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新人アニメ制作進行に捧ぐ! お前が生き延びるための覚書 ──原画作監あがりの処理──(P10)

【制作進行の業務フロー編】                    


    

   ──原画作監あがりの処理──


①作業して頂いた作監さんに連絡

  • あがりを回収した旨の連絡

  • 状況の確認(他の仕事の状況など、スケジュール通りに進行できるかを確認)


②素材の制作チェック

  • 素材の確認 

素材のミス・ヌケがないか確認(素材入れ忘れ、チェック欄のヌケ…)

作監さんからリテイクが出た場合原画さんへ戻す(失礼にならないように言い方には気を付けよう)

作監修正の内容の確認。動画さんが作業しやすいかどうかをチェックしよう。
例えば、原画が荒く、そのうえ作監修正もしっかり入っていない場合などは、動画さんは作業しづらいし、よいあがりが上がってくることも期待しづらい。その場合、信頼できる動画さんに頼まない限り、クオリティに期待ができない。

「この作監修正だとあまりに動画撒きが厳しい」という場合には、作監さんに再作業を相談することがある。
もしくは別の方に原画作監作業をお願いする場合もある。
(普通はしない作業だし、イレギュラーな回し方なので各方面にしっかり説明しよう)

また、原画作監修正の内容をみて、原画作監でもよく修正を入れる作監さんなのか、あまり入れないのか等、どういう作監さんなのかを判断しよう

  • スキャン

スキャン後、ファイル名が間違ってないかどうか確認。
また、大判カットをスキャンした場合などは見切れていないかなど確認。

  • 日付の記録

作監あがりと動画撒き前チェック入れの日付を記録


④動画検査さんに撒き前チェック入れ

動検さんに素材入れる。状況報告書も併せて渡す。
(動画グロスをしていて、動検さんもグロス先の人だった場合、グロス先に入れる)
 
入れた旨を連絡。
もし入れに関して説明が必要な場合(原画の線が溶けている、動画が割りにくい素材になっている等)、黙って渡さず、
直接渡して説明するか、メモを残す。

・動画撒き前チェック入れ(作品によってはない場合もある)
 
動検さんに素材入れる。状況報告書も併せて渡す。
(動画グロスをしていて、動検さんもグロス先の人だった場合、グロス先に入れる)
 
入れた旨を連絡。
もし入れに関して説明が必要な場合(原画の線が溶けている、動画が割りにくい素材になっている等)、黙って渡さず、
直接渡して説明するか、メモを残す。
 

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原画に「ツメ指示」が入っていないもの素材をよく見かける。
「ツメ指示」が必要な素材に、指示が入っていなければ動画入れしてはならない。

特に2原に撒くと、ラフ原画には「ツメ指示」が描かれていたのに、2原あがりには描かれていないパターンが多い。
道理で考えれば、「ツメ指示」が書かれていない素材は2原担当者にリテイクを出すべき。
ただ、そのやりとりだけで数日かかってしまうので、スケジュールに余裕がない場合は、原画チェック時に演出さんに経緯を説明したうえでツメ指示を書いてもらうのいいかも。

原則、制作は素材を弄るべきではないが、演出さんも多忙でいっぱいだったときは、私がラフ原画に書いてあったツメ指示を原画に描き写していたこともあった……。

また、そもそもの話だが、「こんな原画の入れ方では動画で割れない」というパターンもある。
そんな原画を動画検査さんに渡すなんてことにならないように、制作はレイアウトラフ原画 時から気を付けてチェックしよう。

自分でラフ原画をチェックしていて、「ん?この原画とこの原画の間って割れるのか?」というものが、するすると演出・作監チェックを通ってしまった場合、動画検査さんに前もって素材を見せて、意見を仰いでみるといいかもしれない。

※ただ、昔は「ツメ指示」がなくても動画マンが考えて中割りをするのが当たり前」という考え方をする方が多かったので、そういう考えのもと「ツメ指示」を描かない原画さんもいる可能性を考慮しておこう。
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以上。


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