり、総理の乗る飛行機を出発させないストを行ったため「アカ」認定され、カラチからテヘラン、そして支社も何もないナイロビへ10年間たらいまわしにされた社員が、国会にまで届く問題になってやっと帰ってこられたと思ったら、御巣鷹山の墜落事故。
これでまだ12話ぐらいなんだから、あと8話は何をやるつもりなんだろう。
御巣鷹山の慰霊碑にを訪ねて手を合わせてきたことがある。
何とも言えない気分だった。
さて、息子夫妻は10月19日にMちゃんが奉公を終えて帰ってきたら一緒にどこか住処を見つけるものだと思っていた。
しかし息子が突然言い出すのは、
「Mちゃんは長野が気に入っていて、そっちで暮らしたいって言うんだ」
「あなたは、今、東京、特に下北沢を離れるのは惜しいでしょう。せっかく人脈も広がって次々ライブの企画も立ててるのに」
「そうなんだ。そこは今度ゆっくりMちゃんと話し合うけどね。僕としては東京をあまり離れるのはちょっと…でも、2人とも『やっぱり一緒にいたいね』って気持ちはおんなじなんだ」
泣かせる、しかし真剣な話じゃないか。
最終的に結論が出るのが12月頃になりそうだ、とのことで、それまで身の回りのものしか持ってない彼らはどこでどう暮らすのか。
「Mちゃんがガマンできるなら、1、2カ月うちにいてくれてもいいよ。どうせ我々も正月休み含めてけっこう車中泊に行っちゃうし」とせいうちくんに言ったら、
「キミは自分にできることとできないことがわかってない。おまけに、できる、ないしはできなきゃいけない、と思うとやり通してしまう。そして倒れる。僕としては無理はしてほしくないし、彼らの無責任と自由な生活は2人で背負っていくべきだと思う」としごくもっともな意見が返ってきた。
「息子とMちゃんと暮らすなんて、もう一生ないと思うから、やれる機会があったらやってみたい」と抗弁しても、
「そもそも彼らの計画をいちいち真に受けて対策を考えるのがいけない。1回1回それで消耗するキミを、もう見たくないんだよ。息子たちのことはほどほどに遠くから見守るだけにしようよ」と説かれている最中。
明日の晩、久々にまともな時間に帰ってきそうなので、もう少し話してみよう。
確かにフリーダムな人たちだよなぁ…
24年10月3日
せいうちくんが出社だったので、私も少し生産的なことをしようと4カ月ぐらいほっぽらかしていた家計簿をつけようと試みる。
レシートだけはいちおう各月の上旬、中旬、下旬に分けてクリップでまとめてあるからあとはただ家計簿に費目別に記入し、それをExcelで作った1年家計簿に転記するだけなんだ。
幸い4月と5月は記入だけはしてあったので、計算漏れのレシート分を足し、銀行明細とAmazonの履歴をつき合わせた結果を書くだけだった。
かなりいろんなものを買っているので、箱買いしている野菜ジュースやコーヒーを「嗜好品」の欄に記入し、衛生用品とか雑々した買い物を「医療・衛生」か「住居・備品」に振り分け(271円の「一筆箋」までAmazonで買うせいうちくん、迷惑)、大きな額の買い物(プロジェクターの修理費とかシーツ、掛けカバーなど)をボーナス払い扱いとし、請求総額からそれらを差っ引いた額が「娯楽・教養」となる。
もちろんほとんど全部が私の買ったマンガかせいうちくんが買った本だ。
これを月5万に抑えられたら家計がかなり健全になるんだけど、なかなかそうはいかない。
10万超えてる月はたいてい私がどかっと大人買いをした結果なので、少し神妙な気分になる。
ところが6月と7月は難しい。
車中泊をした時期なので、レシートは別にしてあるのだ。
せいうちくんからは「全部足して、Gくんからもらってる軽油代の割り前を引いて、ざっくり『旅行代』としてボーナス払いにつけていい」と言われてるんだが、それだとその月の食費とか旅行代の方に行ってしまい、Excel上では「あまりお金のかからなかった月」になってしまうのが生理的にイヤ。
しょうがないので手近な9月をまずやっつけようとしたところ、最終週末にせいうちくんが買い物に行ってくれた際のレシートが出てないと判明。
なんか一気にやる気が失せたなぁ。
明日届く予定の「呪術廻戦」最新巻に備えて既刊を読み進めるか。
思ったより時間がかかり、まだ10巻までも行ってない。
最新刊は第28巻なのに。
午前中の受付ギリギリに整形外科に行こうと思ったんだが、交換品が送られてくるiPad Proが昨日からもう配送に入っている。
がーがー寝ている息子に頼んでいこうかとも思ったが、玄関先での現物交換になるので、何かわからないことが発生すると困る。
午後の最終受付に間に合うように行くか、と思案していたら案の定、エントランスから宅配の人が呼び出しボタンを押した。
飛び起きてモニタのところに走っていくも、ありがたいのか困るのか、近くで寝ていた息子の方が先に応答し、いつものように「玄関先に置いてください」と答えている。
横から「交換品でしたら、玄関から呼んでください」と言うのが聴こえたかどうかわからないうちにモニタはオフになってしまった。
宅配印を待って部屋の中をうろうろしていたら、息子がのんびりと「大丈夫だよ。わかってるよ」とあくび混じりに器用に呆れてみせる。
ああ、私はせっかちで心配性だよ。それがあんたの母親の真実の姿だ。
外廊下を歩いてくる気配がして、扉を開けそうになってるところにきちんとチャイムが鳴った。
「これ、やっぱりなんか、交換するようです」と開いたドアの向こうのにーちゃんが言い、渡す予定のiPad Pro 13を持って待ち受けていた私は勢い込んでブツを差し出す。
「送ってきたこの箱に入れて戻さなきゃいけないみたいなんで、開けてもいいですか?」
ぶんぶんとうなずくと、にーちゃんは小さな平たい段ボール箱と格闘して開けてくれた。
中に入ってる薄箱から本体を出して交換品を入れるべきか迷っているようだったので、
「たぶんそれに入れてお返しするんだと思います。開けちゃってください」とお願いし、出てきたブツと私が持っていたブツを交換して箱に元通り納めてもらい、ハンコ押して何やらAppleさんからの書類をもらっておしまい。
さようなら、刻印の入った私のiPad Pro 13。
買った早々に落としてガラス面を割ってしまい、本当に申し訳なかった。
適当に昼食を食べ始めた息子に、
「こないだ、父さんと2人でiPad ProとiPad2台並べてわたわたしてたでしょ。データの移管をしてたんだよ。今からまた1人でデータ戻すのにわたわたするから」と宣言して寝室にこもり、数日前と同じ手順でデータやアプリを戻す。
OSのアップデートに時間がかかるなぁ。やきもきやきもき。
でも、20分ぐらいで復元完成。
あとはそれぞれのアプリにログインしなければならず、そこでまたIDとかパスワードとかでわたわたする。
ああ、終わった。とりあえず、読書アプリとSNSとメールは無事使えるようになった。
息子は出かけるらしく、
「18時頃に帰るよ。今日はゆっくり話せるね」と身支度をしている。
「水餃子にするって父さんが言ってたよ」
「じゃあ、包むの僕が手伝うよ」と請け合って、いつものように自転車で出かけて行った。
さて、今日の目的地はどこだろう。
電動自転車のバッテリーが減って、難儀なことではある。
浅草とか大宮まで自転車で行くからなぁ、あの人は。
けっこう大変だったのがマンガのデータを新しいiPad Pro 13に入れる作業。
あれこれ八艘飛びをしながら読んでるとは言え、せいうちくんから「512ギガの余ってる部分がなくなるほどぎっしり入れることはないだろうに。全部読むのに1年はかかりそうだ」と言われているが、新巻が出るたびに第1巻から入れて読み返すことが多いので、どんどん増えていっちゃうんだよ。
さすがに今回はそこまで入れることもあるまいと思いながらも、本体でスクショ撮っておいた6ページ以上に渡るブックリストを適当に間引きながら選んでデータをコピーしていく。
「本体を見ながら入れるのは大変でしょ。PCの方でスクショ撮っておいてあげるよ」と私の知らない技で撮ってくれたせいうちくん、あなたがいないと、そのスクショの呼び出し方がわからないんだよ(泣)
結局、本体のスクショ見ながらの作業になった。
これがまた、データがでかいので時間がかかるうえ、充電量が少ないので省パワーモードですぐに画面が暗くなってしまう。
また、うっかり写真アプリを開いて時間が経つと、iTuneとの接続が切れてしまうようだ。
泣きながら何度も同じデータを入れ直し、「これはさっき入れたっけ?」ともうヤケクソで、「既にデータがあります」と言われるまで気にしないで選んでいく羽目になった。
おかげで空き容量の3分の2ぐらい入れたところで力尽き、結果的にゆとりのあるデータ量になったのは幸いなのか。
とにかく「呪術廻戦」だ(最初っからそれだけ入れればいいと自分でも思った)、とベッドで読んでいたら、不覚なことに寝落ち。
目が覚めたら18時になっていた。
「最終受付、たしか18時半だったはず」と嵐のように着替え、整形外科へ自転車を飛ばす(息子はせいうちくんのに乗って行ったようだ)。
ところがエレベータで2Fの受付に待合室にたどり着いてみたら「すみませーん、受付は終わりました」と言われる。
「18時半じゃなかったんですね」
「リハビリは18時半まで受け付けてるけど、診察は18時までなの。また明日、来てくださいねー」と言われてしおしおと退散する。
いつもゆとりを持って18時前に行っていたから、18時過ぎても受付が機能してるのをぼんやり見ていて「ああ、18時半まで大丈夫なんだな」と思い込んでいたが、あれはリハビリの受付だったのか!
焦ったので汗まみれになり、水風呂に入ってパジャマに着替えてまた「呪術廻戦」読み進んでいたらせいうちくんが帰ってきた。
息子からは「ごめーん、ちょっと用事が延びて、18時半から19時ぐらいに帰る」と連絡が来ている。
なかなか時間通りには動かないヤツだ。
ひと息つきながら「本日の報告」を聞いてくれたせいうちくんは、まず新品のiPad Pro 13が無事に立ち上がったのを喜んでくれ、9月分のレシートが出てない件についてはあわてて財布に残っていたレシートを出してくれた。
そうこうしてるうちに息子も帰ってきた。
せいうちくんが餃子のタネを作る間、息子が私の定位置であるソファにでろんと横たわっているので換気扇の下でタバコ吸ってたら、ひょいとどいてくれたその隙に定位置を奪い返してでろーんとする。
男衆は餃子包みの段階に入ったようだ。
「何個包むの?」と聞かれ、「90個」と答えて息子を「えっ!」と言わせてるせいうちくん。
だって、こないだ2人で食べた時、1人30個食べたんだもの。
3人だったら、しかもよく食う息子が加わったら最低でも90個でしょ?
「水餃子だからひだを寄せなくていいよ。普通にぺたっと半月形になっちゃっていい。焼き餃子と違って自立する必要がないから」と説明し、
「ざっくり9つにタネを分けたから、ひとつの部分から10個作る感じで」と指示を出したあとはせいうちくんも休憩に入る。
WOWOW+の14日間無料お試しは解約しても期限内は観られるのを確認してさっさと解約してしまったせいうちくん。
これまでずいぶんサブスクには泣かされてきたからなぁ。
週末いっぱいで終わるはずだから、山崎豊子原作のドラマ「沈まぬ太陽」全20話を観てしまわなければ。
途中で息子から泣きが入る。
「なんか、タネが足りなくて皮が余りそう」
「君はスープとポン酢、両方で食べるんでしょ。タネちょっとにしてワンタンの感覚でスープに入れたらいいよ」と適切に指導する父親。
美しい光景だ。
卓上IHコンロ出してきて食事しながら、息子が今困ってるのは「今は東京を離れられないと思うんだけど、Mちゃんは長野の方に住みたいって言うんだ」って点らしい。
「そこは、『あと1、2年待ってくれ』って言うしかないんじゃないの?」とせいうちくん。
私も、
「最近のあなたのX見てると、ずいぶん人脈が広がって新しいイベントもどんどん企画してるじゃない。下北沢のお店のこともあるし、東京を離れるのは惜しいよ。Mちゃんとよく話し合って待ってもらうしかないんじゃない?」と一票を投じる。
2年待ったら何が起こるのか、どうにかなる見込みがあるのか、そのへんは敢えて誰も触れない。
玉砕してあきらめるのか、それでもやめられなくてMちゃんに愛想を尽かされるのか、今決めてもしょうがないからだ。
2人が落ち着いて生活を始めるのがいつになるかわからないので、年内は双方の実家にを週替わりぐらいの感覚で居候させてもらうしかないだろう。
アパートを借りようにも長野なのか都内なのか、敷金・礼金分の貯金もなく、生活家電なども全部処分してそれぞれリュックしょっただけの2人だからね。
もうじき結婚3年目に入るわけで、「もっと一緒にいたいね」となったのはむしろめでたい。
せいうちくんと3日以上離れたことのない私は、3カ月近く出稼ぎに行ってるMちゃんが健気に思えてしょうがない。
幸い、年末年始の休みは我々、車中泊の旅に出るつもりだから、彼らはこの家で2人きりで新年を迎えるのもいいだろう。
息子はあれやこれやでたいそう疲れた様子で、我々が風呂に入ってる間に布団の山にもたれるように眠ってしまった。
「お風呂入って寝なよ」と言っても「…いい」と首をわずかに動かすのみ。
では、容赦なくお湯を抜いて水風呂を作ろう。
この季節になってもまだ、必要なんだ、私には。
その間にもぞもぞと動いて布団を敷き、本格的に寝る態勢に入った息子の横で、さしてボリュームを気にするでもなくWOWOWドラマを観続ける両親。
居候ってのはそういう立場だよ、しょうがない。
24年10月4日
こちらも疲れていたのか、「呪術廻戦」読んでるうちに睡眠薬ものまずに寝落ちしていた。
「なんだ、眠れるんじゃん」と思うものの、その代わりに3時に寝て6時にしっかり目が覚めているという状態。
昼間のどこかで寝ないともたないな、こりゃ。
せいうちくんは会社の「創立記念日」なのでお休み。
最近の睡眠負債を熱心に返済している。
今日という中途半端な日に創立されたわけではなく、合併とかいろいろあったので統一して「10月の第1週に3連休ができるように」創立記念日が毎年流動的に移動するみたいだ。
書斎で家計簿作業に没頭し、手をつける気にならない6月7月をのぞいてまとまり、Amazonの請求分は全部処理できたのでこれでいいとしよう。
Excelに転記してみると、月々の生活費がよくわかる。
思ったより食費がかかってるのは「嗜好品」の項目にタバコが入ってるせいもあろう。
マンガ代は言うに及ばず。
収穫だったのは、自分でも何を持っているのかわからなくなっていたマンガのデータの山、作者名ひとつひとつを開いてみてけっこう未読の長編を持っているのがわかったこと。
10年前に自炊を始めた時に滅多やたらに大人買いをし、その後、気の向くままに増やしてきてて、全貌を把握してなかったのだ。
最近買ったものでも、なぜ突然ゆめじの「魔女のエデン」4巻までを買ったのか、よくわからない。
強いて言えば掲載誌が「ハルタ」らしいからかも。
全幅の信頼を寄せているが雑誌としては重すぎるうえ、数年前に「ハルタ」と「青騎士」に別れ、おまけに「青騎士」は「青騎士A」と「青騎士B」に別れるという戦略に我慢できなくて買わなくなったが、コミックスはあいかわらずかなり買う。
森薫の「乙嫁語り」をはじめとして1巻進むのが非常に遅い、という点は、絵を見ると納得させられるクオリティの作品が多い。
「豊満な女体を描きたくてたまらない性癖の(主に)女性」が集う、なかなかけっこうな雑誌だ。
もうね、作者の名前と作品名が脳内でリンクしてないの。
20人ぐらいは大丈夫な気がするけど、ちょっと気を抜くと「ふしぎの国のバード」は佐々大河が描いてる、って忘れる。
萩尾望都や青池保子は忘れないから、やはり若い頃に覚えたことはよく残るんだろう。
でも、「ふるぎぬや文様帖」が今市子だったか波津彬子だったかはとてもこんがらがる。
この頃、せいうちくんに「それは○○だからじゃないの?」とか言うと、びっくりされて、
「今、僕は何の話もしてないよ!」と言われることが多い。
私が脳内で勝手に話を作っているのか、せいうちくんが話しかけられたことから全部忘れているのか、どっちも怖くて確認してみる気にもなれない。
きっと私は秒単位で寝て、一瞬で夢をみて寝言を言っているんだろう。
息子は知人から劇団四季の「ゴースト・アンド・レディ」のチケット(しかもS席!)をもらったと言って大喜びで出かけて行った。
彼が大好きな藤田和日郎の作品の中でもとりわけ好きなシリーズ「黒博物館」の話だから、たまらないだろう。
ついつい私も観たくなってチケット探してみたが、まず「四季の会」に入らねばならんらしく、油断してると会費を取られる。
すぐに撤退し、せめてもの手土産に「赤毛のアン」はともかくとして「ガンバの大冒険」まで演目にあるようだ、とせいうちくんに報告したらたいそう驚いていた。
以前プレゼントした「ブラックジャック時計」がシリーズになっていて、「未来少年コナン」や「名探偵の方のコナン」、「宇宙刑事ギャバン」まであるよ、と話した時と同じ種類の驚きであろう。
きっと今一番小金が自由になるのは、50代60代の懐古趣味オタクで、まんまとターゲットになっているのだと思う。
光るゴジラやメトロン星人、果てはウルトラアイ老眼鏡が売れるわけだ。
若い人(少なくとも息子)は腕時計なんかせずにスマホで時間見てるからなぁ。
いかん、せいうちくんが寝続けているので、なんとなく休日のような気がしていたが、世間様は動いているのだ。
また整形外科の午前の部が終了する時間になってしまった。
夕方には忘れずに行かなくちゃ。
でもきっと、せいうちくんも家にいることだし、と来週に回してしまうな。
整形外科は予約もなく、シップや鎮痛ジェルが切れても膝や腱鞘炎の手が痛むだけで深刻な状態にはなりようがないので、一番適当になってしまう通院先なんだよ。