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【MK(マーキング)について】新人アニメ制作進行に捧ぐ! お前が生き延びるための覚書(P19)
MK(マーキング)について
DB差し(ダビさし)とも言います。
(厳密には意味が違うがほぼ同義と思ってよい)
MKとは、効果音・BGMをつけるために、映像をつなげ、編集する作業。
作業者は編集さんです。
MKで編集したムービー素材を音響さんに渡して、効果音・BGMをつけてもらうのだが、このことをDB(ダビング)といいます。
通例的にはここでフルカラーにしておくべき。
もしフルカラーにするのがが間に合わない場合、音響さんと密に連携し、音響メモ(後述)等によって、必要な情報(素材の状態、音がつく場所、音の種類)を事前にしっかり共有しておくことが重要。
流れはだいたいCTと一緒なので詳細は省きます。
CTと回し方の部分で違う点としては、音が絡むカットを優先するということ。
わかりやすく言えば、SE・BGMを付けることが可能な素材にする必要がある。
例えば、アクションのカット。
何かを固いものを殴るアクションがあるすれば、殴ったタイミングで効果音がつくだろうから、そのタイミングがわかる素材にする必要がある。
また、拳が空を切る音もつくかもしれない。
なので、このカットに関しては、コンテ撮素材に音をつけるのはそうとう無理がある。
他にも3Dカットやモニターに音がつく場合、MKまでに素材を編集入れする。
(※3Dカットやモニター素材を間に合わせなければいけないことについて、うっかり頭からヌケやすいので注意!)
また、BGがまだあがっていない場合、床の歩きに音をつけるとしても、リノリウムの床なのか、コンクリの床なのかがMKムービーではわからないので、音響さんが足音をつけるときに困ってしまう。
フルカラーにできないなら、すべてのカットに音がつけられる状態まで持っていく必要がある。MK素材の状態については、演出さんにしっかり報告・相談しよう。
作品『W』#9では、メカ作監さんが「シートも絵もすべて描き直す!」というストロングスタイルだったため、MKまでにメカ作監カットはすべてチェックしきって頂く必要があった。
DBもARもふつう一回きりのものなので、そこまでにすべてのカットの動きのタイミングを確定させておかなければならないからだ。
#9は、ふつうにメカ作監チェックをしていたら絶対間に合わないスケジュールだったので、MK用の仮チェックをする形ですすめた。
ただ、あまりに過酷なスケジュールだったので、不眠不休で作業して頂いたのだが、どうしても数カット、間に合わなそうなものがあった。
そこで、それらのカットに関しては、「動きのタイミングはLO演検時のものから変えない」というコンセンサスをなんとかとって、LO演検でのタイミングで進めた。
メカ作監さんは悔しい思いをされたと思う。私としても苦渋の決断だった。
MK映像が、音をつける素材として不充分だった場合、演出がMKメモというものを作成する。
例を挙げると、爆発があるのにコンテ撮のカットだった場合、「12K~24Kまで爆発音あります」とか。
MK後、そのMKメモをDB用につないだムービーと併せて音響さんに送る。
以上。